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入管法改正案の国会の論戦、野党の見解・詳報は ?
T 国会の質疑:入管法、採決巡り与野党攻防激化 !
衆院法務委で質疑
(this.kiji.is:2018/11/26 21:41より抜粋・転載)
外国人労働者受け入れを拡大する入管難民法などの改正案について、衆院法務委員会の葉梨康弘委員長(自民党)が26日、法務委で27日午前に採決することを職権で決め、本会議への緊急上程を求めることに立憲民主党など野党は反発、採決を巡る攻防が激化した。法務委では26日に質疑が行われたが、政府側の答弁は従来の域を超えず、低調なやりとりに終始した。
法務委では、法施行後の見直し期間を3年から2年に短縮することを柱とする自民と公明党、日本維新の会の共同の修正案について、維新の串田誠一氏が説明した。
U 【衆院予算委】入管法改正案に「無責任なこと立法府としてやれません」と
山尾、逢坂両議員
(cdp-japan.jp:立憲民主党:2018年11月26日より抜粋・転載)
衆院予算委員会で11月26日、集中審議(内外の諸情勢)が行われました。立憲民主党・市民クラブから山尾志桜里、逢坂誠二両議員が質問に立ち、入管法改正案や技能実習生制度など、外国人の受け入れ制度について取り上げ、安倍総理らの見解をただしました
(写真上は、質問をする山尾議員)。
山尾議員は13日の衆院本会議において、新制度による特定技能労働者が永住者となる新たなルートが開かれたことになるのかと質問したのに対し、安倍総理は「永住許可の運用の問題であり、法務大臣において判断されるもの」と答弁。
このことについて、法務大臣が決めるべき運用の問題ではなく、安倍政権として国民・立法府に問うべき政策判断だとして総理の認識をただしましたが、安倍総理ではなく山下法務大臣が入管法の構造に関わることだとして、所管大臣として「裁量の範囲内で判断する」と答弁しました。
安倍総理に改めて質問すると、安倍総理は「所管する法務大臣から答弁させていただいた」として、同じ答弁を繰り返すにとどまりました。
これに対して山尾議員は、「新制度が新しい永住許可のルートを開くものかどうか、こういう本質すら、いまだに安倍政権は決めていない。
そして決めるのは法案が通り世間の注目度が下がってから。法務省に丸投げするということがはっきりした。(安倍総理は)決断して国民と立法府の議論にしっかりと立ち向かうべき」と指摘しました。
また、受け入れの数の上限について、山下法務大臣は「分野別運用方針に定められた上限値を超える場合には、在留資格認定証明書を上限を超えて発行しないという運用になる」「数値として上限を定めることを義務付ける規定は設けていない」と答弁。
山尾議員は、法律上ではなく運用上の上限であると指摘。また、この「分野別運用方針に定められた上限値」は法案の成立後に示される数字であることから、「この立法府の議論は何なのでしょうか」と必要なデータが出ていないままでの審議が進められていることについて疑問を呈しました。
逢坂議員は質疑の冒頭、山尾議員の質問に対する安倍総理や山下法務大臣の答弁について、「今回の入管法の改正、実は中身が何も決まっていない。
スカスカ。
新たな在留資格を作るということだけは明確だが、永住権の扱い、どれくらいの人数を受け入れるのか、単純労働とはいかなるものか、総理が言うところの移民政策というのは何か、ということをまったく決まらない中で議論させられている」と指摘しました。
続けて、「制度設計をあやふやなままでやってしまうと、将来に大きな禍根を残す。特に現在、国内で事実上の労働力になっている技能実習生、あるいは留学生として労働されている皆さん、こうした方々の実態・現状、これを把握し、それへの対応・対策もしっかりやる、その上で新たな制度設計も考えていくことでなければ、将来、大きな過ちを犯しかねない」と語りました。
逢坂議員は、日本人と同じような環境の中で同じ程度の賃金が保証されるのかと質問。安倍総理は日本人と同等以上の給与を払わなければならないとの認識を示しました。
どうやってそのことを担保するのかとの質問に対して山下法務大臣は、「指導助言、あるいは命令であるとか立ち入り検査ができるようになっているので、しっかりと実効性を図っていきたい」と答弁しました。
逢坂議員は、失踪技能実習生から2017年に聞き取った個別の調査結果(個票)の中に「時給300円」「労働時間130時間」というものもあったとした上で、「現行でも指導や助言の役割を政府は担っている。うまく行っていないにもかかわらず、同じ制度を続けるのであれば、問題の解決にはならない」と指摘しました。
これに対し山下法務大臣は、個票は2017年の失踪技能実習生のことであり、同年11月から新たな技能実習法が施行されたので、この新法のなかでしっかりと担保していくと答弁。
さらに今回の調査結果を受け法務省内に技能実習の運用に関するプロジェクトチームを設けて運用について検討していると説明しました。
逢坂議員は、新法においても半年で約4,000名が失踪し調査もしているとして、検証するためにこの調査結果を出すよう求めましたが、山下法務大臣は新たな制度に基づくものについては、集計・精査・作業中だとして応じませんでした。
逢坂議員は「今回の新たな在留資格は、技能実習制度の上に積み重ねるもの。技能実習制度を前提にしているので、技能実習の実態がどうなっているのか明らかにすることは、法案議論の大前提。
今の技能実習の実態を明らかに出来ないというのは、法案審議の前提が壊れている」と厳しく指摘し、「調査結果をしっかり出した上で、法案の議論をしようじゃないですか。
実態は後から教えます、法律だけ通してくれ、あとは白紙委任してくれなんて、こんな無責任なこと立法府としてやれません」と断言しました。
V 【衆院予算委】「中間マージンや 天下りをなくして、
外国人労働者の賃金を 高くするべき」後藤祐一議員
(www.dpfp.or.jp:国民民主党:2018年11月26日より抜粋・転載)
衆院予算委員会で、11月26日、国民民主党から後藤祐一議員が集中審議(内外の諸情勢)の質疑に立った。「外国人労働者受入れ拡大」「首脳外交(日ロ)」「消費税増税に伴う緩和措置」「桜田大臣の担務および資質問題」について安倍総理と所管の大臣らに質問した。
●外国人労働者受入れ拡大
後藤議員は現行の技能実習制度と異なり新制度では転職が自由になるため、地方で外国人労働者の雇用を担保できるのか、地方の人手不足の対策などについて政府にただした。山下法務大臣と安倍総理は「懸念に留意しつつ、地方での人材不足を解消したい」と回答したが、具体的な対策は示されなかった。
また、技能実習生の賃金が安い原因として、海外からの受け入れにブローカーなどが介在し、中間マージンが発生している点を問題提起した。
技能実習制度全般に関する総合的な支援機関として発足した公益財団法人国際協力研修機構(JITCO)が事業費17億円のうち15億円近くを人件費に計上し、役員15人のうち7人が中央省庁からの再就職者であることや外国人技能実習機構の存在を挙げ、中間マージンや天下りをなくして、外国人労働者の賃金を高くするべきだと主張した。
◆JITCOへの天下り
後藤議員は、国民民主党が先週発表した対案の骨子を示し、政府案の成立を先送りし、その間に6カ月かけて次の8つの課題
(1)地方の人材確保への配慮(2)客観的かつ合理的な受け入れ上限(産業別・地域別)の設定(3)適切な外国人労働の待遇を確保するための配慮(4)在留資格の変更に際しての一時帰国(5)現行の各種受け入れ制度の実態把握に基づいた抜本的見直し(6)適切な社会保障制度と教育制度のあり方(7)家族帯同など人権的な配慮(8)多文化共生施策の充実――について検討し、「世界に選ばれる国」を目指すべきだと述べた。―以下省略―
W 入管法改定案の強行許されぬ !
人権侵害放置 まともな審議もせず
(www.jcp.or.jp:共産党:2018年11月27日より抜粋・転載)
日本共産党の藤野保史議員、辰巳孝太郎議員は、11月26日、衆参両院の予算委員会で、外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改定案について、新設される在留資格の人材の大半を外国人技能実習生や外国人留学生からの移行でまかなおうとしていることを指摘。
現行制度のもとで横行する実習生、留学生の深刻な人権侵害を放置したまま、まともな審議もせずに法案を押し通すことなど絶対に許されないと批判しました。
◆大半は実習生から移行、藤野氏が追及 !
安倍晋三首相は、現行の技能実習制度と新設される在留資格「特定技能」について、「趣旨、目的を異にする」として、関連性を否定しています。
藤野氏は、法務省の提出資料をもとに、新在留資格「特定技能」で受け入れる外国人労働者のうち技能実習生からの移行を見込んでいる割合をパネル(表)で示して指摘。
「技能実習生がいなければ新制度が成り立たない。これが実態ではないか」と迫りました。
藤野氏は、安倍首相は“9割の実習生はうまくいっている”という答弁をしているが、「技能実習制度では、最賃以下の賃金や暴力など法令違反や人権侵害が横行しており、その認識は誤りではないか」と追及しました。
安倍首相はこの質問にはまともに答えず、「2017年に技能実習法が施行され、悪質なブローカー対策として2国間取り決めによる送り出し機関の適正化に努めている」などと答えました。
藤野氏は、同法施行後も技能実習生の失踪が昨年を上回るペースで増加していることを示すとともに、安倍首相が所信表明演説で触れたベトナムと、日本が結んだ「覚書」では、ベトナムの実習生が送り出し機関に支払う額の上限は40万円とされているのに、失踪した技能実習生からの「聴取票」では、86%が40万円以上の借金をしているとして、「いまやるべきことは、外国人労働者の実態を踏まえて徹底的な審議を行うことだ」と強調しました。
◆「企業の使い勝手」本音、辰巳氏が告発 !
辰巳氏は、外国人留学生について、学業に支障がないようにアルバイトを週28時間に制限されているにもかかわらず、「使い勝手の良い労働力」として酷使されている実態を告発しました。
辰巳氏は、「留学生は多額の借金を抱えて来日する点で、技能実習生と重なる」と指摘。
日本語学校の学費や留学あっせん業者への支払いで、150万円前後の借金を抱える一方、「週28時間のアルバイトでは生活費や借金返済、次年度の学費をまかなえないため制限を超えて働き、最低賃金に張り付き、パワハラが横行する劣悪な条件でもダブル・トリプルワークで働かざるを得ない」と述べました。
さらに、株式会社立の日本語学校が乱立し、学校が人材派遣会社を兼ねて自校の留学生を週28時間以上働かせる事例もあり、「留学生には技能実習生のような職種の制限がなく、企業にとって『使い勝手』が良い」と強調。
「現地ブローカーや一部の日本語学校、専門学校が関与して人材ビジネスを繰り広げ、留学生を搾取している」と述べ、実態調査を求めました。
辰巳氏は、2017年に、自民党「一億総活躍推進本部」のプロジェクトチームが、留学生を「労働力として活用することで、労働力不足を補う」「労働時間制限を緩和すべき」と提言しているとして、「留学生を『使い勝手の良い、安い労働力』として企業に供給する構図を整えるのが本音だ」と指摘。
外食業では新制度で初年度に受け入れる、4000〜5000人のうち、3000人は、留学生からの移行を見込んでいると迫りました。吉川貴盛農水相は、人数を明言しなかったものの、留学生も含まれることを認めました。
辰巳氏は、「留学生の実態把握すらせず、新制度につぎ込むなど論外だ」と批判しました。
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