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自民党・総裁選:石破元幹事長の安倍首相への対決色が鮮明化 !
アベノミクス・安倍政治の深層・真相は ?
(2018年7月1日・共同通信の報道より抜粋・転載)
9月の自民党総裁選への立候補に意欲を示す、石破茂元幹事長が、安倍首相(総裁)との対決色を見せ始めた。
石破氏は、アベノミクス効果の実感が薄い途方の経済活性化を政策の柱としてアピールし、森友疑惑・加計疑惑など安倍政権の「急所」に切り込む発言も目立つようになった。
石破氏は、安倍首相と距離を置く「非安倍」票の受け皿を目指すが、現職優位の歴史がある総裁選で、どこまで奏功するか見通せない。
石破氏は、6月30日、青森県断八戸市で、地方経済を重視する姿勢を訴えた。
「金融緩和と財政出動だけで地方が良くなると思ったら大間違いだ。ローカル経済には、ローカル経済の良くなる方法がある」と演説した。
安倍政権の推進力となっているアベノミクスを念頭に、「現状は、地方への目配りが不十分」との主張をにじませた演説だった。
森友学園・加計学園の問題を巡る安倍首相の答弁に対しては、「見る側が『そうじゃない』と思えば、工夫し改善するのは、政治家として当たり前だ」(6月27日のラジオ番組)と指摘し、幕引きを図る安倍首相側に異論を唱えた。
「安倍一強」の雰囲気が与党内を覆う中、安倍首相に疑問を呈する発言を支えるのは、地方行脚で培った肌感覚である。
石破氏は、「国民の納得と共感が大事だ。批判を許さない組織は健全ではない」と明言する。
今後は、控え気味だった政策面での違いも打ち出す意向である。
旗印に据えるのが、「地方創生」である。
初代地方創生担当相としての経験をふまえ、地方の潜在能力を引き出して所得向上を図るビジョンを描く。
総裁選の鍵を握る党員・党友の地方票を意識しているのは間違いない。
(参考資料)
5 年半のアベノミクスで、 国民の生活は真っ暗闇が実態だ !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2018/06/20より抜粋・転載)
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1)5年半のアベノミクス・安倍政治で根幹の部分、
幹の部分での評価は、最悪に近い !
第2次安倍政権が発足してから、5年半の時間が経過した。
この間の日本経済の変化について、安倍政権は、アベノミクスが成功したかのような説明をするが、まったく正しくない。たしかに枝葉の部分では、成果としてアピールしたがることが、ないとは言えないのだが、根幹の部分、幹の部分での評価は最悪に近い。
国民にとって、もっとも切実な経済問題について、私たちは正しく事実を把握し、そのうえで、適正な政策の遂行を求めなければならない。
2)経済運営の実績として強調するのは、五点だが、
「枝葉」であり、根幹の部分は最悪だ !
安倍政権が経済運営の実績として強調するのは、以下の五点である。
1.雇用者数が増えた、有効求人倍率が上がった
2.名目GDPが増えた(2013年503兆円から2017年547兆円に)
3.企業利益が増えた
4.株価が上昇した
5.外国人訪日者が増えた
これらは事実であるが、経済運営の評価としては「枝葉」に関わることだ。
悪いこととは言えないが「木を見て森を見ず」である。まったく賞賛にあたらない。
3)安倍政権下、経済の根幹である、実質GDP
成長率と実質賃金は、よくない !
経済運営の実績を評価するうえで、根幹の二つの指標を提示するなら、実質GDP成長率と実質賃金の変化ということになる。実質GDP成長率が全体としての日本経済のパフォーマンスを示す。
他方、実質賃金の変化は、国民の大多数を占める労働者の実質的な実入りの変化を示している。
実質GDP成長率は四半期ごとに発表されているが、第2次安倍政権発足後の実質GDP成長率平均値は+1.3%である。これに対して、民主党政権時代の成長率平均値は、+1.8%である。
4)安倍政権下、実質GDP成長率平均値は、東日本大震災
・福島原発事故のあった、民主党政権時より悪い !
民主党政権時代に東日本大震災が発生し、福島原発事故も発生した。
極めて経済が停滞した時代だが、第2次安倍政権発足後の日本経済の実績は、その民主党政権時代をはるかに下回っている。総合点は劣悪極まる。
試験に不合格になった生徒が、「あの漢字の読み方の問題はできた」、「1問目の計算問題は解けた」と言っているようなものである。
5)一人あたりの実質賃金指数は、第2次安倍
政権発足後に約5%減少した !
一人あたりの実質賃金指数は、民主党政権時代は、ほぼ横ばいだったが、第2次安倍政権発足後に約5%減少した。
国民にとっての最重要の経済指標が実質賃金指数の伸びであり、この数値が最悪を記録しているのであり、全体としての経済政策の評価は、優、良、可、不可の「不可」にあたる。
名目GDPが、2013年の503兆円から2017年の547兆円に増えたというが、名目GDPは、2007年に532兆円だったものが、2009年に、490兆円に急減している。
6)自公政権下、2015年にようやく、2007年の
水準に回復しただけなのだ !
自公政権下で、名目GDPが急減し、2015年にようやく、2007年の水準に回復しただけなのだ。
しかも重要なのは、実質GDPであって、名目GDPではない。
経済全体の推移が「不可」の状況下で、労働者一人当たりの賃金が、実質で5%も減少した。
その一方で、企業収益は、リーマンショックに伴う激減から、V字型で回復して、史上最高水準を更新している。その大半を占めているのが、一握りの大企業である。
7)日本の法人数全体の0.1%の大企業の収益だけが、
史上最高水準を更新している !
株価が上昇したというが、上場企業数は、すべて合わせて、約4000社である。
日本の法人数全体の0.1%に過ぎない。雇用者が増えたというが、労働者全体の所得が伸びないなかで、その所得を、分け合わなければならない人数が、増えただけなのだ。
だから、一人当たり実質賃金は5%も減っている。とても政府が自画自賛できる状況でない。
8)安倍政権の予算投下と円安で、日本旅行が
割安になったので、外国人旅行者が増えた !
外国人旅行者が増えたのは、国が巨大な観光関係予算を投下したことと、円安で、日本旅行が割安になったことによるものだ。円安で日本からの輸出が増えたことと同義である。ただし、円安は、日本全体の価値減少をもたらすもので、政府が「成功」としてアピールするべきものでない。
9)日本経済の実態では、アベノミクスには、
全体として「不可」の評点である !
アベノミクスには、全体として「不可」の評点しか与えられないのだ。
アベノミクス第一の矢は金融緩和。第二の矢は財政出動だった。
金融緩和はインフレ誘導を目指して行われたが、インフレは実現しなかった。
日本の労働者の実質賃金は、第2次安倍政権が発足してから約5%も減少したが、このなかで、2016年だけは、小幅増加を示した。
2016年に小幅増加した理由は、インフレ率が、マイナスに転じたことにある。
10)実質賃金が、2016年だけは、小幅増加したのは、
インフレ率がマイナスに転じたからだ !
賃金がまったく増えないなかで、インフレ率がマイナスに転じ、物価が下がった分だけ、実質賃金が小幅プラスを示したのだ。インフレではなくデフレに回帰して、初めて労働者の実質賃金が増えた。
つまり、安倍政権が掲げたインフレ誘導という目標自体が完全な誤りだったのだ。
インフレ誘導に失敗したことは不幸中の幸いだった。
しかし、日銀のバランスシートは膨張し、今後、長期金利が上昇すれば、日銀が数10兆円単位の損失を計上することになる。日銀はとんでもない時限爆弾を抱え込んでしまったのだ。
11)安倍政権下、国民にとって一番大事な、 実質賃金は減り続けている !
国民にとって一番大事なことは、一人あたりの実質賃金が増えることなのだが、安倍政権下で実質賃金は減り続けている。この現状に対して、安倍政権は、何の反省もしていない。
現在、国会で強行制定しようとしている法律の実態は「働かせ方改悪法」である。
過労死水準の長時間残業を合法化する法律である。
12)安倍政権が推進する、働かせ方法案の実態は、「働かせ方改悪法」である !
残業代を支払わずに、労働者に長時間残業を強制する制度を新設する法律。
正規労働者と非正規労働者の格差を温存する法律が強行制定される。
狙いはただ一つ。大資本の労働コストを削減することだ。
13)安倍政権の実態は、労働者一人あたりの所得
を圧縮する方向に政策の舵を切っている !
つまり、安倍政権は労働者一人当たりの所得を増大させる政策ではなく、労働者一人あたりの所得を圧縮する方向に政策の舵を切っているのだ。
そして、もう一つの重大な政策がある。税制の改変だ。
消費税が導入された、1989年度と2016年度の税収規模は、約55兆円規模で同水準だ。
この27年間に生じた変化は、所得税が、年間4兆円減少、法人税が年間9兆円減少、消費税が年間14兆円増加したことである。
14)消費税導入後、27年間、富裕層の負担を、年間、
13兆円減少させて、庶民の負担を14兆円増大させた !
1%の富裕層の負担を、13兆円減少させて、庶民の負担を14兆円増大させた。
これが税制改変の正体なのである。安倍政権は、アベノミクス第2の矢として、財政出動を掲げたが、2014年に、消費税増税8%を強行して日本経済を撃墜してしまった。アベノミクスの実態は、支離滅裂、アベコベノミクスになってきたのだ。その安倍政権が、2019年10月に、消費税率を現在の8%から10%に引き上げる方針を示している。
15)消費税を10%に増税すれば、日本経済が崩壊することは間違いない !
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