01. 愚民党 2010年11月28日 22:37:33: ogcGl0q1DMbpk
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-------------------------------●アメリカン・エレジー アメリカン・エレジーは、1999年4月20日にコロラド州コロンバイ高校で起きた、銃乱射事件の犠牲者のために作曲されました。エレジー(哀歌)と題されていますが、作曲家のフランク・ティケリは事件で生き残った人たちが悲しみを乗り越え、希望を見だしていくことを願い、それを表現したかったと述べています。 2010年11月28日(日) 鎌倉芸術館大ホールにて
鎌倉シティブラス第31回演奏会プログラムパンフレットから ------------------------------------------ わたしははじめて生演奏で「アメリカン・エレジー」をいいしれぬ人知れず深い心を悲しみにおいて振動した。 ここで、わたしがひとりで企画し実現する公演の台本の断片を掲載することを、あらかじめ謝罪しておきたい。 わたしは、2011年1月5日、神奈川県藤沢市民会館大ホールにおいて公演を開催する。 題名は「鈴木ヱイ子氏を偲んで」である。 ------------------------------- 2011(平成23)年1月5日「鈴木ヱイ子氏を偲んで」公演のご案内 拝啓
本年に入りますます気候は猛烈な暑さと寒さ、一日の朝昼夜の温度差は激しくこれまでの季節とは違い、春と秋がないままに四季の美しい繊細な日本は過去となりました。しかし、わたしたちは日々生きて空気をすい呼吸しております。過酷な季節のなかでも皆様にはご清祥のこととお慶び申しあげます。さてこのたび鎌倉芸能クラブは、来年2011(平成23)年1月5日に「鈴木ヱイ子氏を偲んで」公演を藤沢市民会館大ホールにおきまして開催する運びとなりました。 鈴木ヱイ子氏とは1994(平成6)年の晩夏、とりふね舞踏舎で出会って以来、地元湘南、東京、京都、海外での公演で舞台を共にしてまいりました。鈴木ヱイ子氏にはまた鎌倉芸能クラブが企画した1996(平成8)年12月の藤沢での「母の木は残った」舞踏公演、2007(平成19)年5月鎌倉での「オルビー動物園物語」公演での舞踏などに出演していただきました。 遊行寺本堂での「小栗判官と照手姫ー愛の奇蹟」遊行舎公演、藤沢市民会館での「中世悪党伝」遊行舎公演のときなどでは、毎回東京からの出演者が泊まる宿泊所を用意していただき、鈴木ヱイ子氏には大いなるお世話になってまいりました。それら言い尽くせぬ感謝のお返しもできないまま、鈴木ヱイ子氏は本年3月下旬、他界いたしました。わたしが参加させていただいた舞踏も演劇もその舞台は鈴木ヱイ子氏の存在なしにはありえなかったと思っております。 鈴木ヱイ子氏は仲間たちからでんちゃんと呼ばれてきました。舞踏も演劇も数々の人々の協働と協力によって実現していきます。その中心軸にいつも鈴木ヱイ子氏の存在がありました。「寺山修司の言葉を100年残す」と驀進している演劇実験室◎万有引力の俳優を迎え、また京都からの出演者を迎え、東京で活躍している舞踏者を迎えながら、「鈴木ヱイ子氏を偲んで」公演を開催いたします。来年の正月というお客様におかれましてはご多忙の時期かと思いますが、ぜひ、ご観戦いただきますよう、お願い申し上げます。 敬具 ------------------------------------------- 鈴木ヱイ子氏を偲んで
●期日=2011年1月5日(水) ●藤沢市民会館大ホール JR・小田急・江ノ電 藤沢駅南口下車徒歩7分(江ノ島方向) ●時間=開場18:30 開演19:00 ●入場無料 ●主催 鎌倉芸能クラブ ---------------------------------------------- 「鈴木ヱイ子氏を偲んで」公演 台本の断片 イラクの劇団、バクダッド・シアターはフセイン政権に弾圧されロンドンに亡命した。1950年代イラク共産党は50万人の党員をもち国内最大の動員数があり、女性閣僚を政権与党に送り出していた。 サッダーム・フセインが大統領に就任する直前の1979年5月(7月に就任)に「バアス党以外の政党の軍との接触禁止に違反した」(実際は一党制の確立が目的と言われる)ということで非合法化され、1989年には7万人の党員が逮捕された。知識人のシンパも多くが教職を失っている。演劇文化の暗黒時代である。 2003年3月、世界二重帝国の逆襲として米英同盟軍がイラクに侵攻する。イラク戦争によってバアス党独裁のフセイン政権は打倒された。その後、イラクの石油はシュルなどの世界的規模石油メジャーによって私物化された。バクダッド・シアターは30年ぶりにバクダッドへ帰還し公演をした。劇団員がそこで見たものは文明の崩壊だった。インフラは全面的に破壊され「千夜一夜物語」を生んだ千年のバクダッド文化は廃墟となっていた。1950年代、1960年代の労働者人民の息吹は虚無の都市へと転倒されていた。死の舞踏、ペストである。かつて「芸術家よ、くたばれ!」と叫んだ「死の教室」カントールの世界こそバクダッドであった。現在の生者は過去の死者に問われている。 大英帝国にとってはイラクとアフガニスタンはかつての植民地だった。第2次世界大戦後の第3世界独立国の登場と発展は、みごとに世界二重帝国の逆襲としての米英同盟軍により壊滅されていった。これが21世紀の幕開けでもあった。文化もまたインフラである。人間の基調生活を支えるインフラは壊滅されていく、これが文明の壊滅として現出した21世紀ゼロ年代でもある。全世界はグローバリゼーションの名のもとにフッラト化されていく。これが異化装置でもあった。演劇とは陰謀であるが、今や陰謀はメリーゴーランドとなって普及している。 二週間のバクダッド滞在からロンドンに帰還したバクダッド・シアターの劇団員は全員、寝込んでしまったという。その後、体を壊し病気になっていった。ここには表現者の21世紀問題が世界同時性として表出している。 石油がないアフガニスタンはもっと悲惨だ。紀元前4世紀、アレクサンドロス大王はこの地を征服し、アレクサンドリアオクシアナと呼ばれる都市を建設した。アレクサンドロス大王軍の末裔こそアフガニスタンの人々、きわめて戦闘的な民族なのである。国の基礎であるインフラは徹頭徹尾壊滅され、粒とされてしまった。人々は飢餓に落とし込められ芸術表現どころではない。 文明崩壊の廃墟の匂いを拡散させながら、すでにグローバルによって包囲されている21世紀問題。表現者はまず生き延びる必要があるが、その方法の模索と人生案内のために、文明批評としての寺山修司演劇論集は現在進行形として実在する。 <文明は滅んでも母死なず、百年たてど母死なず、千年たてど母死なず、万年たてど母死なず> 寺山修司 ------------------------------------ |