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1991年 フランス ポンヌスの恋人 Les Amants du Pont-Neuf - Clip 1 音響 http://www.asyura2.com/10/music2/msg/487.html
1991年 フランス 何も傷つくことのない完璧な人間なんてこの世の中にいるはずがない。長年生きているとそれがだんだんわかってくる。きのう気がついたことは、今日は忘れているが、今日思い出したことは一ヵ月前のことだったりする。思い出そうとするとますます思い出が遠のいていく。記憶のなかに何か 《穴》みたいな物が開いているのだ。そういう穴はまたなにか思い出を作らないかぎり埋まらないのだろうか。でもそうなると思い出の数は永遠に与えつづけなければならない。それもおもいっきり美しい思い出を・・・ アレックスとミッシエルの《穴》とてつもなく大きい。アレックスは孤独とさびしさをミッシェルは失恋と失明という傷を。それは《穴》を埋めるという簡単な行為では埋められるわけではない。ホームレスという誰にも愛されず、誰も愛する必要もない、そして誰も傷を深める事もしない行為に走っても同じことだ。その傷とは、美しいそしてお金持ちの娘であったミッシェルを孤独にし、ホームレスに走らせ、ただの孤児だったアレックスをホームレスの大道芸人にしてしまう。彼らを《何かを失った人間》にしてしまった。何かが欠けてしまっているのだ。橋の主のハンスもそうだ。子供を失って傷ついた奥さんと共にいても傷はいやされず、その傷のため又ホームレスという行為に走る。誰も傷つけないし、誰にも傷つけられないが、そこには誰も愛せない自分しか残っていないのに。 しかしアレックスとミッシェルは愛しあう、お互いの傷を知り、お互い自分の欠けた部分を埋めるように。橋の主のハンスは言う、しかしそこには何もなく悲しい死しかないと・・・。そんな時、ミッシェルの目が治るという連絡が入る、ミッシェルの欠けた部分が埋まるのだ。傷ついていたミシェルが元のミッシェルに戻れる。それはミッシェルにとっては幸運だが、アレックスにとっては悲劇だ。傷のあるアレックスにとって傷のないミェシェルはまったく違う人間でしかない。しかし悲劇は幸運を呼ぶアレックスは刑務所に入り、深い傷の直し方に気付く。そして目が治ったミッシェルに近づく方法を見つけるのだ。新しい恋人もできたミッシェルだが、やはりアレックスの事が忘れられない。ポンヌフの恋は、傷を治す以上にミッシェルの心を癒していたのだろうか。傷のないミッシェルとアレックスは再び出会い愛しあう。そこには《あの》橋の上のハンスのような悲劇は待っていない。
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