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(回答先: IMF局長、日本国債格下げ判断に理解示す 投稿者 スタン反戦 日時 2011 年 1 月 30 日 04:34:25)
岩本沙弓
2011.1.29
negiyaki @ 00:25:19
http://pub.ne.jp/negiyaki/?entry_id=3450465
S&Pの日本国債の格下げとともに、センセーショナルに「IMF」と「赤字」の文字が踊ります。
某テレビ局の夜の番組でも、格下げに絡めてご丁寧に日本国債の売り仕掛けをしている海外のヘッジ・ファンドまで登場させて、
日本政府の借金は1000兆円、年間の税収は41兆円 あと1・2年と煽っておりますが、
借金が増えて痛みの先送りができない、財政再建・消費税の増税につなげようと必死ですね。
ちなみに、これまでの約20年間ソロスを筆頭に海外ヘッジ・ファンドは何度も日本売りを仕掛けては失敗しています。
日本の金融機関(国債の買い手)にとって海外のファンド(売り手)はこれまで「いいカモ」だったと、
私の知り合いのJGB(日本国債)トレーダーなどは言い切ります。
日本国債など二度と売りで勝負するものかと撤収してきた事実、
そしてなぜ日本国債売りでファンドが失敗してきたのか、
という部分も伝えてくれないと情報としては片手落ちです。
さて、IMFの件ですが、どうも日本語で伝わってくる内容が釈然としなかったもので、
情報源とされているIMFの記者会見についてIMFのHPで探してみました。
http://www.imf.org/external/np/tr/2011/tr012711.htm
そもそもこの会見ですが、IMFのCottarelli氏が述べているように、
春と秋に正式発表されるFISCAL MONITORに対して、
途中の中間発表ということです。
おおもとのレポート自体は膨大な量なのですが、
その内容について大まかに
@昨年11月時点と現在の比較、
A2011年にむけての各国の財政政策、
B中期・長期に分けた財政計画
の3本柱であると説明しています。
日本に該当する箇所ですが、
*2010年11月に発表した財政再建見通しと比べて現在それほど進んでいない
*予想に反しているのは、採用された新しい財政刺激策のため
質疑応答の中で、
質問した記者が「本日日本国債が格下げになりましたが、日本についてどうですか?」
と格下げについて触れてはいますが、
Cottarelli氏自身が「日本の格下げ」という言葉を発した箇所はありません。
該当する質疑応答部分での氏の解答ですが、
*日本の財政状況は中期的に明らかに修正が必要
*強みは90〜95%の公的負債が国内でカバーされていること
*しかしこの強みが長期的に財政の修正を避けられるものではない
*財政問題が日本で議論されていることはよいこと
*特に、付加価値税の比率が極めて低く、中期的な財政赤字の削減のために明らかに税率を上げる余地がある
つまり、日本の財政問題は当面は国内でカバーできるが、
それに頼っていてはいけない。
解決策として、日本国内では消費税一辺倒ですが、
付加価値税の税率が低すぎるのだからこっちを上げよ、とIMFは言っています。
そこで付加価値税ですが、非常に単純に、
1億円の材料を仕入れて、1億2千万円で売った場合、2千万円に課税されるというように、
儲かっている人(会社)から徴収するシステムです。
買った人から徴収する消費税に対して、売った人から徴収するのが付加価値税と考えてもよいかもしれません。
付加価値税を上げても結局は消費者にその分値段が上乗せされて
負担は国民になってしまう、という話になりがちですが、
そのために、イギリスなどでは日常の食料品や衣料品、介護、子どもの衣服などは税率0%、
光熱費は低率に抑えてあるということになります。
税制の話になると長くなりますので、この辺で。
記者の質問の中で出てきた格下げとという言葉だけを取り上げて
IMF局長が理解を示したとするのはいささか飛躍し過ぎでは?
というのも、記者がやはり最近のS&Pの米国についての見方を質問した際に、
“this is not for me. You should ask them whether they believe that this keeps them --”
「(質問を指して)これは私の答えるべきことではない。彼ら(S&P)に聞くべきだ…」
と言っているものですから。
財政再建策の解決策について実はIMFは「儲かっているところから徴収しろ」というのは、
日本のメディアが伝える内容といささかニュアンスが違うと思われるのではないでしょうか。
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