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2010年11月2日放送 FNNスピーク
http://www.fnn-news.com/speak/ss/articles/ss2010110218.html
日本の「高温ガス炉」という次世代の原子炉が、発電の際に電気以外のエネルギーも生み出すということで、各国の熱い視線が集まっています。
この高温ガス炉の心臓部にFNNのカメラが初めて入りました。
茨城・大洗町で、現在整備が進められているのが「高温ガス炉」。
この中に、世界をリードする技術が集約されているという。
原子炉は、全長およそ30メートルの3層構造で、大部分が地下に造られている。
階段を下りていくと、高温ガス炉の中心部分である原子炉の真横に到着する。
ここにカメラが入るのは初めてのこと。
普段入ることのできない原子炉の格納容器の内部では、放射線の値が0.1と、自然界と同レベルの安全な値となっている。
通常の原子力発電所では、整備中でも放射線が高レベルとなり、原子炉の真横までは入れない。
高温ガス炉の特徴は、その安全性だという。
日本原子力研究開発機構の小川益郎センター長は「作業員の被ばく量につきましても、非常に少ないといったようなことがございます」と語った。
一般的な原子炉では、炉心を冷やす冷却材に水を使うが、高温ガス炉で使われるのは、ヘリウムガス。
ヘリウムガスは1,000度を超えても変化せず、水のように放射性物質に汚染されることがない。
そして直径1mmほどの粒が核燃料となるが、セラミックで4重に覆われていて、炉心の爆発を防ぐ構造になっているという。
次の特徴は、エネルギーをさまざまな形で取り出せるということ。
日本の高温ガス炉は、ほかの国ではできない900度という高温で稼働する。
900度であるがゆえに、電気だけでなく、大量の熱エネルギーや純粋な水素も精製する。
熱エネルギーは製鉄や暖房に、水素は電池自動車やロケットの燃料など、さまざまな分野で生かすことが期待できる。
アメリカは、すでに国策として高温ガス炉の開発を進めているが、日本のような高温ガス炉はできていないため、10月に、日本の高温ガス炉の試験運転で得られたデータを6,000万円で買い取った。
また尖閣問題の際注目されたレアアースのとれるカザフスタンとの経済会議でも話題になった。
カザフスタン原子力センターのカディル・ジャノフ総裁は「日本の最新技術を持った第4世代の原子炉は、われわれの国にとって、すごく関心のあるテーマです」と語った。
しかし日本での実用化は、なかなか進んでいない。
その理由について、早稲田大学の岡 芳明教授は「日本の原子炉というのは、国内向けだけでやってたんですね。中国では、日本の研究機関の技術を参考にして、山東省で建設が始まっています。日本で実際に実証していくというあたりが、非常に重要だと思います」と語った。
また、発電の際にとれる水素などのエネルギーを使う顧客や環境づくりも不可欠だという。
世界に誇る日本の技術をどうすれば生かせるのか。
いまだその戦略図を描けていないのが実情となっている。
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