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【コラム】デフレはなぜ起こるのか 日本がデフレから抜け出せない訳[10/08/01]★3
1 :JD@かしゆかさんφ ★:2010/08/06(金) 11:57:17 ID:???
クルーグマンがブログ記事で日本の金融政策にコメントしているので、紹介しておこう
日本が「デフレの罠」に入っているのは本当だが、日銀が「デフレターゲット」を設定しているなんてナンセンス。
図のように日銀は量的緩和でマネタリーベースを極端に膨張させたが、デフレは止まらなかった。
http://www.princeton.edu/~pkrugman/jbasepercent.PNG
中央銀行が為替の増価を防ぐことができるというのも幻想で、スイスは今年、それを試みて失敗した。
日本から得られる教訓は、次の二つである:
1)デフレの罠はリアルなもので、単にお札を印刷してもそこから脱却することはできない。
2)デフレのとき、中央銀行は金融を引き締める理由をいろいろ見つけるが、それは彼らがデフレを好むからではない。…
(途中略)
つまりアメリカの住宅バブルのきっかけになった利下げの遠因は、日本のデフレだったのである。
このときのFOMCの判断に、当時FRB理事になったばかりのバーナンキの積極的な緩和姿勢が
影響したことは容易に想像される。
グリーンスパンもいうように、デフレは金本位制のもとで金の保有量が不足することによって起こる現象と
考えられており、管理通貨制のもとではありえないはずだった。それが日本で起こったのは、
「自然利子率がマイナスになる」という異常事態になったからだ。
「金利<自然利子率」となっている場合はインフレになるので、日銀が政策金利を上げれば
インフレは止めることができ、逆に「金利>自然利子率」の場合は金利を下げればデフレは止まる。
しかし「自然利子率<0」になっている場合は、「名目金利>0」という制約があるため、
「金利>0>自然利子率」という不均衡が是正できない。これがクルーグマンのいう「デフレの罠」である。
このようにデフレの原因は単純なので、一番すなおな解決策は、ケインズも提案したように、
貨幣にスタンプを押すなどの方法でマイナス金利を実現することだが、これは実務的にも政治的にも困難だ。
そこで人工的にインフレ予想を起こして実質金利をマイナスにするという話が出てくるのだが、
これもクルーグマンはあきらめたようだ。
根本的な原因は、バーナンキもいうように、「日本の潜在成長率が低いこと」だ。自然利子率は理論的には
資本収益率と一致するので、日本企業の将来の収益への期待が大きくなり、潜在成長率が上がれば
自然利子率はプラスになり、デフレの罠は脱却できる。
この点で「日本経済は活気に乏しい [から自然利子率がマイナスになった] が、アメリカ経済は活気があるから大丈夫だ」
というバーナンキの判断には根拠がある。
逆にいうと日本経済がデフレから抜け出せないのは、明日は今日よりよくなるという希望が失われ、
企業が投資しないで貯蓄しているためだ。
クルーグマンのいうように、財政政策や非伝統的金融政策でデフレが緩和できる可能性はあるが、
それはしょせん一時的な「痛み止め」である。「インフレ目標でデフレを止めれば日本経済の問題が
一挙に解決する」などというおめでたい話をかつぎまわる議員連盟が存在するようでは、日本経済に希望はない。
池田信夫
経済学者。上武大学大学院経営管理研究科教授、SBI大学院大学客員教
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