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高速無料化、地域で温度差=観光客でにぎわいも―実験開始1カ月
7月27日17時30分配信 時事通信
地方の高速道路37路線50区間を対象にした無料化社会実験が始まって28日で1カ月。地域経済の活性化や物流コストの低減を目的に民主党が打ち出した高速無料化だが、実験後に観光客増加でにぎわう地域もあれば、車の流れの変化で苦しむ地域もある。各地元の反応には温度差が見られ、効果の見極めにはしばらく時間がかかりそうだ。
山形道など県内の高速の9割が無料化された山形県。沿線地域は「他県ナンバーの車が多くなった」(庄内観光コンベンション協会)と無料化効果を歓迎する。逆に、無料区間と並行する国道沿いの観光施設などでは交通量の減少で客足が低迷。地元は「ここは通過するだけ」(寒河江市観光協会)と素通りにため息をつく。
ただ、観光客の流れにはさまざまな要因があり、「どこまでが無料化の効果なのか判断がつかない」(高知県)と、現時点では影響を測りかねている地域も少なくない。
一方、赤字経営が続く地方鉄道からは不安の声が上がる。実験後、交通量が大幅に増えた舞鶴若狭道(兵庫県、京都府、福井県)。競合する北近畿タンゴ鉄道の関係者は「(実験後)収入的には落ち込んでいる」と声を落とす。
トラック業界の反応は微妙だ。お盆を控え、全日本トラック協会担当者は「とんでもない渋滞になると遅れにつながる」と懸念。物流コストへの影響も未知数という。
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