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「分裂選挙」にかかる小沢氏の「9月復権」 (野々山英一 ジャーナリスト) 【Foresight】
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投稿者 純一 日時 2010 年 6 月 11 日 21:59:15: MazZZFZM0AbbM
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/pre/genre/genre2/119.html
(2010/06/11)
よく頑張ってくれた。これをテコに9月を頑張ろう」
6月7日、民主党幹事長を辞めて無役になった小沢一郎氏は、赤坂の個人事務所で側近の三井辨雄(わきお)党国対委員長代理に語りかけた。この日は両院議員総会で、菅直人新代表のもと、枝野幸男幹事長ら「脱小沢」執行部が承認された日。小沢氏にとっては屈辱的な一日だった。総会を「所用」で欠席した小沢氏は、9月反攻を予告した。
「6月政局」は完敗した小沢氏。どんな反転攻勢シナリオを描くのか。それは、党代表選のシステムが関係している。
菅首相の党代表としての任期は、前代表だった鳩山由紀夫氏の残任期間で9月末。それまでに代表選が行なわれるが、その時は、党所属国会議員だけでなく、党員、サポーター(会費を払い名前を登録した人)も参加できる制度で行なわれる。
逆風にさらされる小沢氏だが、この制度ならまだ威光を発揮できる。幹事長として全国行脚してきた小沢氏は、自分の息のかかった党員、サポーターを圧倒的に多く集めている。「そこで原口一博総務相や海江田万里衆院議員ら知名度の高い候補を擁立すれば菅氏に勝てる」(側近)というのが小沢氏側の読みだ。
小沢氏自身が岩手県連の会合に寄せたメッセージでの「(参院選の後)自分自身が先頭に立って頑張る」という発言を額面通りに受け取れば、自身が代表選に打って出る可能性もある。
だが、選んだばかりの首相を3カ月少々で替えるには「大義」がいる。もし民主党が単独過半数となる60議席以上を確保すれば「脱小沢」路線が国民に支持されたことになる。9月の代表選は菅氏が無投票再選される流れになり、小沢氏は手も足も出ない。
従って小沢氏は、菅氏が参院選で傷つき、退陣論が出る展開をイメージする。もちろん自身の系列候補は応援するが、党全体としては「敗北」するのが理想だ。
それでは民主党は、参院選で何議席獲得できるのか。支持率が上がったとはいえ、昨年の衆院選の時のような熱狂はない。現状では50議席前後というのが一般的な見方。本来の目標の60議席にはまだ遠い。
●「主戦場」は2人区
そこを自覚しているから菅氏は8日の就任会見で、6年前に獲得した50議席が「ベースになる」と目標を低めに設定。逆に、小沢氏側近の参院幹部は「最低でも60議席」と高いハードルを掲げる。
今のままだと党内で2つの勝敗ラインが存在したまま選挙戦に突入する。下馬評通り50議席前後だと、菅氏や執行部は「勝利」と受け止めて続投を図り、小沢氏側は「敗北」として倒閣に動くことになる。
参院選では、菅執行部と小沢氏側の「主戦場」は12ある2人区。今回、民主党は新潟、福岡以外の2人区で2人の公認候補を擁立した。これまで2人区は、民主、自民の両党が1議席ずつ分け合う無風区ばかりだったが、様相は一変した。
民主党が2人の候補を擁立した選挙区の構図は、どこもよく似ている。現職もしくは先に出馬が決まった候補が複数擁立に反対する中、小沢氏が剛腕で2人目の新人を擁立するパターンだ。つまり2人の候補は反小沢系と親小沢系にくっきり分けられる。
小沢氏は親小沢系候補に全力投球し、枝野氏や蓮舫行政刷新相らは連日、反小沢系の候補の応援に入る――。党内は事実上の分裂選挙になる。幹事長職を追われ選挙資金を自由に使えなくなった小沢氏は、今までのように剛腕を振るえないだろう。しかし、それでも「小沢氏だから応援する」という企業や団体は少なくない。この勝負は、どちらが勝つか分からない。
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