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「鳩山首相の無血クーデター/親指の意味(EJ第2828号)
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投稿者 判官びいき 日時 2010 年 6 月 07 日 09:36:57: wiJQFJOyM8OJo
http://electronic-journal.seesaa.net/
政治評論家の鈴木棟一氏が興味深いことをいっています。鳩山・小沢ダブル辞任は「鳩山の無血クーデター」であるというのです。民主党の創立者である鳩山氏と菅氏は、自民党との二大政党の一つという地位を確立しましたが、政権交代には自民党との間に絶望的ともいえる差があったのです。
そこで選挙に勝って政権交代を達成するため、鳩山氏と菅氏は小沢氏率いる自由党と民主党の民由合併を図り、小沢グループに民主党のひさしを貸したのです。おそらくこの時点では、本当に政権交代が実現できるとは思っていなかったはずです。しかし、小沢氏の政治力は抜群であり、メール問題で前原代表(当時)が辞任してガタガタになっていた民主党を、党代表に就任して立て直し、その勢いを止めようとした検察によって代表を辞任したものの、2007年の参院選を勝ち抜き、2009年の衆院選で圧勝して、遂に政権交代が実現したのです。
もし、小沢氏がいなければとても実現しなかったといっても過言ではないと思います。ところがせっかくの鳩山政権は、首相の政権運営があまりにも稚拙であり、加えて首相自身と小沢幹事長の政治とカネの問題があって、支持率が急落したのです。しかし、小沢幹事長の政治とカネの問題については謀略の疑いが濃厚であり、EJではそのことを多くの情報を提示して説明してきたつもりです。
小沢事件に関しては、仙谷国家戦略相に近い郷原信郎弁護士など、限りなく「シロ」であると主張している人が多く、それを示す資料は誰でも容易に入手できるのです。
しかるに、いわゆる反小沢派といわれる人々は、そのほとんどが弁護士であるにもかかわらず、それが実質的には民主党への卑劣な攻撃であるのに何の手助けもせず、繰り返し説明責任と辞任を迫るという権力闘争に終始したのです。
明らかにこの事件の責任をとって小沢氏に辞めて欲しいという意図は明らかです。用事は済んだので、辞めてくれとは実に身勝手な話です。しかし、何といっても民主党の支持率低下に拍車をかけたのは首相の普天間問題の迷走なのです。今ある情報を総合すると、昨年末には代替基地は普天間しかないとわかっていたにもかかわらず、「最低でも県外」と主張して沖縄の人の心を弄んだ挙句、結局普天間で日米共同宣言をしたのです。
これに反発して社民党が政権離脱して支持率がさらにダウンすると、今度は小沢幹事長を道連れにして辞任し、政権を放り出したのです。小沢氏もこれほどひどいとは考えてもいなかったと思います。確証はありませんが、さまざまな情報を分析した結果、鳩山首相(当時)の小沢氏道連れ辞任については、事前に菅副総理と相談していたものと思われます。
時期は小沢幹事長と輿石参院幹事長が鳩山氏を尋ねた前後であると思われます。その前から鳩山氏と小沢氏は電話で次のようなやり取りをしていたのです。
『社民党を切ってはならない。選挙協力をどうするのだ』と小 沢氏は強く言っていた。普天間の決着は、もう少し、選挙後まで延ばせばいいじゃないか、と。
──「鈴木棟一の風雲永田町」4日発行「夕刊フジ」
この時点で鳩山氏は辞任を考えていたと思います。「オバマを取るか小沢をとるか」─結局首相として何かを残したい鳩山氏は、オバマを取り、小沢幹事長を道連れにして自爆テロを行なったのです。オバマに褒めてもらいたかったのです。2回目に鳩山氏が小沢、輿石両氏と会ったとき、鳩山氏は小沢氏に幹事長辞任を迫っているのです。
そのとき、小沢氏が辞任を受け入れたので、鳩山氏は外に出たとき、親指を立てたのです。これは菅副総理への勝利のサインであると考えられます。要するに、これは鳩山──菅両氏の出来レースなのです。両氏としては、小沢氏に「ひさしを貸して母屋を取られた」と考えたので、自分が小沢氏と道連れ辞任をすることで、クリーンな民主党を取り戻したという構図なのです。
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