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こちら特報部 官房機密費のメディア汚染は? 野中氏発言の波紋[東京新聞]
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投稿者 feel 日時 2010 年 6 月 01 日 22:44:55: /berAdga6DXu.
2010/05/18 東京新聞
こちら特報部 官房機密費のメディア汚染は? 野中氏発言の波紋
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2010051802000088.html
『受け取らぬのは非常識』? 『講演料…出所考えぬ』 『断れば必ず関係悪化』
返しに行った田原総一朗氏 『最初の依頼は角栄氏』 『権力の批判こそ仕事』
評論家に盆暮れには五百万円ずつ届けた−。小渕内閣で官房長官を務めた野中広務氏が先月、官房機密費の使途で、暴露発言をした。折しも一連の検察報道などで「メディア不信」が漂う中、発言は波紋を広げた。受け取った人物の具体名については、明かされずじまい。河村建夫前官房長官の使途疑惑に加え、政権交代後も透明化が進まないなど、官房機密費の「闇」はいまだ深い。(加藤裕治、秦淳哉)
野中氏は先月十九日の民放テレビ番組、二十三日には那覇市での講演で機密費問題に触れた。
同氏が官房長官を務めたのは一九九八年七月から翌年十月まで。当時、首相や自民党の衆院国対委員長、参院幹事長らに機密費から月々一定額を届けたという話に加え、「言論活動で立派な評論をしている人たちのところに、盆暮れに五百万円ずつ届けることのむなしさ」などと発言した。
機密費の使途については、これまでも写真週刊誌「FOCUS」(現在は廃刊)が二〇〇〇年、複数の評論家の名と金額とみられる数字が並んだ「極秘メモ」を報道。
〇一年の外務省職員による外交機密費横領事件の際も、共産党が一九九〇年代初頭の官房機密費の内部資料を入手し、国会で取り上げた。
「こちら特報部」の取材のお願いに野中氏は「この件では現在、取材を受けない」(同氏事務所)。そこで「特報部」は失礼を承知で“有識者”に聞いて回った。
まずはテレビでおなじみの政治評論家の三宅久之氏。「野中さんから官房機密費をもらったことは一切ない。彼が思わせぶりなことを言うから、大変迷惑している」
ただ、三宅氏は中曽根内閣当時、故藤波孝生官房長官の秘書から百万円の提供があったと振り返る。「藤波氏が予定していた二回の講演会に出られず、代わりに講演し、百万円(講演料)をもらったことがあった。しかし、自分の信条からして恥ずかしいことはしていない。お金の出所が官房機密費かどうかは考えたこともない」と語る。
メディアや評論家と政治権力の距離について、三宅氏は「(提供を)『断ればいい』と言うのは簡単だが、必ず相手との関係が悪化する。最終的には良心の問題」と悩ましさを隠さない。
元自民党衆院議員の浜田幸一氏は「議員だった時は配る役をしたし、自分ももらった。引退してからはない」という。
浜田氏が国会で活躍した当時は、いわゆる五五年体制。機密費の使途は法案を通すための野党対策と、自民党議員の選挙資金だったと明かす。
野党議員への受け渡し方法は「料亭で封筒に入れた現金を座布団の下に仕込む。野党議員は座る前に座布団の下を探る。幹事長の所へ直接、受け取りに来た野党トップもいた」。額は「封筒の中は百万円や五十万円。幹事長から直接の時は五千万円だった」という。
選挙資金については「派閥の親分から。自分は手を出して催促する方。額は二千万円や三千万円だ」。ちなみにメディアや言論人に対しては「私と親しい記者たちには受け取る人はいなかった」と話した。
野中氏が機密費を受け取らなかった人物として名前を挙げたジャーナリストの田原総一朗氏。当時の提供のもようについて、田原氏は「野中さんの事務所から『いいお茶が採れたから渡したい』と連絡があり、全日空ホテル(当時、東京)で女性から受け取った。帰ってから見ると、茶と一緒に封筒入りの現金があった。丁寧な手紙を添え、野中事務所に返しに行った」と振り返る。
「僕の経験からすれば(評論家らへの)金銭の提供はなくはない。最初に提供の依頼を受けたのは故田中角栄さんから。僕は返したが、これを機に田中さんの秘書の故早坂茂三さんは僕を信用してくれたと思っている」
ただ、田原氏は「政界周辺では現金を受け取らない方が非常識となっている」とも指摘した。
政治評論家の俵孝太郎氏は「野中さんから金銭を受け取ったことはない。だが、政府や関係機関から原稿料や講演料などの謝礼をもらったことはある。私のようなフリーにはコメントや原稿書きは仕事だ」と話す。
「昔は一定水準以上の記者が退職したら、その後の金銭提供はいくらでもあった。今は問題視されているが、当時はそれが常識だった。(機密費の使途の一つの)情報収集の経費に領収書は取れない。労働組合や新聞社も同じことで、そうした金がなければ、世の中が成り立たなくなる」
さらにメディアと政治権力の金銭関係について「例えば閣僚の外遊。一般には新聞社が同行記者の分担金を払う。だが、それでまかなえるとは限らない。文化担当が取材相手から本やチケットの提供を受けて批評を書くのと構図は同じで、機密費だけを批判するのはおかしい」と主張した。
このほかにも、回答が得られなかった人を含めて数人に聞いた。テレビ出演の多い拓殖大の森本敏教授(安全保障)の事務所は「そのような金を受け取ったことはない」、ニュースキャスターの古舘伊知郎氏は事務所を通じて「野中氏とは接点が一切ない。機密費を受け取ったことも一回もない」と回答を寄せた。
ちなみに本紙の河津市三編集局長は「取材相手と深い関係を築くことは必要。だからといって、取材相手から記者が金銭を受け取っていいことにはならない。仮に提供依頼があっても断るのが当然だ。私自身は取材の過程で金銭を提供されたことはない」と話した。
最近の官房機密費をめぐる問題では、麻生内閣当時の河村建夫官房長官が昨夏の衆院選二日後に二億五千万円を引き出していたことで、大阪市の市民団体が河村氏を詐欺や背任容疑で東京地検特捜部に刑事告発した。
河村氏側は「使い切った」とするが、市民団体の代理人の辻公雄弁護士は「政権交代まで間がない時期に多額の機密費が必要なはずはなく、着服した可能性がある。野中発言も一部だけで、使途のすべてを言ったとは思えない」といぶかる。
今回の“野中発言”は世論誘導に機密費が使われた疑惑が焦点だ。フリーランスのジャーナリストの斎藤貴男氏は「実際には講演料や原稿料名目で持ち掛けられた場合、もらってよいか否かの線引きは難しい」と語る。そのうえで、自らの仕事の原則をこう話した。
「小泉政権以降、ジャーナリズムが権力の宣伝機関になった。カネの魅力より、強いものに付いた方が都合よいからで、野中発言も仲間内でカネを山分けした印象だ。でも、どんな状況であれ、あくまで権力を批判するのが私たちの仕事だ」
官房機密費 正式には内閣官房報償費。政府答弁書などによると「国の事業を円滑かつ効果的に遂行するために状況に応じて機動的に使う経費」とされる。領収書は不要で、使途も支出先も明らかにされない。会計検査院もノータッチだ。政権交代後も2010年度予算案では、前年度と同じ14億6000万円が計上されている。
◇
デスクメモ
「そんなの、あるんですか」。昨年九月、平野官房長官は機密費について、こうとぼけた。誘拐事件の解決のためなど、表に出せないカネの必要性は否定しない。だが、あんな答え方はない。民主党は衆院選で「税金の使い道の完全透明化」を掲げていたのだ。鳩山政権の迷走はあの発言から始まった。(牧)
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