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690 :無党派さん:2010/05/28(金) 12:42:50 ID:Uvs1GB8H
ヒスパニック系の存在感示す米国勢調査
米国は今、国勢調査のまっただ中にある。10年に一度、4月1日現在の国の"姿"を把握するための大規模な調査だ。
集計結果は、各州の連邦下院議員数配分見直しに使われるほか、年間4000億ドル(約36兆円)前後の地方交付金の配分や地方行政などに反映される。
それだけに、正確さは不可欠で、国勢調査局は、テレビなどで、「簡単な10問の質問に答えることで、コミュニティーの向上に役立ちます」といった広告を流し協力を呼びかけている。
米国で国勢調査が始まったのは、独立間もない1790年。前々年発効の合衆国憲法の規定によるもので、今回で23回目。
この間、質問項目も調査方法も変遷をたどってきたが、3月下旬に自宅に届いた質問表を一読して、スペイン、中南米のスペイン語圏出身者やその子孫を指す「ヒスパニック系(ラティーノ系)」の存在感の大きさを改めて実感させられた。
質問表は、各世帯の人数、電話番号、名前、性別、生年月日などに続いて、「ヒスパニック系、ラティーノ系、あるいはスペイン系か否か」を問い、その後で白人、黒人、先住民などの「人種」を尋ねて、終わる。
住民をヒスパニック系か否かで2分しているのだ。
国勢調査局がヒスパニック系の把握に本格的に乗り出したのは1980年調査で、それほど昔のことではない。
米国領で市民権を有するプエルトリコ系の流入、60年代の移民法改正や59年のキューバ革命などによるメキシコ系やキューバ系移民の急増とともに、
公民権運動の結果、人種や民族、言語などに基づく差別を禁じた公民権法や投票権法が60年代に相次いで成立し、社会政策のあらゆる分野で差別是正に向けた人種、民族集団の厳格な把握が必要になったという事情がある。
691 :無党派さん:2010/05/28(金) 12:42:54 ID:Uvs1GB8H
ヒスパニック系は、1980年に全人口の約6・5%に過ぎなかったが、2001年には黒人を抜いて最大の人種・民族的少数派となり、08年には15・4%を占めるまでに増加した。
こうしたなかで、全米各地でスペイン語が氾濫していることに、白人保守派は「ヒスパニックは米社会に同化しようとしない」などと非難の声を高め、
国勢調査の対象に中南米系が圧倒的に多い不法移民も含まれていることに異議を唱える向きもあった。
だが一方で、ヒスパニック系は大統領選をはじめ各種選挙結果を左右する政治力を持ちはじめており、共和、民主両党にとって、この人口集団をどう取り込んでいくかは、党勢にかかわる極めて重要な課題となっている。
今回調査の集計結果の詳細が公表されるのは来年2月以降だが、教育や移民制度、雇用など様々な点でヒスパニック系を巡る議論が再燃することは間違いないだろう。
40年後には全人口の30%に達すると予測されるなかで、米社会はどう変容していくのか。ヒスパニック問題から目を離せない。
http://www.yomiuri.co.jp/column/world/20100528-OYT8T00525.htm?from=navlc
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