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http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201001240090.html
小沢氏聴取 疑惑は解明されたのか '10/1/24
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多くの国民がかたずをのんで見守っていたに違いない。きのうの午後に行われた、東京地検特捜部による小沢一郎民主党幹事長の任意の事情聴取である。
資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる政治資金収支報告書虚偽記入事件で、特捜部の聴取は都内のホテルで４時間半に及んだ。焦点は、小沢氏が収支報告書の虚偽記入を認識していたかどうかの有無と、土地購入の原資になった４億円の出所だった。
小沢氏は聴取後の記者会見で、これまで通りの説明で「潔白」を訴え、幹事長を辞任しない意向を示した。虚偽記入にはかかわっておらず、４億円は長年にわたり蓄えた「個人資金」で、裏献金のようなやましいカネはもらっていない、としている。
この説明を受けて、疑惑が解明されたと納得する人は少ないだろう。土地代金支払い後の不自然な銀行融資は、原資を隠す偽装工作ではなかったのか。本当に長期にわたって巨額な資金を自宅で保管していたのか。素朴な疑問は依然として残る。
特捜部は、水谷建設（三重県桑名市）の関係者が５千万円を小沢氏側に渡したとの供述を得ている。この「裏献金」が原資に含まれるとの見方を強めているが、小沢氏はこれについても否定した。
逮捕された元私設秘書の衆院議員石川知裕容疑者は、土地代金に充てた４億円を載せなかった収支報告書の偽装工作を、小沢氏に伝えたとほのめかす供述をしているという。
検察は今回の事情聴取を基に、政権党の「最高責任者」の刑事責任追及もにらみながら、虚偽記入を中心に関与していたかどうかなどについて慎重に見極める。捜査は大詰めを迎えているが、再聴取やさらなる家宅捜索があるのか今後の展開は予断を許さない。
現職の与党幹事長に対する捜査機関の事情聴取は極めて異例である。鳩山由紀夫首相の偽装献金問題もあり、「政治とカネ」をめぐる不信はかつてないほど根深い。
今回の事件で見えてきたのは、小沢氏の手元で政治資金と個人資金が混然として行き来し、陸山会に不動産が蓄積されたことだ。
小沢氏がかつて率いた自由党をめぐっても、政党助成金約１５億円が組織活動費として当時幹事長の藤井裕久前財務相あてに支出された。その後、党の解散翌年に小沢氏関連団体の口座に入金されたのを検察は確認しているという。
捜査対象になっていない資金の流れや、資産の形成、管理についても小沢氏は真摯（しんし）に語るべきだ。
もしも、土地購入の原資が小沢氏側の主張する「身内のカネ」となれば、捜査手法に今後、批判が集まる可能性もあろう。
ただ、気になるのは民主党が検察やマスコミをけん制する動きに出ていることだ。党としてやるべきなのは、捜査や報道に矛先を向けるより先に、自浄能力を発揮することではないか。民主党が独自に調査を行い、説明を検証することも必要である。
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