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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2010012402000069.html
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【社説】
小沢氏聴取 核心部分の疑問解けず
2010年1月24日
小沢一郎民主党幹事長が、東京地検の事情聴取に応じた。資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件への関与も焦点だ。小沢氏の「潔白」主張を聞いても、核心部分の疑問は解けない。
「陸山会」のカネをめぐっては、疑問点がいくつもある。
まず、二〇〇四年に購入した東京都内の土地の資金だ。約三億五千万円をどう工面したか。東京地検はゼネコンからの「闇献金」があるとみて、捜査している。
小沢氏は記者会見で「事実無根です」と全面否定した。事務担当だった衆院議員石川知裕容疑者に渡した四億円については、一九八九年から二〇〇二年にかけて、家族名義の銀行口座などから計五億六千万円を引き出し、事務所の金庫に保管していたという。
〇四年には四億数千万円が残っていて、それを陸山会に貸し付けたという説明だった。すべて個人資金だというわけだ。
だが、長期間にわたり、巨額資金を“タンス預金”していたのか。庶民の常識からは疑問符がつく。家族名義で多額預金していた点も釈然としない。ゼネコンからの闇献金は「事務所の者ももらっていないと確信している」と強調しているだけに、今後の捜査の注目点となろう。
政治資金収支報告書への虚偽記入についても、小沢氏のかかわりの有無が焦点だ。事前に相談を受けたのか。虚偽記入を了承したのか…。「全く把握していなかった。相談や報告を受けたこともない」と小沢氏は関与を否定した。だが、いまだ解けない謎が潜む。
土地取引と同日、陸山会が金融機関から四億円の借り入れをしていることだ。小沢氏も書類に署名している。個人資金があるのなら、なぜ借り入れをしたのか。誰しも不可解と思う。「小沢資金」を隠す偽装工作との疑いがある。
だが、これも「関与していないので分からない」と述べたにすぎない。これでは疑惑は残ったままだ。むしろ、「収支報告書を見たことはない」という発言は問題だ。重要な報告書への関与をまるで放棄している。政治的な責任追及の的となろう。
一方、与党の最高実力者を直撃する事件である。大きな政治問題となり、社会を揺るがしている現状を検察当局も重視してほしい。公判で明らかにする姿勢だけでなく、事件の中間報告が必要な時代に入っているのではないか。検察の説明も国民は求めている。