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<日本郵政>3社体制へ 政府見直し案 国の関与強化
12月31日2時30分配信 毎日新聞
日本郵政グループの組織形態
政府が検討を進める日本郵政グループの新たな組織形態の原案が30日分かった。まず政府は、日本郵政と郵便事業会社、郵便局会社の3社を統合した新会社を設立。統合新会社が、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式を保有し、現在の5社は3社体制に移行する。統合新会社は、ゆうちょ銀とかんぽ生命の株式それぞれ3分の1超を保有、株主総会の重要案件などの拒否権を保有することになり、国の関与が色濃い組織形態となる見通しだ。
政府は日本郵政を軸とした統合新会社の株式の「2分の1超か3分の1超」を保有する。10年1月に素案をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出する。3社とも株式売却の期限は定めない方針。金融2社の全株式売却による完全民営化を前提にしたこれまでの民営化路線は組織面でも大きく後退、政府は経営に関与できるようになる。旧日本郵政公社は07年10月の民営化で、持ち株会社の日本郵政と4事業会社に分割された。この分社化で、サービス低下が指摘された。このため金融庁と総務省の政務三役を中心に、新たな事業展開や組織形態が検討されていた。
3社制に改編して金融2社が親会社と受委託契約を結ぶことで、親会社の郵便配達員や郵便局員が貯金・保険を扱えるようにする。これにより、郵便配達員が過疎地の高齢者の依頼を受け、貯金口座から引き出した年金を自宅に届けられるようにする。さらに、郵便だけだった全国一律サービスを、貯金・保険にも義務づける。【中井正裕】
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