★阿修羅♪ > 昼休み32 > 293.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091230-00000019-san-soci
公設派遣村に目立つ熟年男性 「再起のチャンスほしい」
12月30日7時56分配信 産経新聞
拡大写真
「60歳を間近に控えた自分に、ちゃんとした職があるのか不安だ」と語る56歳の男性=東京都渋谷区の「公設派遣村」(写真:産経新聞)
年末年始の8日間、住まいを失った求職者に宿泊場所や食事を提供する東京都の「公設派遣村」(渋谷区)。開設2日目の29日、利用者の中で目立ったのは50〜60代の熟年男性だった。再就職が厳しい年齢に、不況が追い打ちをかける。「もう一度人生をやり直すチャンスがほしい」。寒風が吹き付ける年の瀬に、初老の男性たちは声を詰まらせながら語った。(清水麻子)
グレーのジャージーに身を包み、無精ひげを伸ばした男性(66)は、約10年前まで地方の土木会社の社長だった。
経営不振から不渡りを出し、夜逃げ同然で上京。家族から捜索願が出されたが、居場所を隠しながら土木作業員として生計を立ててきた。数年前までは健康で、何とか1人で生きてこられた。しかし、60代に入ってから糖尿病と腰痛を患い、体を使う土木作業はできなくなった。
ハローワークに通い、作業員以外の職を探したが、年齢を理由にどんな会社からも断られた。糖尿病の治療費と薬代が重くのしかかる。1回の通院で自己負担は4万から5万円。国民健保の保険料未納を続けてしまったため、100%自費で払うしかないからだ。
部屋を借りていた知人に治療費も少しずつ借りながら生活をつないでいたが、11月上旬、「もう面倒みきれん」と追い出された。カプセルホテルを転々としながら派遣村にたどりついたとき、所持金はわずか100円だった。
派遣村では、専門知識のあるスタッフが職探しや住居・生活の相談にのってくれる。男性は生活保護の申請法を教わり、新年早々にも申請する予定だ。
「でも一生、生活保護に頼りたくはない。60を過ぎてから、落ちた人生からはい上がる方法はないのでしょうか」と声を震わせた。
顔に深いしわが刻まれた白髪混じりの男性(56)は、新宿区歌舞伎町のクラブでバーテンダーをしていた。40代で昼の仕事に転職しようと、引っ越し作業員や配送の仕事を転々とした。
しかし、今年1月、業績不振に陥った会社から「もうこなくていい」と言われた。ハローワークに通って職を探したが、どの会社からも断られた。年齢が理由だったという。独身で身よりはない。
「しっかりとした職に就いてこなかったから。自業自得です」。男性は自虐的に話す。
派遣村を担当する都の職員は「利用者には50歳以上の男性の姿が目立つ。景気悪化で居場所がなくなり、リストラにあう人が増えている。再就職の困難度も増しているように感じる」。
都によると、29日夜の利用者は469人。既に当初の定員の500人に迫る勢いで、定員を800人に増やして対応するという。
【関連記事】
・ 40年間続く「派遣村」 日雇い労働の街、大阪・あいりん地区はいま…
・ 所持金「200円」の「村民」も…公設派遣村スタート
・ 著者・湯浅誠さん、貧困は社会活力も奪う
・ 失業者支援 わずか500室路上生活回避 間に合うか
・ 「公設派遣村」に自治体困惑 国は命令ばかり 最終更新:12月30日12時42分