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http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=987
7月3週、イランで公開の絞首刑が執行され、アムネスティはそのビデオ映像を入手した。そこには処刑される者とそれを観ている観衆の双方の残虐さがはっきりと現れていた、とアムネスティ・インターナショナルは21日に述べた。
アムネスティに提供されたビデオは7月19日に撮影されたもので、ケルマンシャー市のアザディ広場で3人の男性が絞首刑になった場面を映しだしている。これらの男性は、強かんの容疑で有罪となった。
子どもをふくむ大勢の見物人の前で、3人の男性がバスの屋根の上に立たされ、執行人が頭上の橋桁に固定したロープの輪を3人の男性の首にかけている。
拡声器が男性たちの犯した罪と処刑を告げ、バスが走りだした。
「最近行われたこの処刑は、イランで依然として死刑の恐怖が続いていることを示している」と、アムネスティの中東・北アフリカ副部長ハッシバ・ハジ・サハラウイは述べた。
ビデオには、多くの人びとが処刑現場を写真に撮ったり、撮影したりしている姿が映し出されている。
「処刑された者だけでなく、子どもをふくめて公開処刑を観ている人びともまた、この体験によって残忍になり心が荒廃します。こうした公開処刑は正義への信頼でなく、暴力や血の粛清を受容する文化を蔓延させていきます」とサハラウイ副部長は述べた。
「また、今回処刑された男性たちの逮捕や裁判、刑の執行はわずか2カ月以内に取り行われており、裁判の公平性に深刻な疑問があります」
19日の絞首刑は、2010年後半から続いている数多くの公開処刑の一例にすぎず、イランでは全般的に処刑が増加している。
イラン政府は、いままでのところ、今年に入って少なくとも28件の公開処刑を執行したことを認めている。アムネスティは、イラン政府が認めていない公開処刑が少なくともさらに6件あるとの報告を受けている。
「2008年に公開処刑の一時停止命令があったにもかかわらず、イラン政府がこのような非人道的な行為をふたたび始めたことは、きわめて憂慮すべきことです」と、サハラウイ副部長は語った。
国連の人権問題の専門家たちによれば、公開処刑に正当な目的はなく、こうした処罰によって残酷さ、非人道性、心の荒廃が増大するだけである。
「すべての処刑は生命に対する権利を犯していますが、公開処刑は、侵さざるべき人間の尊厳に対する大いなる侮辱です」と、サハラウイ副部長は述べた。
イランでは、今年、複数の女性に対する輪かん事件が大きく報道され、それ以降、こうした処刑が行われるようになった。いくつかの事件では、当局が、被害者を、正規の服装規定や性別による分離を定めた規定を守らなかったと非難した。
「不公正な裁判後に短期間で処刑するやり方は、イランにおける深刻な性暴力の問題の解決にはなりません。むしろ社会のあらゆる階層で、女性に対する暴力を許容する傾向に拍車をかけるだけです」と、サハラウイ副部長は述べた。
「イラン政府は、残酷な刑の執行を公開することで暴力的な風土を固定化するのではなく、この暴力的な風土と闘うべきです」
イランは、年間の死刑執行数では中国に次ぐ多さである。国連の人権諸機関が繰り返し透明性を求めているにもかかわらず、イラン政府は死刑執行の公式の統計を公表していない。
死刑制度をいまだに存置している諸国に対して、国連のガイドラインは、きわめて重大な犯罪に対してのみ死刑を適用するべきだと述べている。これは、死をもたらす犯罪またはきわめて重大な結果をもたらす意図的犯罪を意味するものとみなされる。イランで執行された死刑の大半は、薬物取引や強かんに関連した犯罪である。
アムネスティ発表国際ニュース
2011年7月21日
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