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毎日新聞 より
http://mainichi.jp/select/world/news/20110721ddm003030094000c.html
英盗聴、政権揺らす マードック氏「癒着」に焦点
◇「帝国」の影響力、警察にも
英国の日曜大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」(10日付で廃刊)の電話盗聴事件が英政界と警察を巻き込んだ一大スキャンダルに発展している。
ワールド紙を傘下に置いていたメディア王ルパート・マードック氏の「マードック帝国」の威光も大きく減退。
事態はその規模で、盗聴事件が大統領辞任につながった米国の「ウォーターゲート事件」にも例えられ始めた。【ロンドン笠原敏彦】
米「ニューズ・コーポレーション」のルパート・マードック会長(80)が召喚された19日の英下院メディア委員会。
会長は、昨年5月のキャメロン政権発足直後に最初の官邸への招待客となった際に裏口から入った理由を問われ、
「そうしろと言われたからだ。(首相は選挙での)支援に感謝するため私を招待した。ブラウン(前首相)からも何度も招待された」
と明かし、政界との深い関係の一端に触れた。
今年1月に始まった再捜査で、ワールド紙の元幹部ら10人が逮捕された。
また、過去に十分な捜査を行わず、ワールド紙との「癒着」を疑われるロンドン警視庁のトップら2人が相次いで辞任。
政界や警察を巻き込んで深刻化する事態に、
「盗聴スキャンダルは英国のウォーターゲート事件か」
(インディペンデント紙)との見方さえ出ている。
政界での焦点は、逮捕されたコールソン元編集長(保釈中)を官邸報道局長として重用していたキャメロン首相の任命責任問題だ。
最初の盗聴事件で記者ら2人が有罪となった07年1月に辞任した元編集長を、4カ月後に保守党の広報担当に迎え、政権奪取後には官邸中枢に据えた。
この首相の判断に「破滅的な失敗」(ミリバンド労働党党首)などと批判が高まっている。
「英国で最も政治的影響力を持つ」と言われるマードック氏との関係構築は、英政治指導者にとって「通過儀礼」とされる。
キャメロン氏は元編集長を側近にした後の08年夏、マードック氏と地中海のヨット上で面会。
同氏傘下の高級紙タイムズと大衆紙サンは、昨年の総選挙前に支持政党を労働党から保守党に変えた。
キャメロン氏は、マードック氏側近のブルックス元編集長(逮捕・保釈中)とも友人関係を結んだ。
そこから浮かぶのはマードック氏にすり寄っていった姿だ。
「マードック帝国」を批判し、間接的に脅されたと言うクリス・ブライアント議員は
「英国の政治家は1人の人間にメディアの寡占を許すことで大き過ぎる影響力を与えてしまった」
と話す。
キャメロン首相は19日夜、アフリカ外遊を途中で切り上げ、急きょ帰国。
20日に下院で開かれた緊急討議で答弁し、コールソン元編集長を報道局長に据えたことについて
「そのこと(任命)が引き起こした論争を残念に思っている」
と述べたが、謝罪は拒否した。
◇発端は05年、王子のけが
最大で被害者4000人とされる盗聴が発覚した端緒は05年11月にさかのぼる。
ワールド紙がウィリアム王子の膝のけがについて報じ、その事実が王子とその秘書、医者ら数人しか知らない内容だったため電話盗聴が疑われたのが発端だった。
この件で、ワールド紙の記者が私立探偵を使って王室関係者の携帯電話の留守電メッセージを盗聴していたことが表面化。
記者ら2人が07年1月に実刑判決を受けたが、捜査は終了し、ワールド紙側は「記者1人の行為」と説明していた。
しかし、十分に精査されないまま埋もれていた1万1000ページに及ぶ盗聴疑惑の情報があることが判明し、ロンドン警視庁が今年1月に捜査を再開。
ガーディアン紙が7月4日、その捜査で、誘拐殺人事件の被害者ミリー・ダウラーさん(当時13歳)の携帯電話も盗聴されていたことが浮かび上がったと報じ、事態は急変した。
ダウラーさんは02年3月に行方不明になり、6カ月後に遺体で見つかった。
この間、ワールド紙が雇った私立探偵は親族らが彼女の携帯に残したメッセージを盗聴。
新たなメッセージが記録される容量を確保するため聞き終えたメッセージを削除し、親族らにダウラーさん「生存」への期待を抱かせ、捜査を誤らせた可能性が指摘されている。
ダウラーさん盗聴の悪質性に世論の非難が沸騰。
イラクやアフガニスタン戦争で犠牲になった英兵の遺族やテロ犠牲者の遺族らも標的にされていたことが次々と明るみに出て、一大スキャンダルへと発展した。
◇拡大戦略に狂い
非難の集中砲火を浴び、マードック氏側はダウラーさん盗聴発覚からわずか1週間で創刊168年のワールド紙を廃刊。
マードック氏の米国の総本山「ニューズ・コーポレーション」は、稼ぎ頭の英衛星放送BスカイBの完全子会社化を断念するなど、メディア拡大戦略に大きな狂いが生じている。
米連邦捜査局(FBI)も捜査を始めた。
マードック氏の次男で、ワールド紙の発行元である英「ニューズ・インターナショナル」(米ニューズ社の子会社)の会長を務めるジェームズ・マードック氏の信頼性も傷ついた。
ワールド紙は、父ルパート・マードック氏が69年、英国で最初に買収し、「マードック帝国」を築き上げる足がかりになった新聞。
その膝元からの火の粉が「帝国」にきしみを生んでいる。
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■ことば
◇ウォーターゲート事件
72年6月、米ワシントンのウォーターゲートビル6階の民主党全国委員会本部に、共和党のニクソン大統領(当時)陣営の関係者が盗聴器を仕掛けようとして逮捕された不法侵入事件。
ワシントン・ポスト紙の調査報道などでもみ消し工作が発覚し、大統領は74年8月、関与を認めて辞任を表明した。
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◇ワールド紙の盗聴事件をめぐる動き
02年3月 少女誘拐殺人事件発生
06年8月 ワールド紙の記者ら2人を逮捕
07年1月 コールソン編集長が辞任
10年5月 コールソン氏が英官邸報道局長に
11年1月 捜査再開。コールソン報道局長が辞任
7月 4日 少女誘拐事件の盗聴疑惑が発覚
7日 ワールド紙廃刊を発表
8日 コールソン元編集長を逮捕
17日 ブルックス元編集長を逮捕
ロンドン警視庁の警視総監が辞任
毎日新聞 2011年7月21日 東京朝刊
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【私のコメント】
イギリスは昨年(2010)5月、1997年から二代(ブレア、ブラウン)続いた労働党政権が、現在の保守党キャメロン政権に交代し保守化した。
ところが日本では、2009年9月に自民党政権に代わり、民主党政権が誕生した。
ルパート・マードックという海千山千の男が、イギリスの政界奥深くに潜入していたことは間違いないことだろうが、これが政治的にどのような意味をもつのかがまだよく分からない。
ルパート・マードックはとても胡散臭い男で、国際社会の裏側で泳ぎ回ってきた男である。
こういう諜報活動はアメリカが得意とするところである。
アメリカはこの件に関与していないのか。
日本の新聞は盛んにキャメロン政権との癒着を報道している。
日本の情報力は大したことはない。
日本の新聞がキャメロン政権の動揺を一斉に書きたてるということは、
アメリカからそうするように圧力がかかったのか、と直感的に思ってしまう。
この手の事件は仕掛けがあると見たほうがよい。
マードックと対立しているのは誰なのか。
そのことが全く報道されない。
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