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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/14738?page=2
南シナ海の資源を巡る中国と東南アジアの国々との衝突によって、「中国脅威論」が改めて叫ばれるようになった。
米軍はフィリピン海軍への支援を約束し、ベトナム海軍やインド海軍との間では合同演習の計画を進めている。米国が非公式に進める共同防衛構想では、既存の日米・米韓防衛条約に加えて、ベトナム、マレーシア、インドネシア、フィリピン、インドなどとの間で「第2の対中包囲網」が作られているようだ。
その動きを横目に見ながら、ロシアはどのように対応するのか。かつて「米中接近」を警戒していたロシアが、今後、米中対立に対してどのような戦略を取るのだろうか。
・ロシアにとって中国は「良心の隣国」?
まず言えるのは、ロシアが「対中包囲網」戦略に参加しないのは確実である。ロシアの対中戦略は重層的だ。中国の国力が増大すれば警戒感が強くなるはずだが、必ずしもそうではない。 南シナ海で緊張が高まりつつある今年6月、胡錦濤主席がロシアを公式訪問した。ロシアと中国の間で、両国間の貿易額を2015年には1000億ドルまで、2020年には2000億ドルまで拡大するという合意が表明された。ロシアは中国の膨大な外貨を引き出し、シベリア・極東地域の開発を進めようとしている。
両国を接近させるのは経済上のニーズだけではない。国際政治の価値観にも共通点が目立つ。 胡主席がロシア訪問した際の共同声明(6月16日)には、「国家が政治制度を自由に選択する権利(の尊重)」「内政不干渉の原則」「国家主権を脅かす行為に対する相互支援」などの言葉が並んでいた。こうした言葉は、激動の21世紀ではもはや過去のものとなりつつあるが、中国とロシアにとっては、まだ十分に新鮮で価値が残っている。歴史を振り返ってみると中国は自国の外に領土を得たことがない、中国は良心の隣国であると云う・・のだが。
・中国との友好に慎重なロシア
メドベージェフ大統領は、胡主席ほど両国の「永遠の友好」を鮮明に打ち出していない。また、ロシア政府は「脱イデオロギー」と「両国関係は同盟ではない」ことを明確にしている。
ロシアの慎重さは理解できる。中国と友好関係を築くメリットは確かにあるが、接近しすぎると多くのデメリットが出てくる。まず、他の国々との関係を損なう危険性がある。中国包囲網に加わるインドは、ロシアにとって中国に負けず劣らず重要な相手である。 ソ連時代の同盟国だったベトナムも同じである。ロシアにとって、全方位的な外交を展開しながら、中国との関係を保つことが外交の主眼である。
とはいえ、この先も中国の飛躍的な成長が続けば、ロシアと中国の関係のバランスは崩れてしまうだろう。 胡主席とメドベージェフ大統領の共同文書には、「対等」な関係が強調されているが、果たして現時点で本当に対等なのか疑問である。両国のGDPはどんどん差が開いているし、貿易においても、ロシアは資源を輸出し、中国から製品を輸入するという構造である。
・中国はいまだに「わけの分からない」国
ロシアと日本が満州を割譲して、大陸で国境を接していた時代のことである。新聞の社説には、中国の代わりに日本が隣国になったのは良いことであると書いてある。「わけの分からない、予測しにくい」中国より、「利益を考慮して妥協ができ、思慮分別のある利口な」日本の方がましだというのだ。
その後の100年間で評価が180度変わってきたとは思えない。2009年10月の世論調査では、ロシアにとってどの国が最も危険かという問いに対して、21%が米国、11%が中国と答え、日本と答えたのはたった2%であった。
一方、ロシアはどの国と協力していくべきかという問いに対して、13%が米国、11%が中国、5%が日本と答えた。この世論調査の結果に、ロシアの対中外交の複雑な心境が見え隠れする。
★ロシア成長:超富裕層が誕生、中間層も厚くなっているhttp://jbpress.ismedia.jp/articles/-/15795?page=3
・売り出し中の住宅は6億円
高級携帯電話のVERTU (日本からは撤退予定)、メルセデス・ベンツ、そのほかアートギャラリーやインテリアショップ、コニャックやウイスキー会社がスポンサーとなってロシアの富裕層300人程度を招待するイベントである。
会場はモスクワの西方、ミンスク通りを10キロほど行ったところにある高級住宅地「ドービル」。ロシア語ではピンとこないが、フランス語のDeauVille、5月のG8サミット開催地となったフランス・ノルマンディーの高級リゾートである。
実際、住宅地内の建物はフランス風に統一され、売り出し中の建物の1つは土地2500平方メートル、建物770平方メートル、価格760万ドル(約6億円)とあった。 建物の内部はスケルトンのままなので、実際に住むためにはその2倍くらいのお金がかかりそうである。
「何よりも、彼らが奏でるモーツァルト、チャイコフスキー、ショスタコービッチをモスクワ郊外の森に囲まれた池のほとりで、真っ白なカバーがかけられた椅子にふんぞり返って、シャンパンやコニャックのグラスを傾けながら聞けるというのは最高の贅沢であるこれがロシアの富裕層の生活なんだろうか・・・。
・3年前より60%も資産を増やした
特に欧米の富裕層との比較で顕著なのは、ロシアの実業家の9割以上が家族への事業継承プランを持っておらず、7割以上が自分の家族を現在の事業に加えたいとは考えていない点である。
彼らは事業資産と個人資産は分別管理しており、個人資産は2008年金融危機以降60%以上増加している。しかし、8割以上の回答者が長期の資産運用計画は持っていないと答えている。
なるほど、ここまで読むとロシアの富裕層(に限らないが)の良くも悪くも近視眼的なビジネス戦略、また、彼らの刹那的な消費性向とも違和感はない。しかし、ロシア人に「子孫に美田を残さず」の諺が伝わっているとはとても思えない。
しかしながら、海外資産への投資には積極的で、回答者の全員が海外に不動産を所有している。6割以上がスイスにオフショア銀行口座を保有しており、資産は米ドル、スイスフラン、英ポンドに分散させている。
・ビリオネアーの数は101人
今年度フォーブス誌5月号に掲載されたロシア長者番付によれば、ロシアには現在ビリオネアー(資産10億ドル以上)が101人存在する一方、国家統計局の最近の発表によれば、ロシアの貧困層(月収231ドル以下)が2300万人存在すると指摘している。
この事実だけ読むと、ロシアでは貧富の差が著しく拡大しているかの印象を受けるが本当だろうか?
ちなみに国際比較が可能な家計所得ジニ係数で見る限りは、ロシアにおいて貧富の差が著しいようには見えない。ロシアはタイ、中国、アルゼンチン、トルコといった新興国とほぼ同じレベルである。
・中間層の増加を伴って着実に成長するロシア経済
よく見ると、米国はロシアよりも貧富の差が大きく、BRICsの中でもブラジルは最も貧富の差が大きい。
つまり、日本と比較すれば、あるいは社会の成熟化が進み最も貧富の差が小さい欧州諸国と比較すれば、ロシアの貧富の差が大きいのは一目瞭然であるが、同じレベルの成熟度を建国わずか20年のロシアに求めるのは無理というものであろう。
筆者がモスクワの街中を歩いて感じるのは、中間所得層が確実に成長しているという実感である。ロシアで売れている車は「ベントレー」や「メルセデス」、それに「レクサス」といった超高級車ばかりではない。
街中のショッピングセンターやスーパーマーケットで買い物をしているのは、ロシアの富裕層や外国人ばかりではない。街中のマクドナルドあるいはカフェで昼飯を食べているのも普通のロシア人である。
我々が期待するスピードではないにしても、ロシア経済が中間層の拡大を伴って確実に成長を続けていることは疑う余地がない。
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