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http://mainichi.jp/select/world/news/20110721k0000m030011000c.html
【ワシントン白戸圭一】アフリカ大陸北東部一帯で過去60年間で最悪と言われる深刻な食料危機が発生し、国連によると、約1100万人が食料不足に直面している。カーソン米国務次官補(アフリカ担当)は19日、会見を開き、国際社会が結束して事態に対処するよう異例の呼びかけを行った。
食料危機が深刻なのはソマリア、エチオピア、ケニア、ジブチなど。特に深刻なのは91年から中央政府が存在しないソマリアで、米政府は総人口936万人の3分の1に当たる約300万人が食料不足に直面していると推定している。国連難民高等弁務官事務所によると、ソマリアから連日、隣国のエチオピアに約1700人、ケニアに約1300人のペースで難民が押し寄せている。ソマリア国境に近いエチオピアの難民キャンプでは、子供の5割が栄養不良状態という。
カーソン次官補は会見で、ソマリアの食料危機の原因について「三つの要因が重なった」と指摘。(1)過去2年の少雨による農作物の収穫減(2)中央政府の不在(3)国際テロ組織アルカイダと連携するイスラム過激派組織アルシャバブの存在を挙げた。
内戦で荒廃したソマリアでは農業生産が停滞し、国連の食料支援に依存する国民が90年代初頭から多数存在した。ところが、08年からソマリア中・南部で支配を拡大したアルシャバブが国連の支援を拒否し、食料配給が不可能になったことで危機が加速したとみられている。
食料危機の深刻化を受け、アルシャバブは今月5日に「支援受け入れ」に方針を転換。世界食糧計画(WFP)はソマリア中・南部での支援再開を宣言したばかりだ。ソマリアからの難民流入でケニア、エチオピアでは食料価格が高騰し、農村部の貧困層を中心に食料を購入できない事態となっている。
カーソン次官補は会見で「国際社会による適切かつ迅速な対応が重要であることを訴えたい」と強調。米国や欧州連合(EU)など主要支援国・機関は20日にロンドンで緊急の実務者会合を開き、支援の在り方について協議する。
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