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47ニュース より
http://www.47news.jp/47topics/premium/e/215020.php
やはり陰謀だったのか 専務理事の性的暴行事件
ドミニク・ストロスカーン前IMF専務理事から性的暴行を受けた、とニューヨークのホテル従業員が訴えていた事件は、「被害者」の証言が信用出来ないことが明らかになり、前専務理事は自宅軟禁を解かれた。まだ最終的な結論は出ておらず、旅券も没収されたままだが、少なくとも米国内の移動の自由は認められており、最終的には無罪、あるいは起訴取り下げになるもようである。
セレブが巻き込まれた性的暴行事件としては一件落着の方向だが、フランス社会党の有力次期大統領候補を引きずり降ろした陰謀としては成功したと言えるかもしれない。裁判に勝ってもストロスカーン氏が被った政治的なダメージは致命的だからだ。
事態が確定していないので今後の展開を予言することは難しいが、ストロスカーン氏は早々と専務理事の職を辞しており、後任もラガルド・フランス財務相に決まった。というより、後任が決まった後のタイミングで被害者の偽証が明るみにされた、とも言える。
来年のフランス大統領選挙で、ストロスカーン氏は現職のサルコジ大統領に対抗できる野党社会党の切り札だった。社会党は既にストロスカーン氏抜きで候補者選びを進めており、女性のオブリ党首に一本化する流れができつつある。党内の予備選挙の立候補締め切りは7月13日に迫っているが、前専務理事は18日にニューヨーク州地裁に出廷を命じられている。旅券は没収されたままだから、フランスに帰国できない。党内には締め切りを8月末に延期すべきだとの声も出ているようだが、どうなるか。
候補になっても「イエス・ウィ・カーン」とは行きそうにない。7月初めに実施されたフランス国内の世論調査ではストロスカーン氏を大統領候補として「ふさわしい」と答えた人が49%、「ふさわしくない」と答えた回答者は45%だった。支持が不支持をかろうじて上回っているが、世論は拮抗している、と見るのが妥当だろう。大統領候補はオブリ氏に決め、ストロスカーン氏は首相職に回る、ということもありうるが、氏が受け入れるかどうか。
ストロスカーン氏が受けた政治的ダメージは大きいが、同じように米国の司法制度もイメージを損ねた、と言える。
最初に従業員が訴え出た時点からその証言を吟味すれば矛盾点はあったはずだが、ニューヨークの地方検事は一方的な証言を鵜呑みにして警察の捜査を指揮した。「推定無罪」の原則を無視して手錠姿の被疑者をマスメディアのカメラにさらし者にした。この点だけでもフランス人は怒る理由がある。
米国の裁判制度がわれわれ日本や欧州諸国のそれと根本的に違うのは、真実の発見にそれほど重きを置かない、ということだ。陪審員の同情を買い、納得させた方が勝つ。
今回の例で言えば、検察は年寄りの白人の大金持ちがアフリカからの貧しい移民のホテル従業員をレイプした、という図式に持ち込めば、陪審はきっと有罪の評決を下すに違いない、と読んだのだろう。
ところがどっこい、貧しい哀れなアフリカ移民と思っていた被害者がとんだ食わせ者だった。あやしげな銀行口座をあちこちに開いていて過去2年の間にざっと10万ドルの出所不明の入金があり、電話を何本も契約、あちこちに電話をかけまくっていた記録が出て来た。
おまけにフィアンセだか友達だかしらないが、マリフアナ180キロの不法所持で服役中の男に「こいつから金をしぼれるから大丈夫」という電話をかけていて、それが刑務所側に録音されて決定的に怪しいやつということになってしまった。これでは陪審員を味方にすることはできない。
結局、事件は三方一両損、ストロスカーン氏、ホテル従業員、ニューヨーク州司法当局の登場人物のうちのだれもが損をして幕引きとなりそうだ。表舞台に登場せずに、ひそかにほくそ笑んでいる人物、あるいはグループがどこかにいるのかもしれないが。
(2011年7月6日 今井 克)
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