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エクソンの原油流出は16キロ圏に集中

2011年 7月 4日 9:57 JST　

　米石油大手エクソンモービルは3日、同社パイプラインの破損で流出した原油による汚染はモンタナ州ビリングズ近くのイエローストン川の10マイル（約16キロメートル）圏に集中していると明らかにした。
イメージ AP

パイプラインの破損で流出した原油（2日、米モンタナ州）

　現地での記者会見でエクソンモービル・パイプライン社のプルーシング社長は、10マイル圏を越えた川べりでの「汚染は極めて少ない」と語った。同社長は、流出原油の位置を特定するために上空からの調査を行ったとしている。原油の一部は流水の動きでばらばらになりつつあるという。

　流出事故は2日に報じられ、近くの住民が一時避難した。自治体の当局者によると、川の洪水で原油除去が難しく、一部の原油はミズーリ川に流れ込む恐れもある。イエローストン川はミズーリ川の支流。

　同社長によれば、流出量は750〜1000バレル（119〜159キロリットル）。同社はパイプラインの圧力低下が感知されてから6分後にこれを閉鎖したという。大気の検査では、人体に有害なものは何も検出されていない。また、近隣自治体の上水道システムが被害を受けたとの報告も入っていない。同社長は「短時間で多くの原油を流出させてしまった」と話した。パイプラインからの漏出は止まっているという。

　事故が起きたのはモンタナ州シルバーティップから同ビリングズの製油所に至る「シルバーティップ・パイプライン」で、イエローストン川の河床の下を通っており、送油量は1日に約4万バレル。米国では天然ガスパイプラインの爆発事故が相次ぎ、また昨年7月にはエンブリッジ・エナジー・パートナーシップＬＰのミシガン州のパイプラインから2万バレルの漏出が起きており、パイプラインの安全性に対する不安が高まっている。エンブリッジの事故の原因はまだ分かっていない。

　エクソンは、事故のあったパイプラインは「全ての基準」を満たしており、昨年12月に検査が行われたとしている。また、米パイプライン・有害物質安全局（ＰＨＭＳＡ）は6月、同社のパイプライン保全管理プログラムを検査した。

　同社は5月、豪雨に対する懸念から一時このパイプラインを閉鎖している。モンタナ州の当局者は2日、原油流出の原因は分かっていないが、洪水が何らかの影響を与えた可能性があるとの見方を示した。

記者: Angel Gonzalez and Ben Lefebvre
　

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