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DSKが「自宅軟禁」措置を解除された。
保釈金も返還された。
ニューヨーク州検事長によると、「被害者」の女性の供述に、信憑性が持てなくなっているらしい。
麻薬取引の実績が明らかになって来た。
過去数年観に10万ドルの現金が彼女の口座に振り込まれて居り、マネー・ロンダリングの関与も認められる。
勤務先(現在は退職)ホテルの、上司との度重なるトラブル。
そして、DSK逮捕直後に、電話で「この件を事件化することによる利益」に関する会話が為されていた。
DNA鑑定の結果、「性交渉が持たれたのは明らか」としながらも、重罪での公判は破棄せざるを得ないかもしれない、と発表している。
GPS付き足輪を嵌められて、自宅軟禁状態であった彼は、フランスに帰国する事も可能となったらしい。
(以上、情報は7月1日ル・モンド紙)
フランス社会党は、来年の大統領選に向けて、党候補者を決める予備選挙への立候補締め切りが迫って居るが、急きょ「予備選挙手続き」の一時停止を求める声が、有力議員である元文化相『ジャック・ラング』から上がっている。
何しろ、世論調査によると「ダントツ」の一番人気であり、社会党としても彼の復帰を希望する声は、未だにかなり高いのが実情である。
フランスの世論調査は、第三者機関がプロセスを公開して行う正式調査で、何処やらの国とは違って、結果への信頼度はかなり高い。
今回の事件で、前党首『フランソワ・オーランド』に加えて、現党首『マルティーヌ・オーブレー』も予備選への立候補を正式表明した。
急に発表になったDSK釈放の報に、党としての公式見解は未だ出せずにいる。
社会の見方は二つの可能性に別れている。
一つは、大統領選に出馬が決まれば、社会党は政権を取り戻す事になるだろう、と言うもの。
何しろ、フランス人の60%あまりが、最初から最後まで「冤罪」だと信じていた。
他方、あれだけの「屈辱的姿」を曝す結果となって、果たして彼が大統領候補として「打って出る」気分になるだろうか、と言う懐疑的意見である。
この事件に、あれこれ多くの疑問点を抱きつつ、日本の現状とつい比べてしまうのだ。
一つ目は、小沢一郎への冤罪。
ほぼ「日本国総理大臣」になる所だった政治家を、言いがかりで起訴させてしまう現状。
二つ目は、恥を知らず、矜持も持たぬ首相の事である。
ほぼ「日本国総理大臣」からたたき出されようとしていながら、悪あがき三昧の現状。
無理矢理こじつければ、似ていなくも無い状況であるが、当然ながら実態は全く異なっている。
今回のDSK事件は、大統領の座への再選の可能性をほぼ閉ざされていた『ニコラ・サルコジー』からすれば、振って湧いた様な僥倖であった。
本来ならば、何らかの声明を出し、擁護はしなくとも、少なくとも「不当な扱いをしない様」に形式的に求める位は、当然行う筈の状況であったにも拘らず、フランス政府としては、アメリカ・サイドに何ら意思表示を行わなかった。
NY州検事長によれば、立件が成立しなくなる可能性も示唆されている。
実に、ギリシャの財政破綻への介入を巡って、IMFと対立関係に遇ったアメリカ。
DSKによる、アメリカ銀行に保管されている筈のIMF所有になる<金>が、使い込まれて居る可能性の発見。
まさに、アメリカに取っても、フランスにとっても、この事件は両現政権にはまさにジャスト・タイミングでの幸運であった。
それ故に、IMF 専務理事の後任に再度フランス人が就任する流れを止めなかった(止められなかった)アメリカに取って、彼が政界に復帰し、次期大統領ともなれば両国の外交戦略を、大きく見直さねばならなくなる事にもなろかねない。
それでは、果たして彼自身が「復活」する気が有るのかどうか。
他人事ながら、こういう汚名はそれこそ直ちに晴らさなければ、永久について回る事になる。
そして、汚名返上の最上の手段は『大統領』になってしまう事、以外には無かろう。
あとは、正式帰国と彼の意志決定が何日後になるのかは別として、社会党が手続き変更までして、彼を待つのか、と言う事である。
たとえDSK抜きでも、社会党候補の優位は変わっていない。
DSK程の差は開かなくとも、フランソワ・オーランドも、マルティーヌ・オーブリーも、セゴレーヌ・ロワイヤルすら、ニコラ・サルコジーより得票率が上回る事が見込まれている以上、一旦スキャンダルの主となった人物に頼らなくとも良い、と言う声も当然上がってこよう。
ただ、サルコジー現大統領も、座して敗北を待つ筈は無く、あれこれ巻き返す様々な手を打ってくるであろう以上、圧倒的な差で上を行くDSKを候補に立てるのが、最も安全で妥当な戦略と言えるのだ。
元来フランスは、イタリアとはやや別の意味で、政治家の下半身のスキャンダルには寛容である。
フランソワ・ミッテランは、その二期目の再選前に「隠し子」の存在を暴露されたが、選挙の行方にも、彼の人気にも、更にはその後の彼の評価にも、全く影響は与えなかった。
彼の隠し子の事は「公然の秘密」になったが、彼が任期を終えた後亡くなるまでは、氏名や写真の公開等も為されなかった。
政治家は、ちゃんと仕事すれば良い。
リーダーは、リーダーとしての能力を発揮すれば、下半身のスキャンダル等はスキャンダルになり得ないのである。
次の大統領であった『ジャック・シラク』には、日本に日本人現地妻が居る。
このような社会性に遇っては、DSKの復帰は日本で考える程「困難な物」では無い。
ただ、今回の事件で彼の「その方」の嗜好が話題となり、女性達に嫌悪感を生み出した面は否定出来ない様だ。
それが、果たしてどの程度まで影響するのか。
極めて興味深い事では有る。
保守の側も『ド・ヴィルパン』を候補にした方が、勝てる確立が高いと思われる。
しかし、現職のサルコジーが立候補を断念する筈も無く、ましてや憎っくきライバルに、後を譲る事は考えられない。
それこそ党内クーデターを起こすか、或はド・ヴィリパン自身が「強引に」立候補するしか、手は残されていない。
その場合は、与党票がわれることとなり、不利となる。
それにしても、今回のDSK事件が、単なる「性悪女」の引き起こした単純な事件だったのか、或はアメリカ政府の機関が仕組んだ、極めて政治的陰謀だったのかは、当分明らかにはならないのだろう。
そこへ行くと、我が祖国はと言えば。
東京地裁『登石郁朗』裁判長が、事故にでも遭遇したり、どこかずっと上の方からの圧力で担当替えにでもならない限り、『陸山会事件』の公判維持は、検察側にとって極めて微妙な物になりつつ有る。
そしてその結果が、それ自体では立件出来なかったにも拘らず『西松建設不正贈賄』を楯にして、「政治資金記載の次期のズレ」と言う微罪を大げさに焚き付けて来た「小沢一郎」自身の公判にも、影響が出そうな風向きになっている。
たとえば、判事役の指定弁護士が、公判を取り下げたとしたら。
或は、無罪判決を出さざるを得ない結果になるとしたら。
その後の「被害者」小沢一郎への、世間の態度はどういう物になるのだろう、と考えてしまうのだ。
勿論最初から冤罪を主張して来た支持者達は別として、テレビや新聞で簡単に洗脳されてしまうかなりの国民達が、素直に彼を受け入れる事になるのかどうか。
あらゆる意味で「大人になりきれない」日本人の性向から考えて、「裁判は有罪にしなかったけれど、如何しても怪しい」、等と言った感覚を、マスコミの手で植え付け続けられて無くならない「有る層」が残る様な気がしてしまうのだ。
そう考えると、フランスと日本との、マスコミの質の違いは、如何ともし難い。
残された方法は、当座残るかも知れない「逆風」に屈せず、必要な政策を次々に実行して、短期間で「効果」が感じられる様にする事しか無いのだろうか。
そして、そのように短時間で効果が実感出来る様な政策は、所詮はカンフル剤でしかなく、本質的な「日本大改造」に専念出来るだけの時間は、彼の基での政権を維持しなければならない、と言う事に尽きるであろう。
結構、大変だ。
あらゆるマスコミがこぞって「正しい報道」を行い、「正しい評価」を報じる様にしむけなければならない。
取り敢えず、小沢一郎の名誉回復と復権とを、一日も早く望むものである。
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