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毎日新聞 より
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110518k0000m020146000c.html
欧州中央銀行:次期総裁にドラギ氏 ギリシャ救済論者
欧州連合(EU)は17日、欧州中央銀行(ECB)次期総裁にマリオ・ドラギ氏(イタリア中央銀行総裁)を推挙する。
6月のEU首脳会議で正式決定し、トリシェ総裁の後任として11月からECBの指揮を執る。
独自候補擁立を探ったドイツを封じての就任で、欧州信用不安の収束と、原油高の長期化などを背景に上昇傾向が続く物価の安定化の両立が大きな課題となりそうだ。
「スーパー・マリオ」。
メディアは猛烈な働きぶりからドラギ氏をこう形容する。
イタリア政府の経済・財務省国庫局長時代には、財政再建策を取りまとめ、イタリアをユーロ加盟に導いた。
昨年5月のギリシャ危機では、イタリア中銀総裁として、ECBによるギリシャ国債買い入れ策を支持。
ギリシャ救済策の推進者として名を上げた。
主要20カ国・地域(G20)の中銀などで構成する「金融安定化理事会(FSB)」の議長を長年務め、
リーマン・ショック後の金融危機対応でも手腕を発揮。
「識見、経験ともに抜群」(日銀幹部)とユーロ圏外からの評価も高い。
ただ、ユーロ圏でギリシャに次いで累積債務残高が多いイタリア出身な点や、
インフレ対策より経済成長や雇用に配慮して金融政策を決める「ハト派」寄りとの評判から、
次期ECB総裁候補としては、物価安定を最重視するドイツなどの反発もあった。
それだけに、市場はドラギECB次期総裁が成長と物価のバランスをどう図っていくか注目している。
ドラギ氏は米マサチューセッツ工科大で経済博士号を取得。
米投資銀行、ゴールドマン・サックス副会長などを経て
05年9月からイタリア中銀総裁を務める。
妻と子供2人のほか孫もおり、社交界にはほとんど姿を見せない仕事人間でもある。【ロンドン会川晴之】
毎日新聞 2011年5月18日 0時05分
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毎日新聞 より
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110518k0000m030124000c.html
IMFトップ:欧州、新たな波乱要因
宿泊先の米国内のホテルで女性従業員に性的暴行などを働いたとされる国際通貨基金(IMF)専務理事、ドミニク・ストロスカーン容疑者(62)の逮捕劇が国際社会に波紋を広げている。
事件は、ユーロ危機の信用不安を引きずる欧州にとって新たな波乱要因だ。
トップが突然逮捕されたIMFの後継人事も混迷の度を深めることになりそうだ。
12年春の大統領選挙の最有力候補の失墜を受け、フランスでは、政治家のスキャンダルに厳しい米国との文化的な温度差を指摘する声もある。
◇駆け引き本格化
【ワシントン斉藤信宏】IMF内部では専務理事の後継人事をめぐる動きが水面下で活発化しているが、
ストロスカーン専務理事辞任が決まったわけではなく、
幹部は人選に苦慮している。
専務理事代行のリプスキー筆頭副専務理事は8月末の退任が決まっており、トップ人事が定まらない状態が続きそうだ。
米国の首都ワシントンに本部を置く国際金融機関では
世界銀行のトップが米国人、IMFのトップは欧州人という不文律があり、
これまでIMFは常に欧州出身者がトップを務めてきた。
しかし、08年のリーマン・ショック後の世界金融危機を経て経済力を伸ばしてきた中国などの新興国はIMFへの出資比率を大幅に増加させ、発言力を強めつつある。
「(専務理事が)毎回、欧州から選出されるのは不自然」(IMF理事)
との指摘が増えており、どの国の出身者を後継に据えるべきかを含めて議論は迷走している。
欧州ではブラウン前英首相やラガルド仏財務相の名が取りざたされており、
16日にはメルケル独首相が「次期専務理事も欧州から」と発言するなど、早くも駆け引きが本格化している。
欧州はギリシャなどの債務危機を抱え、IMFトップの座を死守したいところだが、
IMF内部では「非欧州」の専務理事を待望する声が強く、アジアから選出される可能性も残されている。
◇ユーロ圏議長「とても悲しいこと」
【ロンドン会川晴之】ストロスカーンIMF専務理事の逮捕を受け、欧州に動揺が広がっている。
欧州連合(EU)は財政危機に陥ったギリシャなどの救済にIMFと二人三脚で取り組んでおり、
フランス出身の専務理事がIMF側の中心人物だったからだ。
逮捕は、専務理事がギリシャへの追加支援策やポルトガル支援策をメルケル独首相ら欧州要人と会談するため、欧州に旅立つ直前。
16日にブリュッセルで開かれたユーロ圏諸国(17カ国)財務相会合には代理が出席した。
ユーロ圏議長のユンケル・ルクセンブルク首相は記者会見で、逮捕について「とても悲しいことだ」と述べた。
ユーロ圏は16日、約9兆円規模のポルトガル支援を決めたが、
6月にはギリシャへの追加支援策を打ち出さなければならない。
EUのレーン欧州委員(通貨・経済担当)は16日の会見で、
IMF、欧州中央銀行(ECB)と欧州委員会の「トロイカ」がギリシャに調査団を派遣する計画を説明するなど、IMFトップ逮捕の影響の打ち消しに懸命だ。
毎日新聞 2011年5月17日 22時23分
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毎日新聞 より
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110518k0000m020127000c.html
世界銀行:「2025年には新興6カ国が成長の過半担う」
【ワシントン斉藤信宏】世界銀行は17日、2025年の世界経済に関する報告書を発表した。
その中で、中国、インド、ブラジル、ロシア、韓国、インドネシアの新興6カ国が
同年までに世界の経済成長の過半を担うようになるとの見通しを示した。
また、世界経済の大きな構造変化に伴い、国際通貨体制も変わると予測。
「(米ドルを基軸とする)単一通貨に支配される時代は過ぎ去り、米ドル、ユーロ、中国の人民元を中心に基軸通貨の多極化が進展するだろう」
との見方を示した。
日本の円についての言及はなかった。
世銀は、中国、インドなど新興6カ国の25年までの年間平均経済成長率が4・7%に達すると予想。
「6カ国だけで25年には世界の成長の50%以上を占める」
と指摘した。
日米欧の先進国については平均2・3%成長し
「引き続き世界経済にとって重要な存在」
としながらも
「新興国の急速な台頭で世界経済は多極化に向かっていく」(チーフ・エコノミスト、ジャスティン・リン氏)
と分析している。
また、報告書は通貨制度について
「現在の基軸通貨ドルはユーロや人民元との競争にさらされ、人民元の国際化に伴い、25年までに三つの通貨を中心とする体制に移るだろう」
との見方を強調。
国際的な投資活動でも新興国の企業による国境を越えた活動が活発化し、新興国から途上国への「南南投資」が大半を占めるようになると見通した。
毎日新聞 2011年5月17日 22時31分
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【私のコメント】
国際金融機関の動きが一気に活発化した。
IMFトップのストロスカーン氏が逮捕されたかと思うと、今度は欧州中央銀行(ECB)総裁にアメリカの投資会社、ゴールドマンサックス出身のドラギ氏が就任するという。
一方アメリカ寄りの世界銀行は、
「(米ドルを基軸とする)単一通貨に支配される時代は過ぎ去り、米ドル、ユーロ、中国の人民元を中心に基軸通貨の多極化が進展するだろう」
と言っている。
これは方便であって、本音は米ドルの基軸体制を維持したいのだろう。
国際通貨基金、欧州中央銀行、世界銀行、
この三者の動きを総合すると、どうもアメリカは『ユーロ叩き』に動いているようだ。
動かしているのは中国や、ロシアではなく、やはりアメリカの金融街だろう。
ドイツ・フランス(ユーロ) VS アメリカ(ドル)の構図が見えてくる。
アメリカの狙いはドル基軸通貨体制を維持して、世界的なドル安を徹底的に推し進めることにあるのではなかろうか。
そのためには欧州中央銀行(ECB)がユーロをばらまいてはいけないのだ。
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