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結局失敗に終わった米軍産複合体のテロ作戦 ウサマ・ビン・ラディンが昨日5月1日に米軍の攻撃によって死亡したと言う。遺体は既に海に水葬されたと言う。なぜ、早々と遺体を水葬してしまったのか?普通に墓地に埋葬するとテロの聖地になるからだと言うが、それなら、例えば911同時テロ当時のブッシュ大統領やチェイニー副大統領の居住地はどうなのか?彼らはイスラムの人たちからかなりの恨みを買っているはずだが、特にテロが起こってはいないはずだ。 ウサマ・ビン・ラディンは一応911テロの首謀者だ。アルカイダの中心人物と言ってもいいはずの人物であったはずだ。今回は数か月ほど前に居場所を確認してあったという。そうであれば殺害ではなくて、生け捕りを目指すべきものだ。更に、彼の居所からさまざまな資料が採取されていなければいけない。ところが、どんな資料があったのか、そもそも、資料を探したかどうかも報道にはない様子だ。 もともと、911のテロ自体がウサマ・ビン・ラディンを中心にするアルカイダの仕業とするにはいろいろと無理のあるものだった。WTCビルの倒壊の仕方が飛行機が突っ込んだにしてはあまりに整然としたものであった。また、事前に大手証券会社社員などが避難していたと言う話もある。実際に本来ならいたはずの大手証券会社員は被害にあっていない。そして、911後の展開を見ると、米資本家によるイラク石油資源の乗っ取りというシナリオがあったとしか思えない。もちろん、この背景には、もっといろいろな要素があり、その一つとしてイラク大統領であったフセイの石油代金のドル決済を止めると言う動きに対抗する意味合いもあったのだろう。 アルカイダが実際には統一した組織ではなくて、いわゆる反米テロを謳うゲリラ組織の緩やかな連合体であり、ウサマ・ビン・ラディンの威光はあまりないとされるが、もともと、アルカイダ自体が米軍の補助によって生まれたゲリラ組織だ。ビン・ラディンの生死にかかわらずアルカイダによるテロは行われるとされるが、かなりの数のテロは米軍の指令によって起こされてきたはずだし、今後の活動も米軍の支持がなければ、ほとんどおぼつかないだろう。所詮、一般市民がテロをやろうにも、その手段はない。テロに使うような武器は全て規制がかかっていて、その筋の入手先はすべからく情報機関のチェックが入っているはずだからだ。 ビン・ラディンがアルカイダへの影響力を持っていなかったのなら、なおさら射殺する必要はなかったはずだ。ゆっくりと時期を見て生け捕りをすればよかった。活かして拘束し、911のテロが米政府内のどんな今日曲を得て行われたか、それを聞き出すべきであった。 結局、この時期にビン・ラディンを殺害したりするのは、これ以上ゲリラ戦法は無理だと考えたからだろう。反米感情が強くなり過ぎ、社会の様々な階層から自発的に反米テロ活動に身を投じる人々が多くなったので、このままではまずいと判断したわけだ。ビン・ラディンを生かしていては、アルカイダによる活動を止めさせる糸口が無くなるので、彼を殺害したことにして、テロによる相手政府のかく乱とそれに乗じた内政干渉、米軍の駐留という戦法を止めると言うことだ。 この時期に殺害という事件が仕組まれたのは米軍のイラク・アフガニスタン撤退の時期が迫っていると言うこともあるだろう。7月の撤退前にビン・ラディンの始末をつけてしまわないと、現地政府が捕まえてしまい、911のテロの内幕、つまり、ブッシュ政権の主導の下に行われたと言うことを白状させてしまうかもしれないからだ。 これには、リビヤのカダフィ政権打倒がなかなかうまく行かないと言う理由と、福島第一原発事故が収拾できない事態になりつつあると言う理由もあるはずだ。 カダフィ大佐はリビヤにおける反政府活動を外国による扇動だと言っている。アラブ世界が未だに部族社会であっても、リビヤでの反政府活動が部族対立をあおって石油利権を奪おうとする欧米の戦略によって動かされていると気が付いている人たちは多くいるはずだ。 福島第一原発事故も多くの影響を与えているはずだ。原発時限爆弾という目論見が今後使えなくなったわけで、テロという小規模で的を絞った脅しと原発震災という大規模で相手国自体を滅ぼすような仕掛けの組み合わせで世界支配を目論んでいたのがうまく行かないの明白になったので、早々とテロ作戦に見切りをつけたということだ。 今後、しばらくの間は反米テロ活動は続くだろう。しかし、多分、数年の内に下火になるはずだ。 多分、もっと小規模で、より暴力を伴わない、一見正常で合法的な支配の方法にシフトするのだろう。当然、その仕掛けにはインターネットを使った情報収集や世論操作、マインドコントロールがあるはずだ。現在の情報収集能力があれば、小規模でもかなり効果的な脅しも可能であり、十分に世界支配ができると踏んでいるのだろう。 中東での次のターゲットは、イランか、または、サウジアラビアだ。太陽光や風力は安定した電力供給ができないから、石油や石炭、LNGの重要さはますます高くなる。石油やLNGを巡る争いは今後も続くはずだ。 アジアでのターゲットはインドネシアかも知れない。LNGがあるからだ。ただ、中国の影響力がかなり強いので、そう簡単には行かないだろう。 アメリカ内部では、テレビやインターネットを使った、つまり、メディアを使った世論コントロール手法がうまく行かなくなりつつある。一つには、ある意味インターネットを通じた虚構の世界の構築がうまく行きすぎてあまりに巨大になり、その維持が大変であること。及び、仲間割れが生じていることだ。また、アメリカ国内の人口構成が複雑になりすぎ、WASPといった特権階級の維持がこのままではできないと考えたのだろう。反面、もっと普通に国内製造業を育成して世界の富をアメリカに集中できると言う判断もされているはずだ。新興国の人件費は今後10年ぐらいで急騰するはずで、今のようなドル安が続けば、十分にアメリカ国内製造業が世界へ向けて輸出できるようになる。 911のテロから10年、アメリカはまた新たに10年後の世界へ向けて舵を切ったと言うことだ。 *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<550>>
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