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<フランス>チュニジア移民入国阻止 伊との国境一時閉鎖
毎日新聞 4月18日(月)10時39分配信
【ローマ藤原章生、パリ福原直樹】1月のチュニジア政変後、同国からイタリアに押し寄せた移民に対し、フランス政府が17日、伊からの入国を一時禁じ、両国の対立が高まっている。チュニジア移民の多くは旧宗主国フランスへの入国を求めており、それを阻む仏に対し伊は厳重抗議した。移民という「重荷」を押し付けあう対立は今後も欧州各地に広がりそうだ。
フランス政府は17日、地中海に面した仏南部ニッツァと伊北西部のベンティミリアを結ぶ鉄道を閉鎖した。チュニジア移民60人のほか、移民受け入れに消極的な仏政府に抗議する仏伊の人権団体約300人の入国を阻むためとみられる。
これを受けフラティニ伊外相は同日、「国境閉鎖は違法で、欧州の原則に反している」と抗議した。仏政府の措置は欧州連合の25カ国間の自由越境を認めたシェンゲン協定を侵すものとみて、その釈明を求めた。これに対し仏側は「抗議団体はデモの申請をしておらず、閉鎖は治安維持のためだった」と答え、同日夕、国境を再開した。
イタリアでは移民が過去10年で20倍に増え人口の1割近くの400万人以上になり、アラブ諸国の政変で今後も急増が予想される。特にこの2月以降、チュニジアからの移民船が増え、今年すでに約2万9000人がイタリア南部に漂着し、数百人が海難で死亡している。
伊政府はチュニジアからの移民を一時的受け入れ施設で収容してきたが、仏など他の欧州諸国が移民対策に協力しないことに不満を抱き、移民の一部に4月以降、「自由越境のパスポート」に当たる暫定滞在許可証を発行し独仏などへの出国を事実上促した。マローニ伊内相は17日夜の国営放送で仏政府の措置を「不可解、乱暴かつ不正義なもの」と断じた。
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