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【ドバイ=松尾博文】最高指導者カダフィ大佐への蜂起が続くリビアで、政府側は5日、首都西方の要衝ザウィヤの完全制圧に向け攻撃を強めた。政府側が西部都市の奪還を急ぐ一方、民間人中心だった反体制派には軍を離反した部隊などが加入。急速に軍事組織化を進めており、東部で支配地域を広げている。リビアは両陣営による東西分断支配の様相を見せつつある。
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政府側が戦車やヘリコプターを投入してまでザウィヤの奪還にこだわるのは、同市が首都西方で反体制派が支配する最大の都市だからだ。首都から50キロと近く、チュニジア国境を結ぶ要衝に位置する。政府側が態勢を立て直し、東部から迫る反体制派からの挟み撃ちを防ぐにはザウィヤの掌握が前提となる。
経済的な理由もある。リビアの油田地帯は大きく3つに分かれ、そのうち2つは東部の港から積み出す。ザウィヤは同国6カ所の主要石油積み出し港のうち唯一首都西方にあり、製油所も存在する。政府側が東部の支配権を失い、国が事実上分断された場合、西部油田地帯の出口であるザウィヤの支配は政権存続に欠かせない。
政府側は首都近郊の都市を制圧した後は、トリポリの東200キロに位置する産業都市ミスラタの奪還に動くとみられる。
一方、反体制派の連合組織である「国民評議会」は5日、初めての正式会合をベンガジで開いた。第2の都市ベンガジを拠点とする反体制派は“カダフィ後”をにらんだ体制づくりと並行し、軍事部隊の組織化も進めている。
4日の石油都市ラスラヌフ制圧をめぐる戦闘には、軍から離反した将兵や志願兵ら数千人が参加したとされる。反体制派部隊は5日も西方に支配地域を拡大しており、個別に都市解放に専念してきた反体制派が他都市の解放に動く「進軍」が始まった。
反転攻勢を強める政府側と反体制派の対決の焦点となるとみられるのが中部シルトだ。シルトはカダフィ大佐の出身地。大佐が所属する部族の構成員らが固い防衛態勢を敷いており、トリポリに向かう反体制派に立ちふさがる。即席の反体制派部隊による攻略は容易でなく、シルトをはさんで東西の分断ラインが生まれる可能性がある。
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