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[ロンドン 3日 ロイター] リビアの最高指導者カダフィ大佐が、民衆蜂起で退陣に追い込まれたチュニジアやエジプトの権力者たちと同様、反政府デモを受けて退陣するというシナリオは、再考を余儀なくされている。カダフィ大佐は反体制派の武力弾圧に尻込みする様子は一切見せておらず、今週に入ってからは戦う姿勢を一段と明確にしている。
専門家らは、側近が説得できない限りカダフィ退陣はなさそうだとみている。また、カダフィ大佐は自分自身をリビアそのものだと考えており、民衆の蜂起で権力を譲り渡すぐらいなら、国家を崩壊させることもいとわないと指摘する。
「リビアが長期的な内戦に突き進む真の危険がある」。こう語るロンドンスクール・オブ・エコノミクスの中東政治学教授、Fawaz Gerges氏は「これまで見てきた限りでは、カダフィ氏は壁際まで追い込まれているが、出口戦略は持っていない。最後の最後まで戦う公算が最も高い」と述べた。
カダフィ大佐は、石油ターミナルのある東部の町ブレガに地上と空から攻撃。反体制派とカダフィ派は、一般市民や各部族も巻き込み、長期戦に向けた準備を進めている。
<ソマリアの二の舞にも>
Gerges氏は「過去48時間でカダフィ氏は最初のショックを吸収したように見える。限られた支持母体を結集しており、カダフィ政権は長期戦に備えつつある。彼には戦うのに十分な兵力と資金力がある」と指摘する。
仮にリビアの大部分を掌握できなくなったとしても、カダフィ大佐は権力を放棄するよりむしろ、国家が分断したソマリアのような状態を選ぶというのが専門家の見立てだ。
ロンドンを拠点とするアルジェリア出身の法律家、Saad Djebbar氏は「カダフィ氏の狙いは混乱を作りだし、国を内戦状態もしくは、無政府状態で分断されたソマリア化に持ち込むことだ」と指摘。混迷の度合いが深まれば深まるほど、カダフィ大佐の思うつぼだとの見方を示した。
<部族間の対立>
エジプトやチュニジアでは、絶大な権力を持つ軍幹部が政変の幕引きを行い、ムバラク前大統領やベンアリ前大統領は辞任に追い込まれた。しかし、リビアの状況はより不透明で、複雑な部族間の権力構造が今後の展開を左右する可能性がある。
カダフィ大佐は、自身の出身部族であるカダドゥファ族などが率いる軍部隊を編成。また、重要な地位の多くもカダドゥファ族が牛耳っている。
Djebbar氏は「カダフィ氏の部隊は筋金入りの忠誠心を持つ。カダフィ氏にとってイデオロギーよりも重要な血縁や親族関係によって結ばれており、特殊部隊を率いているのは息子カミスだ」と述べた。
カダフィ大佐をよく知る人たちによれば、カダフィ大佐は絶対的な権力を持つただ1人の意思決定権者であり、息子たちにさえ権力を移譲しないという。
現時点では、カダフィ派と反体制派の勢力は均衡しているように見える。カダフィ派は首都トリポリとその周辺のほか、カダフィ大佐の出身地シルトを掌握しおり、反体制派はベンガジやミスラタ、ザウィヤなどを制圧している。
ケンブリッジ大の中東問題専門家、ジョージ・ジョフィ氏は「カダフィ氏はあきらめていない。ブレガに仕掛けた攻撃は、今後も続けることの意思表示だ」と語った。
<ベネズエラ大統領の和平案>
ベネズエラのチャベス大統領がリビアの混乱収拾に向け、国際委員会を派遣して政府と反体制派が協議するなどの和平案を提示した。ベネズエラ政府は3日、リビア政府が和平提案を受け入れたとし、アラブ連盟のムーサ事務局長も「検討中だ」と述べた。
しかし、エネルギー関連のアナリストらは、この和平案が問題の解決につながる可能性は低いとみている。米外交問題評議会のジョエル・ハースト研究員は、チャベス氏は明らかにカダフィ氏寄りであるため、アラブ同盟や国連が和平案に同意するかは不透明だとの見方を示している。
また、コメルツバンクのアナリスト、カルステン・フリッチュ氏は、反体制派がカダフィ氏との交渉のテーブルに着く可能性はないとし、チャベス氏の和平交渉が機能する見込みは低いと指摘している。
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