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http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110301k0000m030082000c.html
北アフリカ・リビアの騒乱は、反政府勢力が地中海沿岸部の大部分を制圧し、最高指導者・カダフィ大佐が「最後の拠点」とする首都トリポリへの包囲網を縮めている。反政府勢力はリビアの基幹産業である石油関連施設を次々と掌握し、ライフライン(生活に必須のインフラ設備)も握りつつある。大佐支持派は形勢逆転を狙って反撃を準備しており、大混乱が起きる可能性もある。【カイロ大前仁】
人口が集中する沿岸部で28日現在、政府が確実に押さえている都市はトリポリのみ。首都でも、抗議デモを弾圧された郊外タジューラ地区では住民がバリケードを作り、治安当局が立ち入れない状態で、体制崩壊の兆しが見え始めた。カダフィ大佐の出身地であるシルトでも、反政府勢力の支配地域が広がっているという。
リビア第2の都市ベンガジで15日に始まった反政府デモは、一両日のうちに他の4都市に広がった。治安部隊が武力でデモ隊を排除したことが反感を呼び、ベンガジやトブルクは20日までに反政府勢力が占拠。東部一帯はもともと反カダフィ感情が強く、次々と「陥落」した。
抗議の波は西部にも広がり、反政府勢力は24日までにズワラの実権を握った。ミスラタやアズザウィーヤは政府軍から度重なる反撃を受けながらも、反政府勢力が支配を固めている。多くの都市で軍や警察の一部が住民側につき、政府軍と対峙(たいじ)する武力を与えた。
一方、リビア南部は砂漠地帯で人口が少なく、「戦況」へ与える影響は小さい。ただし、カダフィ大佐の出身部族カダファは南部が拠点で、臨時政府の発足を宣言したアブドルジャリル前法相は「カダフィ後」の国内融和を考慮して、同部族の取り込みを始めた。
アフリカ最大の原油埋蔵量を誇るリビアは通常、世界総生産2%の原油を生産するが、先週から原油輸出が全面的に止まっていた。反政府勢力は南部の主要油田、マルサエルブレガやアズザウィーヤなどの積み出し港を支配下に置いたことから、トブルクの船舶会社の社長は27日に同港で輸出が再開し、正常化が始まったと強調する。
追い詰められるカダフィ大佐は27日、セルビアのテレビ局との電話会見で改めて徹底抗戦を訴えた。だが、エジプトの軍事問題専門家、ハッサン・アルメダニー氏は、政府側が数日程度しか持ちこたえられず、「(大佐は)逃走する」との見方を示す。一時はベネズエラへの亡命情報も流れたが、国連安保理が大佐と側近の「人道に対する罪」を国際刑事裁判所(ICC)に付託したことから、受け入れ先が見つからない可能性が大きい。
カダフィ支持派が「最後の反撃」に出る恐れも浮上している。ロイター通信によると、アズザウィーヤの反政府勢力は28日、カダフィ支持派の軍や民兵約2000人が町を包囲し、「間もなく攻撃を仕掛けてくるだろう」と語った。ミスラタでは、反政府勢力が軍用機を撃墜したとの情報がある一方で、中東の衛星テレビ・アルアラビーヤは政府軍のヘリコプターが地元ラジオ局を攻撃したと伝えた。反政府勢力は高性能の武器を持たないので、大規模な攻撃を受けた場合、多くの犠牲者が出る懸念が強まっている。
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