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http://mainichi.jp/select/world/news/20110223k0000e030006000c.html
【カイロ伊藤智永】41年続いた独裁体制崩壊の縁にいるリビアの最高指導者、カダフィ大佐(68)が22日夜(日本時間23日未明)、国営テレビで行った演説は、独特の言い回しで強気を装う半面、焦りもうかがえた。
「最後の血の一滴まで戦う。必要なら武力も使う。(中国の)天安門事件のようにデモ隊をたたきつぶす」
「私は超大国の圧力を認めず、欧米諸国と戦ってきた。決して屈服しない。アフリカのすべての国々が、リビアを仰ぎ見ている」
国際社会の包囲網を意識しているのは疑いない。協議が始まった国連安保理では、中国にかばってほしいというシグナルだろう。
「(市民が制圧した東部の)ベンガジで起きたのはテロだ。背後に外国の手先、イスラム原理主義者がいる。デモ隊の若者は、悪魔に仕える覚醒剤中毒者だ。死刑だ。私を愛する者たちは、通りを奪還し、解放せよ」
「リビアに栄光をもたらしてきたのは私だ。リビアは今も我々の手中にある。私は革命指導者で、大統領ではない。ポストに就いていないので、辞めることなどあり得ない」
支離滅裂な悪口雑言、子供じみた理屈に、自己愛への固執と名誉への虚勢が混じる。
「我々はここにとどまる。最後は殉教者としてこの地で死ぬ」
権力者の最期のイメージも頭をよぎるらしい。演説で地方自治制度の改革を約束したのは、各地の有力部族に予算と権限を渡すのと引き換えに、最後の支持を集め、さらには首都を脱出する時の逃亡先を確保しておきたい思惑ものぞく。
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