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http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=909
1月25日、アムネスティ・インターナショナルとフレンズ・オブ・ジ・アース・インターナショナルは石油最大手のシェル社に対し、経済協力開発機構(OECD)が規定する事業責任の基本的基準に違反しているとして申立てを行った。
両団体は、ナイジャー・デルタにおける原油掘削作業で起きた汚染の原因を妨害工作をした者に大半の責任があるとした、信憑性のない不当な情報をシェル社が発表したことは、OECD多国籍企業行動指針に違反すると主張している。申立ては、英国およびオランダ政府のOECD連絡窓口に提出された。
1月26日にシェル社は、ナイジェリアでの同社の行動に関するオランダ議会の聴聞中、環境および人権に及ぼす影響について徹底的に追及されることになる。
1990 年代の中頃、シェル社はナイジャー・デルタで発生した原油汚染の原因は、ほぼ同社の過失であったと認めた。しかし現在同社は、原油流出のほとんどの問題は、地域住民や犯罪者の破壊活動が原因だと主張し、ほぼ98%の原油漏れは妨害行為によるとして、このような不当な数字を用い、責任を転嫁している。
ナイジャー・デルタにおける破壊活動(サボタージュ)が問題とされる中、アムネスティおよびフレンズ・オブ・ジ・アースは、環境団体や地域住民から強い批判を浴びているシェル社に、同社が用いている破壊活動に関する数字の根拠を説明するよう繰り返し要求している。ナイジェリア法では、流出が破壊活動の結果生じたと判断された場合、シェル社には、住民やその生活に対する損害賠償の法的義務は生じないことになっている。
「シェル社の数字は完全に信頼性に欠けています」とアムネスティのオードリー・ゴーグランは述べた。「いたる所に拡大している原油汚染は、ナイジャー・デルタの石油産業による掘削作業を原因とした、重要な問題です。しかし、原油流出を調査する体制は完全に自主性を欠いています。」
フレンズ・オブ・ジ・アース、およびアムネスティの両組織は、流出の原因を公的に決定する際、多くの場合、石油会社が著しい影響力を持っていることを認識している。
フレンズ・オブ・ジ・アース・ナイジェリアの理事、およフレンズ・オブ・ジ・アース・インターナショナル代表のニンモ・バッスイは、「私たちは、定期的に流出のモニター記録を行っていますが、私たちのモニター記録とシェル社が発表する情報は頻繁に食い違っています。ナイジャー・デルタにおける原油流出の責任の大半は石油会社、とくにシェル社にあることを示すいくつかの調査結果もあります。シェル社は、流出の責任をとり、我が国で発生させた原油汚染の浄化作業をすべきです」と述べた。
度重なる要求にも関わらず、シェル社は自社が公表した数字の根拠およびデータの収集方法について、これまで一度も明確に説明したことがない。さらに、アムネスティおよびフレンズ・オブ・ジ・アースは、シェル社が流出原因を破壊活動であると主張した事例を記録しているが、以後その主張は、他の調査や裁判所で疑問視されている。
2009年、シェル社は原油流出の原因に関して公表した、不当な情報を訂正せざるを得ない状況に追い込まれた。2008年に流出した原油の85%は破壊活動が原因であると繰り返し主張した後、同社はその数字が50%に近いと発表した。85%または50%の数値のいずれもその根拠が適切に説明されていない。しかも、85%という数字が一般に広がった結果生じた間違った印象を同社が是正することはほとんどなかった。
ナイジャー・デルタでの半世紀以上におよぶシェル社の原油掘削作業は、数千回の原油流出により、環境破壊という悲惨な遺産を残した。人びとが漁業や飲料水として使う水源が原油で汚染されただけでなく、農地や作物も壊滅的な打撃を受けている。
原油流出の原因に関するデータの誤用、およびシェル社や政府による公正で信頼性のある調査の不履行は、被害を受けた地域住民に対する正当性や補償義務を否定し、人権侵害を慢性化させている。
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http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=2616
アムネスティ発表国際ニュース
2011年1月25日
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