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エジプトを30年の長きにわたり統治してきたムバラク大統領。その退任を求める反政府デモがエジプト全土に拡大した。ムバラク大統領は閣僚の交代を打ち出すも自らの政権継続の姿勢を示し、退任を拒絶している。
AFPによると、反政府デモが激化した直近の2日間、街頭から警察官の姿が消えていたが、ムバラク大統領は警察官らに現場に戻って治安維持あたるよう指示した。またCNNによると、30日には、カイロのほかアレクサンドリアやスエズで、夜間外出禁止令の時間が午後3時から翌朝の午前8時までに延長されたという。携帯電話やインターネットの接続が復旧したとみられる一方で、情報当局が30日、アルジャジーラ(カタールの衛星テレビ局)の放送免許を取り消したとの情報もある。
当局の夜間外出禁止令を無視して市民は広場などにとどまり、30日夜にかけてもムバラク大統領退陣を求めるデモを続けた。その夜、首都カイロ中心部のタハリール広場にエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長が姿を見せて演説し「新たな時代の始まり」と訴えた。
エルバラダイ氏は、「われわれの要求はただひとつ、政権退陣と新たな時代の始まりだ」(CNN)、「全てのエジプト人が自由と尊厳のもとに生きる新しいエジプトの始まりだ」(AFP)と力説、「われわれは正しい道の途上にある。(反政府デモを支持する人の)巨大な数こそが、われわれの力だ」(同)、「変化が訪れるまで、もう少しの辛抱だ」と訴えた。
AFPによると同氏は、野党や穏健派のイスラム原理主義組織、ムスリム同胞団などから支持を得ており、ムバラク大統領との交渉役としての期待が高まっているようだ。CNNは、30日のデモは総じて平和的なムードで実施され、お祭り気分の参加者らが会場に展開する軍兵士と記念撮影をする場面もみられたなどと報じてもいる。関連してCNNは、<警察に代わって治安維持に乗り出した軍が、ムバラク大統領への忠誠を貫くかどうかが、今後の展開のカギを握るとの見方もある>と報じてもいるが、わかりにくいのは米国の態度だ。
<カイロの米国大使館が出国を希望する米国民の救援を発表>とか、<トルコが退避用の旅客機2機を送り込む>といった各国政府の動きを伝える情報が先行しがちで、さらに混乱を拡大させる要因ともなっている。
おさえておきたいのは、専制に目をつぶって援助を続けてきた米国は、ムバラク大統領との距離をどうとるのか、である。
この点について、西日本新聞が30日付の社説でわかりやすく整理している。<注目されるのは米国の姿勢だ。エジプトは79年にイスラエルと平和条約を結んでおり、中東和平ではイスラエルとパレスチナやアラブ諸国の仲介役的存在だ。ムバラク政権はこの地域で米国の頼りになるパートナーであり、米国は専制には目をつぶって多額の援助を続けてきた。米国は民主化要求に理解を示しながらも、これを契機にエジプトで反米色の強いイスラム勢力が台頭し、中東全体の不安定化につながることを懸念している>。
この視点から同社説は、米政権に対して<米国にとっても難しい局面だろうが、流血の混乱を回避し、民衆の願いを実現するため、責任のある行動が求められる>と提言している。
そのとおりだと思う。そういう視点からオバマ米政権のムバラク政権との<距離のとり方>をウォッチしていく必要があろう。それがアフガン、イラク、そしてパレスチナという地球上の深刻な問題と米国が今後どのようにかかわろうとしているかに、大きくかかわってくる。
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