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産経新聞 1月15日(土)9時59分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110115-00000513-san-int
【ハルツーム=大内清】大規模な反政府デモが続いている北アフリカの国、チュニジアのベンアリ大統領(74)が14日に出国、ガンヌーシ首相が暫定大統領に就任した。ガンヌーシ氏がテレビ演説で発表した。親欧米的な経済運営を行う一方、23年間にわたり強権支配を敷いてきたベンアリ政権は崩壊した。
ガンヌーシ氏は演説で国民に連帯を呼びかけた。中東の衛星テレビ、アルジャジーラは15日、ベンアリ大統領が、サウジアラビア西部ジッダに到着したと報じた。
チュニジアでは昨年12月、中部シディブジッドで警察の取り締まりに抗議する若者が焼身自殺を図ったことなどをきっかけに、高失業率や物価上昇に不満を抱く市民のデモや暴動が拡大。ベンアリ政権の退陣要求に発展していた。
ベンアリ大統領は今月13日の演説で、2014年の大統領選に再出馬しないことや、言論の自由の拡大や民主化の進展を約束し事態の収拾を図った。しかし、14日も多数の市民が大統領の即時退陣を求めて首都チュニスの内務省付近に結集、治安部隊との衝突を繰り返した。同日夜、全土に非常事態宣言と夜間外出禁止令が出されたが、統制がとれない状態となっていた。
過去1カ月の暴動では、当局は23人が死亡したと発表したが、人権団体の調べでは、60人以上が犠牲になったという。
軍部出身のベンアリ氏は1987年11月に大統領に就任。ブルギバ前大統領が創設した「終身大統領」の称号を廃して任期を3期までに制限し民主化を進める姿勢を示した。しかしその後、再選規定を改正して2009年には5選を果たしており、国民の間には高失業率などと相まって失望感が蔓延(まんえん)していた。
アラブ諸国ではエジプトのムバラク大統領が約30年、スーダンのバシル大統領が20年余にわたり権力を握るなど、独裁的な長期政権が多く、今回のチュニジアの政変が波及することへの警戒感も広がりそうだ。
在チュニジア日本大使館は、在留邦人186人(昨年10月時点)の安否確認を急いでいる。暴動やデモで邦人の負傷者はいないもよう。チュニスやその近郊には、日本からの観光客少なくとも約130人が滞在しているが、足止め状態となっている。
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