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ロシア/日本
記事発表:2010年12月25日
最終更新:2010年12月25日
ロシアは日本に、千島列島での自由貿易圏創設を提案する
RFI
ディミトリ・メドベージェフ露大統領は、2010年12月24日金曜日、日本が領有権を主張する千島列島について、ロシアがこれを手放すことはないと、繰り返し表明した。しかしその一方で、同大統領は日本政府に、この地域に自由貿易圏を創設することを提案した。国家主権に係わるこのデリケートな問題をめぐる、日露二国間の消極的な姿勢を考慮したとき、この提案が拒否されるのは確実だ。
千島は65年間、日露両政府の関係において、いわば踵にささったトゲだ。日本人は普通なら、これから全てが好転し、ロシア人がよりよい感情を取り戻し始め、自分たちが「北方領土」と呼ぶ島々の返還に動き出すと信じる。「北方領土」とは、カムチャツカ半島から北海道に連なる、列島の終端部にある4島のことで、日本列島の端のさらに端に位置し、平和条約が正式に結ばれることによって全てが決着に向かう。
理解しなければならないのは、政権の都合で、クレムリンの吐く息は暑くなったり冷たくなったりすることだ。また、方向によっては、日本政府に希望を抱かせるような、一種の曖昧さが表明される可能性がある。ただ、今回はそうならない。ロシア政府には、経済連携協定のおまけとして交渉を検討する可能性はあるが、領土問題でわずかでも譲歩する余地はない。
11月初め、メドベージェフ氏は露大統領として初めて現地に行ったことは、強調されなければならない。そのときは、この行程について、連邦内の一州への普通の訪問であると発表された。千島に対するロシアの主権を繰り返し表明することにより、ディミトリ・ メドベージェフ氏は、国家主義ロシアの頂点に立つ者として、2012年の大統領選挙を見据えて、例えば、ウラジミール・プーチン氏に立ち向かうよう位置決めをしていることも、強調されるべきだ。プーチン氏は、このようなロシアの頂点に到達したことはまだない。
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(投稿者より)
12月24日、メドベージェフ露大統領がテレビのインタビューに答えて、日露関係・領土問題について語ったことを伝えた、フランスRFIサイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦ください。
この記事が伝えた内容について、産経新聞が伝えていますので、その記事を下に付しておきます。
さらに、同じ内容について、「ロシアの声」が伝えていますので、その下に付しておきます。
この記事ではプーチン首相についての言及がありましたが、12月17日に、やはりテレビで国民との直接対話を行っています。この記事も、そのさらに下に付しておきます。これも「ロシアの声」が伝えたものです。
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(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/101224/erp1012242010006-n1.htm
露大統領「北方四島すべてロシア領」 自由経済圏の創設提案
2010.12.24 23:05
【モスクワ=遠藤良介】ロシアのメドベージェフ大統領は24日、政府系テレビ3局のインタビュー生番組に出演し、日本の北方四島を指す南クリール諸島は「全てロシア領だ」と述べた。また、日本は「ロシアとクリール諸島(千島列島と北方四島)に関する理解を変えるべきだ」とし、北方領土に日本との「自由経済圏」や「自由貿易圏」を創設することを提案した。
ロシアが日本との領土交渉には応じず、四島での共同経済活動を持ちかけて主権問題を棚上げする思惑であることが鮮明になった。
メドベージェフ大統領は11月1日、旧ソ連・ロシアの国家指導者として初めて国後島を訪問した。この際、日ソ共同宣言(1956年)が平和条約締結後に引き渡すとした色丹島や歯舞群島は訪れなかったため、一部には大統領が同宣言に基づく「2島引き渡し」での決着を意識しているとの観測も出ていた。
しかし、24日に一斉放映された番組では、クリール諸島の中でも初めて北方四島(南クリール諸島)を特定し、「全ての島はロシア領だ」と言明。「われわれは必要な決定をし、クリールを開発せねばならない」と述べ、自身や閣僚の北方領土訪問を正当化した。
一方、メドベージェフ大統領が北方領土の共同経済活動に直接言及したのも初めて。日本外交筋によると、具体的内容は不明ながら、北方四島について「自由経済圏」や「自由貿易圏」との表現を使った露大統領は過去にいないとみられる。
メドベージェフ大統領は「(北方領土に)特別なミクロ環境ができ、人々が働きに来る。日本国民もやって来て、歴史的な場所を訪れたり働いたりする」と構想を語る一方、日本との経済協力は「われわれがクリール諸島を放棄しなければならないということを意味しない」と述べた。
共同経済活動をめぐっては1998年、当時のエリツィン大統領と小渕恵三首相の合意により、両国間の国境画定委員会と並んで共同経済活動委員会が設けられたことがある。ただ、共同経済活動には常に四島の主権をめぐる問題がつきまとい、「法的立場を侵害しない形での共同活動」を見いだせないまま委員会の活動は頓挫した。
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(ロシアの声)
http://japanese.ruvr.ru/2010/12/24/37677056.html
http://japanese.ruvr.ru/2010/12/24/37680246.html
露大統領との1年の総括−日本との協力とクリル諸島(@、A)
24.12.2010, 17:10
24.12.2010, 18:45
メドヴェージェフ露大統領はこの1年を総括する番組に生出演した中で、「ロシアは日本と協力する用意がある。しかし共同での経済プロジェクトのために南クリル諸島を手放す用意はない」との声明を表した。
大統領は、国後島訪問後の日本の反応をまったく冷静に受け止めているとし、日本側が同訪問に多くの意味を与えすぎているとの見解を示した。
大統領はまた、日本側が同訪問後に駐露大使を呼び戻したことに心から遺憾の意を表し、クリル諸島訪問の目的は大使の召還ではなかったことを保障した。
メドヴェージェフ露大統領は「クリル諸島の全ての島はロシア連邦の領土である。これはわれわれの領土だ」との声明を表し、日本側に対し「ロシアとクリル諸島に対する認識を再検討する」よう要請、ロシアの同地域に積極的に経済やビジネス分野で協力するよう、日本政府と実業界に提案した。
大統領は日本に対し、クリル諸島に自由経済圏、自由貿易圏を創設するよう提案し、「ここで資金を稼げるようになれば、ここに人々が働きにやってくるだろうし、また日本国民も訪れるようになるだろう」と述べた。
大統領は、11月に横浜で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に日本の菅直人首相と会談し、首相をロシアに招待した際に、経済的な展望に関するロシア側のこのようなアプローチを伝えている。
また大統領は、自身の国後島訪問に関して、「大統領は同地へ行くことができる。私の前に誰も訪れなかったのは、この地が遠いためだろう。しかしそうであっても、これはわれわれの領土だ」と述べた。
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(ロシアの声)
http://japanese.ruvr.ru/2010/12/17/37080777.html
http://japanese.ruvr.ru/2010/12/17/37081866.html
プーチン首相の国民直接対話を振り返って(@、A)
イリヤ・ハルラモフ
17.12.2010, 15:37
17.12.2010, 15:24
プーチン首相の9回目となる国民直接対話は16日に実施され、その模様は生中継された。首相宛に寄せられた質問の数は二百万件を越え、4時間半の間、90人もの市民の質問に応じた。
プーチン首相はロシア経済の行方について「2012年前半には、危機前の水準にまで回復するだろう」との見方を示し、その根拠として「現在、工業生産の伸びが見られ、銀行システムがしっかりと活動し、百万を越える雇用が生み出されている事」を挙げ「国民の実質賃金や社会手当ての引き上げも可能になる」と述べ「今年、ロシア人の年金額がほぼ二倍に増える見込みである」点を強調した。
今回の直接対話ではまず、つい先日モスクワ及びその他の地域で発生した若者達による騒乱事件に対する質問が文字通り殺到した。首相は、治安維持諸機関に対し、法律の枠内でできる限りきちんと秩序を確立するよう強く求め、次のように続けた―
「過激主義が、それがどのようなものであっても、あらゆるところから、そうしたものが生まれ出ないようにしなくてはならない。何人も一色で塗り込めるような事をしてはならないが、いかなる過激主義の現れもそれを厳しく阻止する必要がある。皆、秩序はあるべきであり、それを維持すべきだと感じている。国家は、大多数の人々の利益を保証するため、存在している。」
またプーチン首相は、ウクライナ及びCIS諸国との相互関係についても触れた―
「ロシア・ベラルーシ・カザフスタン三カ国が関税同盟を創設し、将来的に統一経済圏を形成すると決めた事は、必要不可欠で全く当然の措置である。これは最終的に、より安く質のよい製品を手にしサービスを受けられる事につながり、国民にとっても国の経済にとっても、プラスになるだろう。もし様々な形で、ウクライナがこうした統合プロセスに加わるならば、ウクライナ経済のあらゆる領域全体を維持する強力な刺激となるだろうし、我々の多くの企業の競争力を高める助けになるだろう。だがこれは、ウクライナ国民とその指導部が自分達で決める事だ。」
直接対話では、現在刑期を努めているロシアの石油企業ユコスの元オーナー・ミハイル・ホドロコフスキー氏についても、首相は、イルクーツクの一市民の質問に率直に答えた―
「ロシア映画の伝統的ヒーローの台詞を借りれば『盗人は刑務所に入っていなくてはならない』、まずそう言える。彼は、横領・使い込みの罪で収監されている。おまけに罪はかなり重く、脱税・詐欺の罪を犯している。その額は、何十億ルーブルにも達する。又彼個人としても、税金逃れをしており、これの重大だ。」首相は、他の国々の例として、2008年12月に詐欺罪でFBIにより逮捕され、禁固150年を言い渡された米人実業家バーナード・マドフ氏を挙げた。氏は、史上最大の詐欺事件の犯人として知られる。
さらにプーチン首相は、2014年にロシアが冬季五輪開催地に又18年にサッカー・ワールドカップ開催国となった事について「ロシア・ヨーロッパ部の経済発展にとって強力な梃子になるだろう」との期待感を明らかにした。
なおプーチン首相には、日本からも多くの質問が寄せられた。
ロシアの声を通じて、ウラジーミル・プーチン首相には日本からの質問が30個以上伝えられた。ロシアの声のスタッフは、日本から日本語で寄せられた全ての質問をロシア語に翻訳したうえで、プーチン首相に伝えた。
日本からの質問のなかでは、北方領土問題に対するプーチン首相の姿勢を問うものが多くあったが、そのほかにもプーチン首相がすでに長く取り組んでいる柔道についての質問や、プーチン首相の和食の好き嫌いなどについての質問が見られた。また日本からの質問のなかでは、様々な問題に対する日本の人々の意見も述べられていた。
日本からの質問は、国民との対話の生中継中に、プーチン首相の手元に届けられた。プーチン首相は、日本から寄せられた質問の数の多さに驚いたようだが、それに対する答えは簡潔なものとなった。
―日本からとてもたくさんの質問が届いている。どうしてこれほど多くの質問が届いたのか知らないが、クリル諸島についての質問、和食についての質問、柔道に関する質問などがある。私は柔道が好きであり、和食も好きだ。しかし答えとしては以上にとどめたいと思う。
恐らくプーチン首相に質問を送った人たちは、そのような短い答えにがっかりしたかもしれない。しかし一方で、200万人以上の人々がプーチン首相に質問をしていたことを考えれば、一つ一つの質問に詳しく答えることができなかったのは当然だろう。
少なくとも今回の質問を通してプーチン首相は、日本の人々がどのようなことに関心があり、プーチン首相についてどのように考えているのかについて、おおよその理解を深めたことだろう。
今後もさまざまな行動を通じて、日本の人々から寄せられた質問に答えていくに違いない。
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