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【ニューヨーク山科武司、カイロ和田浩明】レバノン情勢が緊迫の度を増している。05年のラフィク・ハリリ元首相暗殺事件を審理する国連特別法廷がイスラム教シーア派組織ヒズボラの関係者を訴追する観測が強まり、ヒズボラや後ろ盾のイランやシリアが批判を強化。ヒズボラが閣僚引き揚げなどの強硬策に出れば宗派間紛争が再燃しかねない。米国は「レバノンの主権が脅かされている」と警告、国連も「極めて危険」と懸念している。
ヒズボラの最高指導者ナスララ師は先月28日、特別法廷の捜査のボイコットを呼びかけた。前日に首都ベイルートで、同法廷調査官の捜査をヒズボラ幹部の女性親族らが妨害したばかり。同師は「提供情報は(ヒズボラと敵対する)イスラエルに渡る」と主張した。
ハリリ氏暗殺ではシリアと関係が深いとされるレバノン治安当局幹部4人が拘束されたが、シリアは関与を否定。09年4月に「証拠不十分」で全員が釈放された。しかし、今年7月にナスララ師がヒズボラ関係者の訴追可能性を暴露、特別法廷を攻撃し始めた。
イランやシリアの支援でレバノン国軍以上の軍事力を持つとされるヒズボラは、閣僚や国会議員も擁する。「年末から年初」(中東外交筋)にもヒズボラ関係者が訴追される可能性が浮上しており、ヒズボラ支持のシーア派や、シリア・イランと反目するスンニ派などの間で武力衝突が懸念されている。
アフマディネジャド・イラン大統領は先月13、14日のレバノン訪問で、ヒズボラ関与の疑惑は「でっち上げだ」と反発。シリアのアサド大統領も先月26日付の汎アラブ紙「アルハヤト」で「(訴追は)レバノンを破壊しかねない」と警告した。
米国は核問題でイラン孤立化を狙っているが、ハリリ元首相の息子サード・ハリリ首相が最近、親シリア・イラン姿勢を目立たせており、いら立ちを強めている。米連邦議会の親イスラエル議員は、米政府がテロ組織と認定するヒズボラへの流出を恐れ、レバノン国軍への武器供与を凍結した。米政府のレバノンへの影響力回復は容易でない。
国連安保理は先月28日、レバノンに関する非公開協議を開催。ライス米大使は「レバノン分断を図っている」とヒズボラ、シリア、イランを指弾。ヒズボラなど民兵組織の武装解除を求めた安保理決議(04年)の履行を検証する国連のラーセン特別代表は「むしろ武装を強化しており極めて危険」と述べた。
ハリリ首相が属するイスラム教スンニ派が主体のサウジアラビア・アブドラ国王は7月にシリアのアサド大統領とレバノンを初めて共同訪問。先月にはリヤドで会談し、レバノンでの宗派間の緊張緩和と、イランの影響力へのけん制を図った。
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