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http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20101001/ecn1010011621007-n1.htm
「史上最悪の事故」となった米南部メキシコ湾の原油流出事故。国際石油資本の英BPが海底油田の封じ込め作戦を9月に完了、今後は汚染除去や補償問題などにシフトしていく。これを機に、深海油田開発への世界的な規制強化が予想されるが、何より驚異なのは、BPの凋落でエネルギーの世界でも中国が勢力を拡大し、日本の商社が事業戦略の再考を迫られることだ。
今回の事故をめぐっては、事故が起きた油田の10%の権益を持つ三井物産の子会社、三井石油開発(東京)が、BPから5〜6月分の事故対策費として総額4億7900万ドル(約400億円)の負担を要求されている。これに対し、物産側は事故原因が明らかになっていないとして支払いを保留する一方、油田からの収益が見込めなくなったとして数十億円規模とみられる権益の評価損を今期決算に計上する。
今後の成り行きについては、こんな見方が根強い。「今回の事故に対する米国での関心は高く、(物産のような)権益者も一定の損失負担が必要との論調が根強い。こうした世論の圧力に負け、事故対策費や損害賠償に応じざるを得なくなるだろう」(大手商社エネルギー部門幹部)
さらに、事故の影響は日本の総合商社全体にも波及。各社はエネルギー事業戦略を大きく見直さざるを得なくなる可能性もある。
三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅といった大手はここ10年、原油価格の上昇に伴いエネルギー事業を強化してきた。
「中東などの地上油田や水深20〜30メートルの浅い海底油田などの権益はすでに国営化されていたり、石油メジャーが獲得しているため、日本の商社は手が出せない。そこで、これまであまり手がつけられていなかった深海油田に活路を見いだそうとした」(業界関係者)
その深海油田についても、石油メジャーなどの開発プロジェクトに参画し、コバンザメのように“おこぼれ”をもらう程度のもので、単独での権益獲得案件はほとんどないのが実情だ。
その深海油田の安全性が、今回の事故で大きく揺らいでいる。各国政府が深海油田の採掘認可を出さなくなる可能性が取りざたされており、オバマ米大統領(49)も事故を受け、新たな海底油田開発の許可を一時的に凍結した。
今後、安全面でさらなる規制が求められると、現在でも最低100億円規模とされる油田開発のコストはさらに増え、日本の商社が関与できるプロジェクトが減少する可能性がある。
また、事故で集中砲火を浴びているBPについては「事故対策費を捻出するため、資産売却を進めており、企業規模や影響力の低下は避けられない」(証券アナリスト)とみられる。
日本の商社にとって、BPはエクソンモービルと並んでプロジェクトで連携するケースが多い石油メジャー。BPの地盤沈下は「日本の商社の権益確保にはマイナスの効果しかない」(同)。
最悪のシナリオは、BPが手放した権益などの資産が中国石油化工集団(シノペックグループ)などに渡ること。欧米の石油メジャーに売却されれば、「日本勢がプロジェクトに参画するチャンスは残るが、中国勢となればその可能性はほぼゼロになる」(シンクタンク研究員)からだ。
そうなれば、商社が強化してきた石油事業の競争力も大きく後退することになる。
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