03. 2010年10月22日 21:59:26: sNdrwBpvYc
めむめむさん、wikipediaであれ何であれ、論評する際には自分なりに 疑問をとことん調べるべきですよ。wikipediaは、自分で項目を作ったり、既存の項目に不満や不備を感じて 自分なりに追加執筆する、ということで成立している「事典」です。 基本的にはネットユーザの圧倒的多数派である一般大衆が作りだしている「事典」です。 それゆえ、各言語のwikipediaをみれば、その(使用言語で括るべき)「民族」の 民度なり教養の程度もわかります。日本語版wikipediaで非常に目立つのは、 アニメやゲームなどのオタクネタの項目が圧倒的に多いし、その内容も充実 しているということです。これはこれで良いことなのでしょうが、それ以外の、 広い社会の現実に目を向けた項目や、文学や科学の分野の項目の貧弱ぶりは 目を覆うべきものがあります。 この現代日本人に顕著な「民族的」教養の 貧弱ぶりは、wikipediaよりも、新聞や代表的雑誌(特に週刊誌)のゴミぶり をみれば歴然としています。ドイツの『シュピーゲル』や英国の『エコノミスト』 等々の、一般教養層も読む雑誌の充実ぶりと比べると週刊文春や週刊新潮などの クソぶりは明らかです。 話題をwikipediaに戻しますと、特定個人についての項目には、シロウトが 自由に執筆編集できるので、ウソや誹謗中傷などの記述が無視できない場合も ありますから、項目に挙がったご本人がせっせと執筆している場合もあるわけです。 有名な事例としてはアスキー創立社長だった西さんの例があります。他人による 記述に我慢がならず、自分で書いたわけです。こういう事例は、マスコミで 名を売ったタレントさんにも多いと思います。過去の業績(出演作)などが 網羅的に記述されていますが、これは(ストーカー的なマニアが記述者であれば 可能でしょうが)本人なり所属プロでなければ到底記述できないわけです。 リチャード・コシミズのwikipedia記述については、彼本人かとりまきの「党員」 が書いたものだと推測できます。なにしろ客観的・第三者的な記述ではなく、 wikipediaの「リチャード・コシミズ」の項目自体が、彼の主張を宣伝するばかりの アジビラの如き存在になっているからです。しかもその主張の信頼性について 検証可能な論拠が示されていまいわけで、きびしい言い方をすれば「自分の妄想 を書き連ねたもの」だと批判されても仕方がないネット文書だからです。 ところで、すでに書いたように日本のwikipediaには、現実社会、とりわけ日本国外 の社会の歴史や現状を向き合った事項については、浅薄な記述で済まされている 場合も多いし、これはしょうがないことですが外国の文化において基本的な教養 に属する事項について、日本語版wikipediaには項目自体が存在していないことも あります。 ハロルド・ルイスの項目が日本語版に存在していないのは、推察するに、 これに興味を持って英語版wikipediaからわざわざ翻訳して日本語版を作る、 という労力に、価値を感じた日本人がこれまでいなかったということでしょう。 あなたがハロルド・ルイスの日本語版項目の必要性を痛感しているなら、 それはとりあえずあなたがやるべき課題であり、使命でしょう。 私の推測では、wikipedia日本語版の「リチャード・コシミズ」項目が 自費出版のトンデモ本みたいに、分量的にはかなり大部なのに、論拠なしの 記述が延々と続くような記述になっているのは、輿水本人か、その取り巻きが 書いたからでしょうし、ハロルド・ルイスの項目がないのは、単純に、それに 強い関心をもち、使命感に突き動かされて日本語版の項目を立てて翻訳記述する 人がこれまでいなかったからだ、というものです。 wikipediaは編集執筆が誰でもできるので、組織的・陰謀的な思惑で、編集を 行なう者は多いわけです。欧米や日本の政府機関や企業や民間団体(カルト 教団を含む)が、自分に都合の悪い記述を削除して、自己正当化や自己宣伝の 記述を追加することは日常茶飯に行なわれており、時々マスコミに報道されたりも しています。特定項目における特定の記述内容を、誰かが削除すると、別の誰かが 再び書き加え、それがまた削除され……という繰り返しは、「編集合戦」という 言葉を生み、こうしたwikipediaをめぐる参加者たちの衝突は珍しいことでは ありません。 しかし、これらの現象は、wikipediaの主催者が問題なのではなく、それに 匿名のまま自由に参加できる執筆者大衆の問題なのです。 このあたりの現実を見誤って、あたかもwikipediaの主催者自体が無数の 記述項目について陰謀的な編集やら情報操作を行なっている、などと 考えれば、それは荒唐無稽で非現実的なパラノイアになってしまいます。 しかし実際は、そんな静的な「陰謀論」が通用するほどお目出度い状況 ではなく、もっとダイナミックな状況なのです。 |