http://www.asyura2.com/10/idletalk39/msg/877.html
Tweet |
日本国内における内部告発の現状は、たとえ正義のために事実を述べたとしても、それはただの裏切り者による反逆行為とされるだけだということだ。それで日本はいつまでも閉鎖的であり、進歩がない。日本で、いじめがはびこり、天下り汚職が蔓延し、いつまでも旧態依然の政治体制が維持され、完了腐敗が温存されているのもこういう背景があるからである。そもそも日本は本当の意味での民主主義国家ではなく、また一般庶民も、民主主義の意味を理解していない。民主主義というのは、民主主義活動をしなければ、意味がなく、ただ退廃するだけである。すべて権力者の意向のままに服従するだけの生活なら、それは民主主義ではない。もちろん民主主義には、それなりの厳しさがあり、各個人の努力を必要とする。上の決定とか命令ではなく、各個人の決定、意思表示、行動が必要となる。それを放棄するなら、もはや民主主義ではない。日本国民は、本当に民主主義を求めているのか、それともそれ以外のものを求めているのか、その点が曖昧である。日本文化の背景には、この曖昧さがある。それは争い事を避け、穏便にすませようという知恵でもあるし、ただの妥協でもある。残念ながら、過去の経緯を考慮すると、やはり、習慣に従い、曖昧さ優先の政治となるだろう。要するにそれほど変化を求めていないようだ。争い事を避けるという意味では、それは賢い選択かもしれないが、いつも曖昧さだけでは解決できないこともある。そのかわり、自分の意志や決断を放棄し、どこかの誰かによる権力の命令に従うだけなら、その結果がどうなろうとも、それに対してあれこれ文句を言うべきではない。何もしなかったのは、自分自身であるからだ。やはり島国の日本と、大陸思考の国とでは、基本的な思考パターンが違う。島国では、争い事をする余裕がなく、また大陸では、おとなしくしていると、敵の侵略で滅ぼされるという歴史があった。結論から言えば、日本は、このまま仲良く滅びる道を選んだほうが幸福かもしれない。どうしても変化には犠牲が出るし、対立や争いも避けられない。しかし、内部告発の原動力は、後の推移がどうなるかよりも、まずは、過去に現実に起きたこと、現在進行中の事、そして今後の恐ろしい結果をただそのまま報告したいというだけのことだ。歴史や政治や生活基盤を変えようとか、文化がどうのこうの、未来がどうのこうのではない。現在進行中の不正行為、過去の闇に葬られた事件、悲惨な未来が予測されることの懸念をそのまま誰かに知らせたいというだけのことである。そういうものがないと、問題意識はなく、思考停止状態に陥る。何が起きても、問題であるという自覚がないので、同じことが繰り返されたり、さらにひどいことになる。長い物には巻かれろということで、それを隠蔽していると、今度は、どうしてそれを指摘しなかったのかとか、なぜ公表しなかったのかとか、さんざんの言われようで、どちらにしても犯罪者扱いである。ただ、そういうやりかたも、日本国内だけであれば、いつまでも隠し続けたり、あたかも何も問題がないかのように取り繕うことも可能だったかもしれない。しかし、他国のとの関係とか、世界との複雑な関係があるので、ごまかしきれない。それからもっと日本は、内部告発者の保護をするべきであり、不利益を受けないように配慮するべきだ。内部告発をした者は、それだけで危険な状態にあり、少なくとも不安が大きい。確実に組織からは排除されるが、それだけでなく、何の関係もない、赤の他人からも攻撃を受け、差別されやすい。またそれに抵抗したり、反撃することも困難である。日本で、いじめが蔓延しているのも、内部告発ができないせいで、いまだにアンケートで事実関係を記入してもらうというやり方ぐらいしかできない。そこには、事実を知らせて、今度は自分がいじめの対象にされたくないという思いがある。そういう状況を加害者は十分計算に入れている。昔からすると、かなり、変化はあるものの、やはり基本的に日本は、すべてを隠蔽することを美徳としているふしがある。それでうまくいくときもあるが、逆にひどい結果をもたらすこともある。ただ、日本人にも変化があり、日本国内向けとしては、旧態依然とした日本的価値観を尊重しているかのようなふりをしておいて、海外向けには、海外向けの対応をするという、まとまりのつかない二重生活をする人が増えた。これがまたやっかいで、敵なのか味方なのかさえもわからない。むしろ敵よりも被害をもたらすことさえある。内部告発者に何かの利益や、恩恵があるのかというと、古今東西そんなものはない。内部告発者はただ問題点を指摘して、公表し、正義を求めることを第一としている。もし、そこで、個人的な利益や、恩恵を計算するなら、信用を失う。日本よりも、内部告発が盛んで自由な国もあれば、全くいかなる行動もできない国もある。日本の位置は、真ん中よりもやや下のレベルだ。インターネットが流行する前は、ほとんど最下位に近かった。残念なことに、せっかく内部告発があっても、それを有効に利用しきれていないところがある。不正実行側の権力者は、必死になって、内部告発者の信用低下を狙う。まず必ず、異常者であると決め付ける。そしてすべては嘘であると言い張る。あれこれと告発者の問題点を持ち出し、組織ぐるみで集中攻撃する。個人がそれに対抗できるはずもなく、こうしてほとんどの内部告発は、再び闇に葬られる。必ずしも正義が勝つわけではない。運が良ければ正義が勝つのだ。内部告発は、今まで不正行為で甘い汁を吸い、莫大な利益を得てきた権力者からすれば、とんでもない障害物である。よって、総力を挙げてこれを消そうとする。それに対抗できる力などは個人にはない。あとは一般大衆が、どれだけそれらを消される前に発見し、確保するかにかかっている。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。