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2012年4月26日、NHKのクローズアップ現代において、正社員の労働問題が取り上げられた。ある労働問題を取り扱うNPO法人組織に寄せられた相談内容を詳しく検証し、調査したものである。現在の日本は、正社員以外の非正規雇用労働者のあらゆる面での差別、不公平、賃金格差、社会保険未加入問題等が問題となっている。しかし、非正規雇用労働者だけでなく、正社員も、さまざまな労働問題に悩み苦しんでいる実態が露呈した。何よりも日本の問題は、日本経団連を主軸とする、凶悪な労働基準法違反推進組織が暗躍しているということである。今回の番組の趣旨は、会社を辞めたい正社員が、あらゆる嫌がらせと強迫行為により、会社を辞められない状態に追い込まれているということだ。これは明白な労働基準法違反であるし、それだけでなく、恐喝罪、脅迫罪、不当な拘束、労働者の選択の自由を侵害するものである。正社員というと、劣悪な労働環境に置かれている非正規雇用労働者にとってみれば、羨ましい限りの地位であるが、公務員は別として、それほど正社員の全てが素晴らしいのではない。名ばかり管理職の問題があるが、名ばかり正社員というのもあるのだ。一応は、名目上としては、正社員ではあるものの、恐ろしい低賃金で、福利厚生もほとんどなく、別に何も恵まれた環境ではなく、ただ雇用期間が定められていないというだけのケースが多い。特に中小企業はすさまじくひどい状況にある。今回のテーマでは、正社員が、ひどい職場環境で、心身共に疲労し、過労死寸前、過労自殺寸前まで追い込まれ、人間的な生活ができない状態に追い込まれて、辞職したいと申し出、退職届けを出してもそれが受理されず、いつまでも強制労働を強いるというものである。あまり知らない人が多いが、日本は一応は、ILO国際労働機関に加盟している。そこでは、最低限の労働者の世界基準があり、それを遵守するという約束が取り交わされている。しかし、日本はそれを守っていない。ただ退職届けを受理しないだけでなく、仕事における損失が出たと虚構のでっちあげで、脅し行為をするというものである。もしも勝手に辞職したら、その嘘の損失分を支払うように要求する。またはそれでも会社に出勤しなくなると、離職票を出さない。離職票は退職した会社側から発行しないといけない。退職者が勝手に作成することは出来ない。ただし現在のハローワークでは、離職票を出さない会社が多いことから、一定期間が経過すれば、ハローワークで調査して、独自に発行するという処置が行われている。それから退職理由であるが、これが大きな差をうんでいる。会社都合による解雇の場合、もしくは病気や怪我等による労働不能状態の証明ができれば、一週間の猶予期間後に失業保険は給付される。ところが、これが自己都合ということにされてしまうと、恐ろしいことに、三ヶ月以上もの猶予期間となる。つまり、失業後、三ヶ月以上も失業保険は給付されない。正確には、事務手続きが終了後の三ヶ月なので、場合によってはもっと長くなる。そして懲戒解雇となると、さらにひどいことになる。会社側は、低賃金で、好きなようにこき使える都合のいい奴隷を手放したくないので、どこまでも執拗に嫌がらせをするのだ。これは、特定の職種に限定されず、介護現場も含めたあらゆる業界で行われている。日本の労働者の置かれている現状は、全世界の中で、かなり悲惨である。特に他の先進国と比較して、日本が遅れており、完全な無法状態にあることは明白だ。そもそも、日本では、労働運動をすることは、犯罪行為とみなされている。そして、労働基準法のことを少しでも話題にすると、即座に解雇されることが多い。本当に会社を辞めたい人は、正当な労働運動をするべきなのである。個人では勝ち目はないので、労働組合活動をするべきだ。労働組合は、2名以上から結成できるし、あるいは既存のいろいろな組合に加入することもできる。ただし、残念ながら、日本の組合加入者は少ないし、また活動も活発ではない。それに表面的には労働組合のようなふりをしておきながら、実際には、会社経営者の身内が組合幹部になっており、単なる出世街道の花道となっていることが多い。会社通号で解雇されても、自己都合での解雇にされることが多い。特に派遣切り、雇用止めによる事実上の不当解雇も、すべて自己都合にされてしまう。ハローワークでは、解雇の理由の調査を全くしていない。すべて会社側から提出される書類だけで決めている。労働者の主張は、一切認められていない。それは裏に経済界の圧力があるからだ。正社員もそれほど恵まれた環境ではないことが多い。
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