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株式日記と経済展望
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自国の歴史や文化を正確かつ興味深く説明できず、政治や国際問題について
語れないビジネスエクゼクティブなんて、日本以外の先進国では考えられない
2012年1月6日 金曜日
◆そこまでヒドイの? ケア・テーカーと呼ばれている日本人支社長たち 1月6日 大上 二三雄
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20111226/225643/?rank_n
古い友人の愚痴
古い米国人の友人が半年ほど前、日本の大手メーカー米国本社に幹部として転職した。先日、彼と暫くぶりに邂逅し食事をした席、酒が廻ったあたりで話題は、彼の勤務先における日本人駐在員の評価に移った。そこで彼の口から日本人の社長を評して出た言葉が、ケア・テーカー(Care Taker)だ。ニュアンスとしては、「手が掛かる子供」や「我儘な介護老人」といった感じであろうか。ビジネスパーソンを表する言葉としては、相当にネガティブである。
彼によると日本人駐在員の過半は大なり小なりケア・テーカー、現地法人のトップはケア・テーカーの王様(King of Care Taker)で有る由。「フミオ、とにかく彼らと働くのは効率が悪い。指示は曖昧。優先順位は付いていない。後先考えない頻繁な指示の変更に説明はない。社内だけに留まればまだ良いが、外で取引先や得意先からも同様の問題を指摘されるのは、競争が激しい中では死活問題だよ」
余程言いたいことが溜まっていたのか、彼の毒舌は続く。
「彼らは、日本にある本社の事情は良く知っている、だがそれ以外の事には驚くほど無知だ。役割に応じたスキルは不足しておる、学ぶ意思も無い。ディナーの話題はタイガーウッズか日本人メジャーリーガーに関することくらい。自国の歴史や文化を正確かつ興味深く説明できず、政治や国際問題について語れないビジネスエクゼクティブなんて、日本以外の先進国では考えられないぞ。この間の話題は原発問題だったが、我々の方がディテールを含め良く理解していたのは、最早ブラックジョークの域だ」。
彼はいよいよ核心に迫って来た。
「定期的にローテーションされて日本から来るケア・テーカーたちによる実害とストレスを喰いとめるため、我々は彼らを完全にお客さんとして処遇する仕組みを構築している。収益がなかなか改善しないことに関する本社へのエレガントな言い訳も含め、我々が全部やってやる。彼らは君臨しサインをして、日本人同士でつるんで遊び、ロングバケーションを楽しんで帰る。我々は、余計なチャレンジはしない。ちょっとだけストレスを我慢すれば、これほど楽で高給な仕事は無いからね。経営幹部の日本企業への定着率は、驚くほど高いと思うよ」
「英語の問題だと思うか?」という私の問いに応える。
「それも否定出来ないが大きな問題ではない。むしろ能力や知識、人間性の問題だよ。最大のものは、コミュニケーション能力かな。英語では無いよ。つたなくても、伝えるべき内容を伝えることが出来れば、ボスの話をちゃんと聞かない社員は居ない。日本人は同質性が高いので、曖昧なコミュニケーションに慣れていることには同情するが、日本以外の世界において、曖昧なコミュニケーションをとるマネジメントやリーダーは、組織にとって百害あって一利なしだ」
階級社会で生き抜くために必要な能力と知識
国内マーケットの縮小と円高が続く中、最近、多くの日本企業でグローバル人材の育成が叫ばれている。英語など、外国語教育の重要性は、日本語以外の言葉を使うことが、コミュニケーションを明瞭かつ的確にするという相乗効果を含め、もちろん否定すべきではない。だが、それと同等、もしくはそれ以上に重要なのが、様々なバックグラウンドの人材をチームとして機能させるマネジメントとしての能力である。
目標を提示し、能力に応じた各人の役割を規定し、進捗に応じ情報収集の上適確に判断を下し、次のアクションにつなげていく。いわゆるPDCA(Plan Do Check Action)のサイクルを廻して行く能力。このような当たり前の能力こそが、最も重要である。
次に重要なのは、日本に関する知識である。その中でも、重要なのは現代日本の政治経済や社会、それから明治維新以降の近代史であろう。平安や江戸時代の話は、ファンタジーや教養としての意味が有るが、必須科目であるとは思わない。多様性の中で、近代・現代日本の政治経済や社会を語っていくためには、それと世界を対比して行くことが望ましい。アジアや欧米の近代史に日本を対比して語らうことが出来るようになれば、ある程度の評価を得ることが出来る。 (後略)
(私のコメント)
私は大学を卒業して銀行に十数年間勤めて、30歳半ばで独立起業して不動産業を営んでいますが、日本では一番優秀な人材は、中小企業の社長たちであり、決して東大を出て一流官庁や一流企業に勤めているサラリーマンではない。銀行員時代も外回りの営業をしていましたが多くの中小企業の社長たちと話をする事が出来たから分かることだ。
もちろん銀行にも若手のやる気のある優秀な人材もいますが、10年20年経っていくうちに勉強はしないから社畜人間になっていってしまう。会社の同僚と飲みに行くこともありましたが、そこに出る話は社内のゴシップめいた話ばかりで政治や経済や文化の話など出てくるはずもなく、上司や同僚への悪口などで終始することが多かった。これではまさに社畜人間になっていくには避けられない。
大上氏の記事に書かれた外人幹部の話にもあるように、「ディナーの話題はタイガーウッズか日本人メジャーリーガーに関することくらい。自国の歴史や文化を正確かつ興味深く説明できず、政治や国際問題について語れないビジネスエクゼクティブなんて、日本以外の先進国では考えられないぞ。」とあるように、日本人社員は社会人になると勉強をしなくなるからゴルフか野球の話くらいしか出来なくなってしまう。
日本企業では、能力の優秀さよりも組織への忠誠度が尊重されて、バカになって会社のために働けと言うのが上司の口癖だった。これでは銀行で一生働く気にもならなくなり独立起業を目指すようになって会社の同僚とは距離を置くようになっていった。私は一生懸命勉強して宅地建物取引主任などの国家資格試験などを取りましたが、銀行業務でも必要な資格ですが、同僚たちは遊んでばかりいて勉強はしなかった。
社内の宴会などでも酒飲んで暴れるのが社内の人気者になり、私などはますます孤立感を深めて行くようになった。日本のサラリーマン社会の雰囲気はこのようなものであり、営業成績のいい者が出世していくようになる。最近は日本企業も国際化していって外国の駐在員になる人も多くなりましたが、日本人社員の多くの関心は日本の本社に向いている。だから現地社会になかなか溶け込めない。
例えば原発の問題がディナーの席で出ても、「我々の方がディテールを含め良く理解していたのは、最早ブラックジョークの域だ」と言われても仕方がない面がある。日本人社員はあまりにも仕事にエネルギーを注ぎ込むあまりに視野狭窄に陥って社会全体世界全体の流れのことが分からなくなってしまっている人があまりにも多い。普段から本を読んで勉強していないからだ。
大上氏の話に出てくる外人幹部の話しによれば、「彼らは君臨しサインをして、日本人同士でつるんで遊び、ロングバケーションを楽しんで帰る。我々は、余計なチャレンジはしない。ちょっとだけストレスを我慢すれば、これほど楽で高給な仕事は無いからね。」と皮肉を言われていますが、英語も満足に話せず日本の事も知らないのでは欧米人のホワイトカラーを使いこなすことは難しいだろう。
日本人社員は「ヨコメシ」と言って欧米社会でのディナーを避ける傾向がある。英語などの問題もありますが、日本人のエリートたちは一般的な教養に欠けて、欧米の上流社会に出るとその欠点を晒してしまう。欧米社会は歴史的に1%の上流貴族社会と99%の労働者階層に分かれてしまっている。そんな中に日本企業の幹部が上流社会のディナーに参加しても話せることがゴルフと野球の話しか出来ないのではバカにされるだけだ。
日本の政治家や高級官僚や大企業の社長などのエリートたちに欠けているのは、英語などの語学ばかりでなく一般教養に欠けており、菅前総理がG7の会議に出ても話の輪に加われないのは教養が無い為だった。だから予算委員会のときにも経済用語の意味を問われても答えることが出来ず官僚の助けを借りることになる。その官僚にしても専門知識はあるが縦割りの知識であり、日本全体の国益まで考えることが出来ない。
大上氏は、「日本人であっても、海外の外国人社会において真の意味でのリーダーシップを発揮する為には、少なくとも名誉市民として同等の教養を修めておく必要があるだろう。」と指摘していますが、全くそのとおりだ。政治や経済ばかりでなく、歴史や文化や芸術などの教養は日本のエリートには欠けているものだ。欧米の1%の上流貴族社会ではその方面のエキスパートぞろいであり、彼らに加わるには日本の歴史や文化に通じていなければ相手にされない。
大上氏の記事にもあるように、「筆者の友人の奥様は修学旅行以外は京都を出たことが無い和菓子屋の娘さんであったが、茶道や華道、日本 舞踊などを一通り修めていた。ご主人のロンドン赴任に同行したところ、茶道や華道、日本舞踊を一通り修めた。そのおかげで、彼女は英語が全く話せなかったにも関わらず、彼女はあっという間にパーティの花形となった。」とありますが、現在女性で晴れ着を自分で着る事ができて茶道や華道、日本舞踊が出来る女性はどれだけいるのだろうか? 英語はペラペラでも日本の事が全く分からないのでは何の意味もない。
「株式日記」ではエリートならば歴史と古典を学ぶべきだと書いてきましたが、日本の海外留学生は日本の近代史を知らないから、中国や韓国の留学生から歴史論争を挑まれても何も知らない。学校の歴史教育に問題があるからですが、近代史の歴史の専門家でもイデオロギー論争に巻き込まれることを嫌って触れたがらない。中国や韓国の歴史は建国から60年程度の歴史かないから、政府によって作られた歴史をそのまま信じている。それに対して日本の政治家は河野談話に見られるような迎合を繰り返して問題をこじらせてしまっている。
オバマ大統領は、5日に国防戦略を発表しましたが、まるで「株式日記」に反論するような内容であり、アジア太平洋海域を強化すると強調しました。中国の経済と軍事力の増強で影響力を増しており、中国はアメリカを排除した東アジア共同体を構想しているのだろう。90年代からのアメリカの東アジア戦略は米中による日本封じ込め戦略であり、5日の国防戦略は180度転換して中国封じ込め戦略を明らかにしたものだろう。しかしこのように国防戦略がコロコロと変わるのは同盟国の不信を招く。その事を指摘できる日本のエリートがどれだけいるのだろうか?
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