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10周年を迎えた9.11、半年が経過した3.11ということで、このところそれらの関連番組がNHKBSやナショナルジオグラフィックChやヒストリーChを賑わせている。
ナショナルジオグラフィックChでは、ジョージ・W・ブッシュ元大統領が10年前を振り返り9.11を語るインタビュー番組が放送された。
意味がある内容が語られるとはそれほど考えていなかったが2倍速だと20数分で見られるので見てみた。今でもたぶん話す内容はライターが主導して決めているはずだから、もう少し注意深くまとめて欲しいと思わせるものだった。
「9・11同時多発テロ」はイスラム系過激派テロ組織アルカイダが実行したものという公式説やアルカイダは超有名でとんでもなく悪辣卑劣なテロ組織というその後に定着した“神話”やイメージにブッシュ元大統領(ライターを含む)までもが引きずられているようだ。
(日本人に限らずアメリカ人の多くさえ、9.11が起きた時点では“アルカイダ”という名前さえ知らず、すぐには覚えられずなかなか発音もできなかったというのが現実である)
「戦争板」に投稿するほどの内容ではないので投稿先として「雑談板」を選択した。
ナショナルジオグラフィックCh『ブッシュ元大統領が語る9.11』より:
番組は、9.11早朝のジョギングから始まるブッシュ元大統領の動きと「同時多発テロ」の進行状況を重ね合わせながら、ブッシュ氏のインタビューを織り交ぜていくというスタイルになっている。
突っ込みどころはいくつかあるが、ここでは一つだけに絞って紹介したい。
ブッシュ元大統領は、当日、フロリダ州サラソタで小学校の視察が予定されていた。
1機目がWTCノースタワーに激突した時刻にちょうど訪問先の小学校に到着している。
到着した時点でWTCに航空機が激突したことが伝えられたが、ブッシュ元大統領は軽飛行機が事故を起こしたのだろうと思ったと語っている。
(WTCに旅客機が激突した後で大統領に軽飛行機が激突したと思わせるような内容の報告があったとしたらお笑い草だが、軽飛行機がビルに激突したと思っているのに、「ニューヨーク市に全面的な援助を命じて教室に入った」というのも“過剰すぎる”対応だろう。軽飛行機がマンハッタン島のビルに激突したことはこれまでにもあり、そのときも大統領にわざわざ報告されたのか?そのときもニューヨーク市に全面的な援助を命じたのか?という突っ込みを入れたくなる)
2機目がWTCサウスタワーに激突した後、当時のカード首席補佐官が、教室の黒板前に座っていたブッシュ大統領に「2機目が激突した。これはアメリカへの攻撃です」と耳打ちした。
ブッシュ大統領は、それでも、子どもたちを動揺させたくないという理由でそのまま教室に残ったという。
(別に大げさに騒ぐ必要はないのだからにこやかに退室すれば済むのに(笑)このときに本を逆さまに持ったまま授業を聞く“醜態”を見せるが、この番組では触れられず)
9:25に教室から出て、別室で電話やTVで情報収集を行い、9:30になって事件後初めての声明を発表する。
(犯行主体は不明ながら攻撃されたという事実と米国にとって深刻な事態という評価の声明が出された)
9:35学校から退去。
3機目がペンタゴンに激突したことが伝えられた。
ブッシュ氏は、「1機目は事故だと思い、2機目で攻撃だとわかった。3機目は宣戦布告だった」と語った。
(ミサイルがペンタゴンに撃ち込まれたのだから、宣戦布告と判断するのは正しいと言えば正しいのだが...(笑))
このあと、サラソタ国際空港に向かい大統領専用機エアフォースワンに搭乗するが、ワシントンDCに帰るというブッシュ氏をまわりがさえぎり、空軍基地に向かうことになったという。
10時頃、ブッシュ氏はシャットダウン後(無許可で)飛行している航空機を撃墜する命令を出したという。
そのため、ペンシルバニアでUA93便が墜落した報を聞いた時撃墜されたと思ったという。
途中でWTC全崩壊の知らせを聞き、11:45にルイジアナのバークスデール空軍基地に到着する。
ここで“本題”の奇妙な発言が行われる。
ブッシュ氏:「車に移乗したら、若い運転手が猛スピードで飛ばすんだ。弾みながらの大暴走。だから言ってやった。「落ち着け。ここにアルカイダはいない」と。笑ったのはあの時くらいだ」
(「9.11同時多発テロ」の犯行主体がアルカイダであることは、この時点のブッシュ氏は知らなかった。そうであることは、彼自身が番組のなかでのちに語る)
バークスデール空軍基地で演説の録画を行い、戦略軍の本部があり頑丈なシェルターが築かれているネブラスカのオファット空軍基地に向かう。
そこのシェルターのなかで、ブッシュ政権の幹部が集い事件に関する話をしたそうだ。
ブッシュ氏:「犯人については、テネットCIA長官が「アルカイダだと思う。特徴的な攻撃だ」と言った。確定ではないもののアルカイダの犯行だと意識したのはそれが最初だ」
アルカイダは、9.11時点だと、ハマスやパレスチナ解放機構よりも名が売れていないマイナーな組織である。
9.11の犯行主体がアルカイダとわかっていない時点で、ブッシュ元大統領が、バークスデール空軍基地で車を暴走させる若者に、「落ち着け。ここにアルカイダはいない」というジョークが出たとしたら実に奇妙な話だ。
若い運転手も、大統領の“アルカイダ”という奇妙な単語を聞いて、なんのことだろう?と思ったはずだ。
もし本当にそう言ったのなら、ブッシュ氏は9.11がアルカイダの犯行であることを“事前”に知っていたことになる。逆に、知らなかったのなら、今回ブッシュ氏が語った9.11は「創作話」でしかないことになる。
テネットCIA長官の「アルカイダだと思う。特徴的な攻撃だ」も、何をもってアルカイダの“特徴的な攻撃”だと言うの?と突っ込みを入れたくなるが、カード首席補佐官の「2機目が激突した。これはアメリカへの攻撃です」も、米国ではオクラホマシティなど米国市民によるテロやウェイコーのように政府との武力対峙に及ぶ米国市民もそれほど珍しくないことだから、犯行主体がわかっていない時点で、外国勢力であることが前提になる“アメリカへの攻撃です”という表現も異様である。
早いもので、9.11からもう10年。
ブッシュ元大統領のインタビューよりも、03年12月にブッシュ氏と一緒にイラクから脱出したと思っているフセイン元大統領のインタビューのほうがずっと価値があると思うのだが..(笑)まだ生きていればの話だが、たぶん生きているような気がする。
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