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http://archive.mag2.com/0000017208/index.html
「戦後」から「震災後」へ
(保険研究所『インシュアランス・生保版』8月11号より転載)
いまやわが国文明史上、画期的なパラダイム転換が始まっているとする史観が、
学者、研究者の間で広まっているといわれる。
「戦後」から「震災後」へと、政治・行政をはじめ、社会・経済の仕組みが土
台ごと大きく変化し始めている、というのだ。
もとより、歴史的なパラダイム転換は、外的要因だけで起きるものではなく、
国民生活の中に大きな変革エネルギーがたまる必要があるのだが、その表出の
ひとつが政権交代であり、ねじれ国会の現出にもそれはみられるという。
長い間続いた戦後日本のパラダイムにさまざまな矛盾が蓄積、その解放に向か
って動き出していたのだが、今回の大震災をトリガーに、一層広範に動き出し
たとする観方には共感できるものがある。
その一つ、原発事故の影響は広く、深い。原発の存廃をめぐる評価はすでに地
球的規模での相克を生みだし、わが国の国際的な責任は大きい。わが国のエネ
ルギー戦略自体、一大転換せざるを得ない現況にある。
また、震災の避難行動をめぐっては、日本人の品性が世界の人々から賞賛され
た一方、政治・行政・電力会社の対応に対しては、国際的な批判さえ聞かれる。
震災の復興には、中央集権と地方分権の矛盾を解決しなければ、現地が望む期
待感、スピード感は得られないだろうし、これもこの国のあり方を問う政治・
行政の歴史的課題だ。
復興の過程では、新たな価値を創造しようという前向きな意見も出始めてはい
るが、それには、社会保障と税制の一体的改革も不可分の課題である。
家族関係のパラダイムでは、高度成長期の“核家族”基準から、世代間の結び
つきが問い直され、地域毎の共助共済、日本人同士の“絆”の再認識を求める
声も強まっている。
それらの結果、この国の「会社のあり方」もまた問い直されようとしているこ
とを、我われは見逃してはならないだろう。
会社の早期復興には、経営者と社員の強い信頼関係が求められ、いわゆる“日
本的経営”の再評価もいわれ、復興の原動力として、会社の社会的な存在意義
が問われてもいる。
それだけに、九州電力による“やらせメール”事件は、論理を超えた反原発世
論を強めているのだが、会社の社会的責任(CSR)をどう自覚するかは、わ
が国すべての経営の課題といっていい。
生保事業のCSRは「キチンと支払う」が原点だが、新しいパラダイムにも目
を向ける必要がある。
一つは自殺者を減らすこと、もう一つは保険金犯罪を絶滅することである。そ
の社会的な仕組みと支援を生保業界として考えたい。
さらには、社会的弱者への支援にも手を回したい。震災孤児の教育支援や遺産
信託には他業態との連携も考えられよう。社会経済の成長から果実を得る業界
としてのCSRは何か、真剣に考えたいものだ。(客員・川崎)>>
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