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非常に美しい映像の、一見何の脈略も無い8話の幻想オムニバスが、
今観ると深い反原発映画としての起承転結を全体に有したストーリーとして現れた。
全く個人的見解だが。
1話 日照り雨
見てはならない狐の嫁入りを隠れ見て、狐に許しを請いに一人森に行く黒澤少年の話。
自然の中では人も脇役、共生して生きる存在、立場との暗喩か。(起)。
2話 桃畑
切られた桃畑(自然)が雛祭りの精となって、少年に悲しみを伝える。
経済が自然を侵略し、奢りに酔う社会を少年の視点で。(承)。
3話 雪あらし
雪山の遭難で、雪女の言葉で眠りに落ちる寸前の男が、必死に抵抗の末、打ち克つ。
「雪は暖かい、氷は熱い。」と微笑みながら、当然の様に言う雪女の言葉と政府東電の洗脳工作がオーバーラップする。(承)。
4話 トンネル
敗戦後一人生き残った陸軍将校の前に現れる部下と軍用犬の亡霊。
国家権力への無残な隷属の結末。(承)。
5話 鴉
耳を切り落としてまで性急に今を全て写し取ろうとするゴッホの絵の世界に迷い込む。
ゆったりとした自然と忙しなく動く人間との対比。(承)。
6話 赤冨士
次々と誘爆する6基の原子炉と富士山。
人類の行く末。(転)
7話 鬼哭
核汚染によって巨大化したタンポポと鬼化した人類。
人類の行く末。(転)
8話 水車のある村
その対極にある理想郷。
マネーの無い社会。(結)
参考までに
「生きる」では役人体質と人生の本質、その再生を。
「悪い奴ほど良く眠る」では政財官の本質を描き、今だ色褪せる所か、現代そのままを映し出している。
黒澤明、映画で原発事故を20年前に糾弾「原発は安全だと!?ぬかしたヤツラは許せない!」と子連れの母親が絶叫するシーンも
http://www.cinematoday.jp/page/N0031643
2011年4月13日 12時13分
[シネマトゥデイ映画ニュース] 巨匠・黒澤明監督の遺した映画『夢』のエピソードが、「まるで今の日本の現状を予期していたかのようだ……
」と話題を呼んでいる。黒澤監督がわたしたちに伝えたかったことは、何だったのだろうか?
今から約20年前の1990年に製作された映画『夢』は、黒澤監督が見た夢を映像化した8つの話からなるオムニバス映画で、それぞれのエピ
ソードの始まりには、夏目漱石の『夢十夜』と同じように、「こんな夢をみた」という言葉が浮かぶ。今、話題になっているのは、原発の恐怖を描
いた『赤富士』だ。このストーリーは、寺尾聰が演じる主人公が、「何があったんですか!?」と逃げ惑う大勢の群衆をかきわけていくシーンから始
まる。目の前には真っ赤に燃えた富士山、そして根岸季衣が演じている子連れの女性が、「あんた知らないの? 原発が爆発したんだ」と話す
。そこから先の物語は、ぜひご自分の目で確かめてほしいが、「原発は、安全だ! 危険なのは操作のミスで、原発そのものに危険はない。絶
対ミスを犯さないから問題はない、とぬかしたヤツラは、許せない!」などと根岸が絶叫するシーンがぞっとするような印象を残すエピソードだ。
もちろん、今日本で起きている現実の方がはるかに恐ろしく、これが予知夢とはいえない。だが、これは当時すでに起こっていたチェルノブイ
リ原子力発電所事故などから黒澤監督からの未来の日本に向けた警鐘だったということは間違いない。黒澤監督は、生前、原発に対して声
高に反対を示しており、1990年に刊行された「黒澤明、宮崎駿、北野武-日本の三人の演出家」(ロッキング・オン社)での、渋谷陽一氏のイン
タビューによると、原発について、「作った場合にさ、人間では制御できない性質を持ってるわけでしょ? それを作るっていうのが、そもそも僕
は間違いだと思う」と断言していた。また、昨日、福島第一原発での事故が「レベル7」と発表されたが、黒澤監督は、同インタビューで、「日本
は地震も起こるわけだしね、いつ旅客機が墜落してぶつからないとも限らないわけでしょ。(中略)もし日本でそういうことが起こったら日本だけ
の問題じゃないよ」と警鐘を鳴らしていた。
東京電力のホームページによると、福島原子力発電所では、第一、第二合わせて全部で10機が原子炉を現在停止中。柏崎刈羽原発は、新
潟中越沖地震の影響により3機が停止中で、残りの4機が、地震の影響を受けていない火力、水力発電所とともに関東に電力を供給している
のが現状だ(2011年4月13日現在)。周知の事実だが、福島が使う電気は、東北電力から供給されており、福島原発の電力は、東京を含む一
都七県と静岡県の一部に供給されている。現在東京電力が供給している電力のうち、原子力発電からの電力は約30パーセント。その30パー
セントのために作られた原子力発電所の事故で、福島の人たちは故郷を失いかけている。同インタビューで黒澤は、「電力が足りない足りない
って言ってるけど、夜の東京へ出てこなきゃいいんだよ。全部電気つけっぱなしだろう?」と語っている。この言葉こそ、監督が、映画『夢』ととも
に未来の私たちに遺した“お叱り”の言葉なのかもしれない。(編集部:森田真帆)
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