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東日本の大地震の直後、日本有数の農地を襲ったこの地震だから、食糧品の価格が高騰するだろうと最初は思った。しかし、実際にはさほど高騰していないようだ。いや、むしろ下落しているとすら思える。
ちゃんと市況情報を確認していないのだが、例えば国産牛などは、アメリカ牛やブラジル牛よりも安く売られているし、鮭やイクラなんてのも以前の水準からは信じられないほどに安い。単に季節だからというのでは説明が着かない。
もちろん、栃木牛などのように(もともとあんな肉が何故高く売られているのかわからないが、)東日本産のものは「風評被害」にあっただろうし、同じく関東以北でとれる魚も安値で買い叩かれているだろうとは想像がつく。でも、たとえば九州産の肉や野菜についてはどうだろうか。日本海側でとれる魚介類についてはどうだろうか。東日本から客が流れているのだから、いつもよりも買手が多い(筈の)これらの物品は価格が上がる筈である。
しかし、それらの価格は実際には、それほどあがっていない。いや、むしろ安くなっているとすら感じる。というのも、私はこれまでずっと食材は国産のものしか買わないことにしているが、批判を恐れずに書けば、原発事故後、東日本産の食材は避けていた(もともと西日本の人間だから、西日本の馴染みのある地名の製品をよく買ってしまうのだが、地震を機にそれに拍車がかかったと思って頂きたい)。そうであるにも関わらず、食費として取り分けている費用の減りが例年より少ない。浮いた金でちょっとした遊びに行けるくらいだ。
もっと不思議な事実として、以前、阿修羅で近所のスーパーで国産の食材が売られていないと愚痴をこぼしたことがあったが、その、同じスーパーに、国産のものが溢れているのである。それこそ、おなじ国産でも西日本の産地を選べるほどに。
理由として考えられるのは、食材の輸出が落ちているのではないか、ということである。契約の関係もあるだろうから正確な数字に反映されるのは今月ごろからだろうが、世界地図の中でゴマみたいな日本で、チェルノブイリ級の事故が起きたのだから、日本産の食材を買う外国人は減るだろう。日本産の食材は外国人が買い占めているのである。
例えば、近所に、とても高級な茶畠がある。昔ながらの農法で、そこの家でお茶を頂くと目が飛び出るほど旨いお茶なのだが、国内では一切流通していない。アラブなどの国から買い付けに来て、そこに全て納入させるからだ。同じく近所に米農家があって、ここもまた、この地域にしては信じられないほど旨い米をつくっているのだが、そこも、そのほとんどを、海外に引き取られている。魚沼でも丹後でもないし、「こしひかり」のような庶民に知れ渡った品種でもないから、国内では、無知なバイヤーに安く買い叩かれるのだ。だから、ちゃんとリサーチして適正な価格を提示する海外勢に売らざるをえない。
他にもそういう事例を何件か知っているから言えることだが、基本的に国内にはメジャーな銘柄の庶民受けする程度の高級品と、安物しか出回っていなくて、その中間を輸入に頼っているのだ。一方で、国内の超高級品と、品質の良いお手頃な品は海外に流出している。小学校でならう、東南アジアの欧米人による搾取(プランテーション農業の弊害)が、日本でもおきているのかもしれない。
今回、原発による「風評被害」で、海外からの契約の見直しが行われた農家も多いだろう。結果として、一時的に国内に「品質の良いお手頃な品」が放出されているのではないかと感じている。これから先、日本の食糧品業界を巡って行われる、海外勢の壮絶な戦いに、注意したい。
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