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「齋藤孝(著)『〈貧乏〉のススメ』覚書」 //  「長野慶太(著)『プロの残業術』覚書」 (文筆劇場)
http://www.asyura2.com/10/idletalk39/msg/212.html
投稿者 五月晴郎 日時 2011 年 2 月 06 日 03:12:08: ulZUCBWYQe7Lk
 

「文筆劇場」から「齋藤孝(著)『〈貧乏〉のススメ』覚書」(1)http://hiroya.web.infoseek.co.jp/john2889.htm
および「長野慶太(著)『プロの残業術』覚書」(2)
http://hiroya.web.infoseek.co.jp/john2888.htm
を、下記のように転載投稿いたします

=転載開始(1)=

齋藤孝(著)『〈貧乏〉のススメ』(ミシマ社)を読了しました。

 本書の内容とは関係ありませんが、最近、同世代の知人がBMWを買ってちょっと驚きました。約900万円ほど借金をしたようです。

 20代も後半になると、自然と経済格差があらわになってくるものです。高級外車を乗り回すようになる人もいれば、非正規雇用で今日明日の生活費に困る人もいる。かつてのクラスメイトにも勝ち組と負け組が生まれていると思うと、ちょっと切ないものがあります。

 そんなことを考えながら本書を読むと、「世の中、カネばかりじゃないよ」と改めて思わされます。

 そして、貧乏であるための10ヶ条が記されています。

1.貧乏を受け入れる
2.「ちょっとした貧乏性」で働き続ける
3.体験の石油化をはかる
4.1冊の本をバイブルにする
5.誇りをもってプライドを捨てる
6.貧しても鈍しない
7.明日はわが身と心得る
8.人生を通してのベースをもつ
9.かわいがられる 
10.濃い仲間を持つ

 もっとも、貧乏は「事後的に美化される」という性質を持っています。齋藤氏が自身の不遇時代をおもしろおかしく書くことができるのは、「今は貧乏ではない」からでしょう。これは回顧的な貧乏論を読むときの注意点です。

 人生の一時期、貧乏生活を体験するのは得るものが多いと僕も思います。但し、そこから脱却するからこそ、その記憶が美化される、という一面は覚えておいた方が良いと思います。

 もちろん、貧乏であること自体は、恥ずかしいことでも何でもありません。単に金のあるなしの問題である。

 ところが実際には、金がなくて日雇い労働で今日明日の日銭を稼ぐような状況に陥ると、だんだん人生がどうでも良くなってきます。自分のキャリアよりも、今日のビールにありつくことの方が重要な関心事になってしまいます。

 それはたぶん、貧乏であることの悲劇でしょう。

 貧乏だと、「金のことしか考えられない」という心理状況に陥りやすい。こうなると恥ずかしい。精神衛生のためには「お金の心配をせずに済む」ことが結構、重要です。

 それを踏まえた上でいえば、貧乏であることのメリットのひとつは「なくすものがない」ということでしょう。だからこそ、大胆不敵な行動が取れることは多い。貧乏人だからこそ、大きな勝負がかけられるという面はあります。

 これが中途半端にカネや地位を手にすると、とたんに「失いたくない」という感情が湧いてきて、行動が制約されるものです。僕も学生時代ほど大胆にはなれません。

 近頃、僕も学生時代と比較すれば「貧乏」ではなくなったので、その分、切迫したハングリー精神も欠けてきました。これは要注意です。もっと「貧乏人根性」で貪欲に仕事をしようと思う今日この頃です。

 (以上、1200字)
 
 山田宏哉記

=転載終了(1)=

=転載開始(2)=

長野慶太(著)『プロの残業術』(草思社)を読了しました。軽い気持ちで読みましたが、色々と考えさせられた。

 本書は、今時珍しい「残業肯定論」の立場です。その基本的な考え方は、まえがきで述べられています。著者がアメリカに渡り、仕事を始めた頃の話です。

 [引用開始]

 アメリカ人と互角に仕事をするには大きなハンディを背負う。私は日本で生まれ育って30歳を超えていた。英語のハンディは大きいし、ノウハウでも大きく引けをとる。(略)

 だからハンディは残業で埋めるしかないのだ。

 もちろんこのことは日本のビジネスでも同じだ。ライバルやライバル企業と戦うとき、必ずどちらかが優位にあり、どちらかが劣位にある。では、劣位にあるとき、そのハンディを埋めて戦いたければ、その方法はやはり私には残業しか思いつかない。(本書P4)

 [引用終了]

 綺麗事を抜きにして、ビジネスの現場でサバイブしていくためには、こういうタフな姿勢は欠かせないと思います。

 個人的には「残業時間が長い方が偉い。仕事熱心」みたいな勤労観は、変える必要があると考えています。外資系企業の中には、残業が多い従業員は人事評価に響き、逆に切られるケースもあるようです。

 しかし、それだけでいいのか。

 日本人の年間労働時間は約1800時間ですが、韓国人は約2300時間です。それは日本企業と韓国企業の業績差をトレースしているようにも見えます。

 また、インドの若者たちは1日15〜17時間労働で休日もなしに働くようです。

 「メリハリをつけて働く」という標語は、スマートさの象徴ではあります。それでも、パフォーマンスの高い人は、働く時間も長いように見えます。

 本書でも指摘されている通り「スキルの高さは、かけた時間に比例する」のです。

 だから、体験的には「『意義が明らかな仕事』を残業時間にする」という戦略には、納得感があります。

 よくよく気をつけるべきは「会社にとって良いこと」と「私にとって良いこと」は、微妙に違うことです。人件費抑制のために残業を規制するのは、企業にとって善かもしれないが、真剣にスキルアップを志すビジネスパーソンにとっては、それが障害になったりします。

 僕自身、ホワイトカラーのビジネスパーソンにとって、重要なことは「何をやるか決める」という部分にあるとよく痛感します。これは知的な負荷が高く、苦しいところです。

 しかし、本書でも指摘されている通り「考える時間を効率化できる人はいない」。PC操作やコピーの取り方のような要領では、効率化することはできません。しかも、これができなければ、マニュアルレイバー(単純労働者)への道を一直線で辿ることになるでしょう。

 ちなみに、本書では外資系企業の生産性の高さの理由として、マネジャーに秘書と個室が与えられていることをあげています。これは意外な盲点でしょう。

 著者はそのハンディを「残業でカバーせよ」と言いますが、日本でもホワイトカラーのビジネスパーソンにはもっと秘書をつけても良いのではないでしょうか。

 本書は既に企業で戦力になっているビジネスパーソンを念頭に置いて書かれていますが、「残業」に関して、薄々感じていたことが書いてあり、得るところは大きかったです。

 (以上、1400字)
 
 山田宏哉記

【関連記事】
今、"職場での学び"を考える (2010.10.27)
http://hiroya.web.infoseek.co.jp/john2727.htm

=転載終了(2)=  

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