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「文筆劇場」から『BLOGOS対談「ネットメディアでメシは食えるのか?」覚書 マネタイズ編』を、下記のように転載投稿いたします。
=転載開始=
題記対談を視聴しました。以下、その覚書です。
[対談者]
池田信夫氏
菅原聡氏(JBpress)
田端信太郎氏(コンデナルト・デジタル)
(http://news.livedoor.com/article/detail/5290525/)
池田「当面は広告がメインにならざるを得ないと思うが、広告ベースのビジネスには限界がある。そうすると『どうやっておカネを払ってもらうか』が次のハードルになる。日経の電子版がようやく10万人を超えたとか、ニューズ・コーポレーションがiPad用の新聞を出すとか、噂では「朝日新聞」が有料のものを出すとか。いよいよ『有料で勝負しよう』という話があちこちで出てきましたよね。
僕も色々実験をしている。有料のメルマガでお客さんは800人くらい。ホリエモンは年収1億円と豪語しているようだけど、僕より一桁上の読者を獲得している。
『週刊ダイヤモンド』によると「朝日新聞」が始めた『ウェブ論座』は有料読者が400人しかいないよう。僕がそのことをツイッターで書いたら、『ウェブ論座』の公式アカウントから『他もそうですよ』という返信が来た。あの『朝日新聞』でもたった400人という。ちょっとビックリした」
田端「リアリティのある数字ですね」
菅原「メディアビジネスとコンテンツ販売は、かなり混同されているところがあって、自分たちが作ったコンテンツをより多くの方にご覧になって頂いて、影響力を持てるようになる。その影響力の総和こそがメディアのパワーというもので、それをあとで色々な形でマネタイズしていく。」
田端「『課金することで接触者が減る』というのは、結構、危ないと思うんですよね」
菅原「メディア・ビジネスからコンテンツ販売の方にシフトしようとしてしまっている」
池田「『ウェブ論座』の話ばかりで申し訳ないが、僕よりもコストも何倍もかけてやっているのが、400人にしかならないのか、と。悪いけど、『ウェブ論座』に書いてあるようなことは、わざわざ¥700払って読まないですよね。
これは雑誌ビジネスと似ているところがある。『諸君!』が健在だった頃、僕が原稿を書いて編集者と話をしたとき、おもしろかったのは『私、家では「朝日新聞」を読んでいるんですよ』と言うのですよ。
『諸君!』って右派系メディアと思うじゃないですか。本人は全然そうじゃなくて『私は「大東亜戦争」とかよくわからないけど、「朝日新聞」と同じことを書いても絶対売れない』。『世界』や『論座』のような論壇の多数派のような内容のものはカネを払って読もうとは思わない。『大東亜戦争は正しかった』みたいなちょっとおかしな内容だからこそ、おじいちゃんたちがカネを払って買っていた。つまりマーケティングなのです。
同様にNHKや「朝日新聞」に載っているような情報はカネが取れない。僕のように毒のあるというか、地上波から追い出されるような内容のものでないと、差別化できない」
菅原「『どこにもない情報』というか、立ち位置がハッキリしている情報。そういうものは一読者としても読みたくなります。」
池田「田端さんやられているBLOGOSが意味を持っているのは、メジャーな媒体でできなくなってきたことをウェブメディアが救っている。僕はそういうものをもっと育てなきゃいけないと思うけれども、なかなかそれだけでビジネスとしてやっていくのは難しい。ビジネスとしてやっていけているのは、モバゲーやグリーなどのネットワーク・ゲーム。
儲かっている理由を僕なりにみると、見た目は『無料でやれます』で、やるうちに深みにはまっていく。ああいうビジネスモデルを他のメディアも見習う必要があるのではないか。『有料か、無料か』でイチゼロで考えないで、お客さんを引っ張り込んでおいて、有料の世界に持っていくような仕組みを考えないと。いきなり『ウェブ論座』みたいに月¥700とするのはマズイのではないか。」
田端「いまだにウェブ画面でクレジット・カードの番号を打ち込むのは、ほとんどの人にとって馴染みのない行為ですよね。そのことの方が、¥50、¥100払うということよりもハードルが高い。喜んでおカネを払ってもらえる仕組み、わかりやすく言えば、セミナーやイベントなどが必要ではないか」
池田「僕もアゴラ自体で儲けるということはあまり考えていませんが、それでセミナーなどをやると結構、お客さんが来てくれるので、そちらで収益が上がる。TechCrunchのイベントは3000ドルとか4000ドルだけど、ベンチャーのスターを呼んできて、それで回っている。今までのメディアは工業製品と同じやり方で、『一個いくら』でやっているけれども、全然そういうことにこだわる必要はないと思う。もっと色々なやり方があると思うし、イノベーションが生まれると思う。」
池田「僕は、記事のあいまにセミナーのお知らせをしているけど、僕の記事を読んでいる人にとっては、そのセミナーの情報も価値があるのですよね。だから、そこをクリックして申し込んでくれるわけです。本文とは別にバナーがあって、お客さんにとっては邪魔なんだけどお金取っている、というものじゃなくて。
記事の中の情報が価値を持つような仕組みを作っていくのが、読者にとっても一番いいことだし、メディアにとってもクリックいくらの広告よりも、ロットの大きいビジネスが可能になるような気がするのですよね。
また、ソーシャルメディアとおカネを結びつける仕組みは、まだまだあるような気がします。
今までの形の新聞テレビ雑誌をそのままウェブに載せたというのでは、大したものにはならないと思うのだけれども、今後はネット系のメディアが既存のメディアを買収していくという流れもあるのではないか。」
(以上、2200字)
山田宏哉記
=転載終了=
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