http://www.asyura2.com/10/idletalk39/msg/164.html
Tweet |
http://hiroya.web.infoseek.co.jp/john2863.htm
「文筆劇場」2011年1月20日 「実名は"損"で、匿名は"得"なのか」から下記を投稿します。
=転載開始=
最近、再び「ウェブでは実名を名乗るか、匿名にするか」ということがクローズアップされてきているように思います。印象としては、まだまだ「実名は損で、匿名の方が得」という風潮が強いように思います。
さて、僕はこの問題に対してずっと当事者だったので、客観的に論じることはできません。以下は、それを踏まえた上での話です。
僕が自分のウェブサイトを持ち始めたのは2001年のことで、そろそろ10年になります。最初から実名でした。それ故、苦労は耐えませんでした。
実名でやっていたのは、結局のところ「自分の発言に対して、責任を取る覚悟がある」という意思表示です。よく考えてみれば、人として当たり前のことでしょう。
しかし、周知の通り、ウェブの世界では、それは当たり前のことではありません。むしろ「正直者はバカをみる」と言った方が的確ですらあります。
やがて僕は、2ちゃんねるで誹謗中傷されるようになりました。しかも、実名で叩かれます。当時は「自分は正々堂々とやっているのに、匿名で誹謗中傷するのは卑怯だ」と思っていました。
自らを安全な場所に置き、他人を嘲笑して、優越感に浸る。彼らも「実名を名乗るのはバカがやること。匿名の方が安全でいいに決まっている」と思っていたことでしょう。
しかし、今になって、自ずと明らかになったことがあります。
ウェブ上でも実名で活動している人は、自ずと実名でやっている人に共感を抱くようです。なぜなら、「本気」でやっていることが明らかだからです。
おそらく、実名でやることの最大のメリットは、"実名でやる人のネットワーク"に属すことができる、という点でしょう。
僕自身、コンタクトをとって「会いたいな」と思うのも、基本的には実名の方です。極端な話、匿名の人に「会って下さい」と言われても断るけど、実名の方に「会って下さい」と言われたら了承する。要するに、そういうことです。
10年間、2ちゃんねるで僕の悪口を書き続けた人は、きっと愉快だったことでしょうね。中には当たっている指摘もあったし、実際、僕は口惜しかった。但し、彼らには何も残らなかった。
10年間、僕は黙々と実名でウェブに記事を書き続けてきました。それが今の僕の財産になっている。ずっと実名でやってきたからこそ、出会えた方々がいる。
僕は長らく「実名でやるのは損」だと思っていました。彼らもずっと「匿名でやって方が得」だと思っていたことでしょう。匿名の方が安全だし、無責任に好き勝手言うことができます。それでも、僕は自分の発言に責任を持つという義務感だけは持っていました。
しかし、長い目で見ればわからないものです。
この10年、損だと思いつつ実名を通してきた僕は今、自分の人生に感謝してします。この10年、「匿名の方が得」だと考え、他人を嘲笑してきた彼らは、きっと今頃、自分の人生を呪っているでしょう。
実名で書くか、匿名で書くか。ほんの小さな違いでしたが、10年の歳月が流れれば、決定的な差がつくものです。
そして、10年単位で考えるなら、「実名は"損"。匿名の方が"得"」という認識が、実は全くの正反対だったことに気付かされるのです。
(以上、1200字)
山田宏哉記
=転載終了=
執筆者が上記転載記事で言う10年の確かな手応えは、「人は弱いものだ。他者に対しては、あまり多くを期待するべきではない(*1)」認識で"具体的"(*2)に努力を積み重ね作ったものでしょう。
私も匿名で投稿していましたが、止めることにしました。
*1:思想と経験、そして現実との格闘 (文筆劇場)
http://www.asyura2.com/10/idletalk39/msg/134.html
*2:「改めて、"具体的"という言葉を辞書で調べると「はっきりとした実体を備えているさま。個々の事物に即しているさま。」(「デジタル大辞泉」)や「単に思考されるだけでなく、直接に知覚され経験されうる形態や内容を持っているさま」(日本国語大辞典)とあります。」
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。