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「文筆劇場」ジョン・スミスへの手紙 サイバー・ラボ・ノート (2855) 「【師匠の教え】"小学生の作文"のように書く」から下記を転載投稿します。
=転載開始=
師匠と仰ぐ方から、こんなことを伺いました。
「要約には2種類ある。抽象化による要約と、具体論を価値判断によって圧縮することによる要約。実務で使うのは後者だ。」
「もっと簡素かつ具体的に書く訓練をすること。ビジネス文書を書く上で手本とすべきは、理系の学術論文の構成と文章。小学生の作文には見習うべき点が多い。変に抽象化されていない分、伝えたいことがダイレクトに伝わってくる。」
例えば、「昨年はどんな年だったか?」という問に対して、一言で振り返ってみる。
色々な出来事の共通項を探り、漢字一時で表したり、「飛躍の年だった」とまとめるのが、"抽象化による要約"。
価値判断による要約とは、特に重要な出来事をピックアップした上で、自分にとって特に重要な出来事を選び出す。例えば、「就職した年だった」とか「結婚した年だった」という具合になる。
普通、「嘘と欺瞞に満ちた年だった」などと言われても、よくわからない。「初めてアルバイトを経験した年だった」と言われれば、「あぁ、なるほど」と思う。
大人は前者を「文学的で高級な書き方」で、後者を「小学生の作文みたい」と評価しがちだが、伝えたいことがダイレクトに伝わる要約は後者の方です。
師匠に言わせると「"具体的に書く"ことを、単に細かく書くことだと勘違いしている人が多い」。
改めて、"具体的"という言葉を辞書で調べると「はっきりとした実体を備えているさま。個々の事物に即しているさま。」(「デジタル大辞泉」)や「単に思考されるだけでなく、直接に知覚され経験されうる形態や内容を持っているさま」(日本国語大辞典)とあります。
"具体的に書く"とは、言い換えれば「相手がクリアカット(明瞭)に認識でき、誤解の余地がないように書く」ということです。そのためには当然、使用を避けた方が良い用語もあります。
例えば「国家は、近代という時代の病であり、幻想でもある。それがすべての悲劇の原因であり、帰結である」とみたいな一文は、一見、高級そうな面持ちがしますが、クリアカットに認識することが不可能です。つまり悪文です。
その原因は、定義が曖昧な用語をしている点にあります。
(余談ですが、「神の裁き」「世界の終わり」「不幸の連鎖」といった理解不能な抽象概念を持ち出して世人を恫喝するのは、宗教の常套手段です。人間はクリアカットに認識できないもののに対して、本能的に恐怖心を抱くようです。)
何も"大きな話題"だから、話が抽象的になるのではない。ここは重要な点です。
「地球の直径は約12,700kmである」とか「日本の人口は約1臆2000万人である」という記述は、個人の人生と比べれば"スケールの大きな話"ですが、明瞭に認識することができます。
だから、実生活で使う文書は「明瞭(具体的に)に書く」ことを基本に据える。それは極端な話、「小学生の作文みたい」であることが望ましい。
以上、就職活動をする大学生がエントリーシートや面接で大学生活を一言で要約する際にも、結構、応用できる技術ではないでしょうか。
(以上、1200字)
山田宏哉記
=転載終了=
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