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▽大災害とメディアの役割 国連がガイドブック
http://www.47news.jp/47topics/premium/e/213785.php
2011年6月13日 共同通信
国連が出す報告書は、とかく総花的で、焦点が定まらず、あまり面白くないというのが、筆者がニューヨーク支局で取材していたころから言われ続けていた。今回、地震と津波で未曽有の被害をもたらした東日本大震災を契機にして国連国際防災戦略事務局(UNISDR)が発表した、ニュース・メディアがはたすべき防災の役割についての報告「大災害のリスク削減を取材するジャーナリストのためのガイドライン」(Disaster through a different lens-A guide for journalists covering disaster risk reduction)は読ませる内容だった。
全文189ページのこの報告は「自然がもたらす危険(Hazard)を大災害(Disaster)にするのは人間だ」−と序文で自然災害の多くが人的要因によって大災害になることを問題提起し、大災害がもたらす危険を防止あるいは回避するために、ニュース・メディアが重要な役割をもっている、と強調。新聞や通信社、テレビ、ラジオなどのニュース・メディアが地震や津波、火山爆発などの、地球上の各地で発生している大災害で、客観的に状況を把握して正確な情報を市民に伝え、安否の確認や災害の原因、なぜ起きたかを調査・究明して行く責任を持っていることを指摘した。
マルガレータ・ワルストロム国連防災担当事務次長補は報告前文で「2004年のインド洋津波、中国・四川省の地震、2010年ハイチ地震などから今回の東日本大震災まで、ニュース・メディアの災害報道はいろいろあったが、大災害から人命と生活手段を守るために必要な政策変更や法令の改正などを各国政府に実現させるまでにはいたっていない」と述べている。
「新聞や放送の報道機関の記者やエディターは災害の模様を知らせるだけでなく、防災のために何をすべきかなど市民の意識を変える力を持っており、地域社会と政府当局者を結びつけて政府に影響力を行使できる」とニュース・メディアの役割に期待を表明した。
報告は「被害者や死者の数を数えたり、災害の実態についてのビデオを撮影したり、当局者にインタビューをするだけでなく、このような大災害がなぜ起きたのか、どうすれば防げたのか、早期警戒体制がなぜ機能しなかったのか、復旧・復興のためにどのような優先順位があるかなどについても、ニュース組織はその取材エネルギーを向けるべきだ」と訴えている。
報告の後半部分では、英BBCの編集部門のナンバー2だったジョナサン・ベーカー氏(現BBCジャーナリズム学校長)が「災害報道におけるメディアの責任」というテーマで、大災害を取材報道する上でのメディアの役割と注意事項をまとめており、参考になる。
ベーカー氏は「報道機関やジャーナリストはDisaster Risk Reduction(大災害のリスク縮小)のために何が必要かを理解し、大災害の危機に対処し、克服し予防するためにどのような対策をとるべきかを報道していくべきだ」と強調、災害前と災害発生後に報道機関のジャーナリストがどのように取材を展開すべきか、詳細に論じている。
東日本大震災と福島第一原発事故の深刻な災害から3か月、今、我々日本のニュース・メディアにとっても、災害報道の在り方を見直す上で、貴重な示唆に富む報告だ。
報告の全文は次のURLで入手できます。
http://www.preventionweb.net/files/20108_mediabook.pdf
(2011年6月13日 山口 光)
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