http://www.asyura2.com/10/hihyo11/msg/707.html
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http://diamond.jp/articles/-/11689
福島第一原発周辺の土壌からプルトニウムが検出された。
検出されたプルトニウムは、乾燥した土壌1キログラムあたり最大で0.54ベクレルと東京電力は発表した。
この猛毒プルトニウムの検出は世界中に衝撃を与えた。BBCは速報を流し、ル・モンドもさらなる核汚染の危険性を伝えている。
世界中のほとんどの新聞・テレビが、一面トップかあるいはトップニースで伝える中、相変わらず日本の大手メディアだけが、このニュースを矮小化して伝え続けている。
今回もまた、大手メディアや大物評論家、あるいは会見に一度も来たことのないジャーナリストたちが、御用学者たちが声を揃える「α線であるため、紙一枚で防げる」「比重が重いために遠くまで飛ぶことはない」とプロパガンダにまんまと乗っかり、悪質な「安全デマ」をばら撒いているのだ。
プルトニウム検出のニュースを
矮小化する日本の大手メディア
たとえば、きょうの産経新聞の記事もこの始末である。(以下ウェブ版より引用)
〈「土壌のプルトニウム 重い元素で遠くには飛ばず 人体に影響ないレベル」
東京電力福島第1原子力発電所の事故で、敷地内の土壌から微量のプルトニウムが検出された。健康や農作物に影響はないのか。疑問をまとめた。
Q プルトニウムとは
A 天然ではほとんど存在しない放射性物質で、呼吸などで体内に入ると骨や肺に沈着し、強い発がん性を帯びる。半減期は非常に長く、体内に入ると放射線を出し続け、排出されにくい。核分裂を起こして膨大なエネルギーを出すため核兵器の材料にもなる
Q 健康への影響は
A 28日に検出されたうち事故の影響と考えられるのは2ヵ所で、濃度は高い方で土壌1キロ当たり0.54ベクレル。過去、海外の核実験の際に国内で観測されたのと同じレベルで、東電は「通常の土壌中の濃度と同じ。人体に問題になるものではない」と説明している。経済産業省原子力安全・保安院や専門家も「ただちに健康に影響はない」との見解だ
Q どこまで飛んでいるのか
A プルトニウムは重い元素で、今回は遠くには飛んでいないと考えられている。また、プルトニウムが出す放射線「アルファ線」は、人体に影響は大きいものの空気中では3センチも進めず、紙1枚で遮ることができるとされる。ただ、東電は今後も土壌を定期的に採取して調べるという
Q 土壌の放射性物質が周辺の農地や農作物に与える影響も心配だ
A 土中の水分からの吸収は、葉もの野菜のように空気中の放射性物質が直接付着するより少ないと考えられている。半減期が8日と短いヨウ素や、現状では広範囲に広がっていないとみられるプルトニウムより、半減期が約30年のセシウムが問題になる。だが、土壌については、どの程度なら安全なのかといった基準値がないのが現状だ〉
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110330/dst11033022150069-n1.htm
なぜ安全性を
強調しなければならないのか
少し考えれば、「α線で遮断しやすく、遠くまで飛ぶことはない」と「プルトニウムの危険性」が別問題であることは誰にでもわかる。
にもかかわらず、なぜ安全性を強調しなければならないのか。そもそもプルトニウムの測定の単位だけが、これまでの放射性物質の測定の「一平方メートル当たり」ではなく、「一キログラム当たり」になっているのも不思議だ。
大気に撒かれた放射性物質が深く土の中に潜るのには当然に時間がかかる。なぜ表面ではなく、土壌を掘り起こしての計測になるのか。パソコンの前に座ってばかりいる“ITジャーナリスト”に調べてもらいたいものだ。
また、プルトニウムは肺に入らなければ安全で問題がないとするような「安全デマ」報道も続いている。
〈東京電力によりますと、検出されたのは、プルトニウムの仲間でプルトニウム238と239、それに240の3種類でグラウンド付近の場合、このうちのプルトニウム238が1キログラム当たり、およそ0.54ベクレル検出されました。この濃度は、国内の通常の土壌に含まれる濃度や、過去に大気圏内で行われた核実験で国内に降ったプルトニウムの濃度ともほぼ同じレベルです。仮に同じ濃度の食べ物を1キログラム食べたとすると、被ばく量は成人の場合、50年で0.12マイクロシーベルトになります。これは一般の人が1年間に浴びても差し支えないとされる1ミリシーベルトの8000分の1ほどの値です〉(29日/NHKニュース)。
テレビに登場したある原子力の専門家は、もっと直接的な表現でこれを説明したという。「仮に、プルトニウムを食べたとしても、命に別状はありません。よって神経質になる必要はありません。デマを信じないでください」(元動燃職員)
かつて動燃が作った宣伝ビデオ
「頼れる仲間プルト君」
さらにかつてその動燃が作った宣伝ビデオ「頼れる仲間プルト君――プルトニウム物語」では、アニメ主人公のプルト君に次のように言わせている。
「ぼくについての誤解は猛毒でがんになるということです。ぼくは長い間α線を出し続けます。でも、このα線は紙一枚でもさえぎることができる放射線です。飲み込まれて胃や腸に入った場合でも、ほとんどが排泄されて身体の外に出てしまいます。プルトニウムが原因でがんになったことは一件もありません。プルトニウムが人体に影響を与えることは考えられません」
ビデオではこの説明とともに、トイレの絵とともに「サッパリ スッキリ」、「安全」という文字が表示される。
http://www.youtube.com/watch?v=bJlul0lTroY&feature=player_embedded
このテレビやアニメをみて「では、是非とも食べていただきたい」と思ったのは筆者だけではあるまい。
24時間体制で東電本社や保安院に通い、政府・東電の隠蔽体質を追及してきた自由報道協会所属のフリーランス記者たちも、核汚染の怖さを知っている欧米の記者たちも同様の反応を示した。
そして何より、原発周辺に住み、いまなお不安な避難生活を送っている地域住民は、さらにそう思っているに違いない。
日本メディアと
欧米メディアの“温度差”
29日、「ニュースの深層」(朝日ニュースター)に出演した名古屋大学医学部の太田勝正教授はプルトニウムが人体に与える影響についてこう語った。
「そうですね、世界中でプルトニウムが恐れられている理由には内部被曝の問題があります。空気中に舞ったり、飲食物と一緒に体内に取り込んで、その粒子を吸い込んでしまって肺に到達しその内壁に付着した場合は、半永久的に放射線を出し続けることから、かなりの確率でがんになるリスクが高まり、危険と言えるでしょう」
太田氏も指摘した通り、プルトニウムが危険だといわれる理由は、その長い半減期にもあるだろう。
世界中ではプルトニウムの検出をもって、いよいよ日本は取り返しのつかない原発事故を起こし、政府はコントロールが失いかけているとみ始めている。
欧米、とくにフランスを筆頭とした国々は、日本のことを悲惨な震災に見舞われた被災国というよりも、原子力エネルギーを管理できない核犯罪国家とみなし始めている。
このままではG8の一員である先進国としてどころか、放射能汚染を放置する無政府状態の最貧国として扱われる日が近いのかもしれない。
それでも、東京電力と政府と大手メディア、そこに群がる御用評論家たちは、プルトニウムは「危険ではない」と強弁している。
最後には、日本人はプルトニウムに耐性があるのだ、などと言い出して、これ以上、世界に恥をさらさないことを祈るばかりだ。
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